冠婚葬祭のマナーで混乱することの1つに、“ご祝儀の包み方”があります。ご祝儀は結婚式に参列する際に欠かせないものですが、袋の選び方や名前の書き方、お金の入れ方など、マナーが数多くあります。この記事では、ご祝儀袋の選び方・書き方についてご紹介します。
そもそもご祝儀とは何? 袋のデザインにもマナーがある!? 結婚祝い用ご祝儀袋の選び方
現代における“ご祝儀”とは「節目を祝う贈り物(または金品を贈る風習そのもの)」という認識が一般的。結婚だけでなく、出産祝いなどでもご祝儀袋にお金を包みます。しかし、全てのお祝いで袋の種類が共通しているわけではありません。まずは袋の選び方からポイントを押さえましょう。
ご祝儀袋は種類豊富! 「結婚式のご祝儀」が用途なら「結びきり」「あわじ結び」の水引を選ぼう
ご祝儀袋は、飾り紐である「水引(みずひき)」の結び方と色によって意味が異なっています。例えば「蝶結び」のご祝儀袋はお祝い全般に使われますが、蝶結びは何度でも結び直せることから“何度あってもいい”お祝いに適しており、結婚祝い用には使われません。
結婚祝い用には、1度結んだらほどけない「結びきり」や「あわじ結び」のご祝儀袋を使用しましょう。これらには“1度きりのお祝い”という意味が込められています。
3万円用と10万円用ではデザインが異なる!? 種類豊富なご祝儀袋は包む金額に応じて選ぶことも大切
同じ結婚祝い用のご祝儀袋でも、シンプルなものから豪華なデザインまでラインナップは豊富。目上の方に贈る場合はフォーマルなデザインを選ぶのが基本です。例えば英語で書かれたものなどカジュアルなデザインのご祝儀袋は、親しい人に渡す時に使うと良いでしょう。
さらに気をつけたいのは、“包む金額に見合うデザインを選ぶこと”です。豪華なデザインのご祝儀袋に、少額の金額を包むのは失礼にあたるため注意しましょう。ご祝儀袋のパッケージ等には「1万円~3万円用」といったように金額の目安が明記されていることが多いです。迷った場合はそちらを参考にしてください。
ご祝儀袋はどこで買うもの?
ご祝儀袋は、百貨店や文房具店、書店、コンビニ、場合によってはスーパーマーケットや家電量販店、雑貨屋で販売されていることもあります。インターネットでも購入可能です。
ご祝儀袋をコンビニで買うのは失礼にあたるってホント?
「コンビニでご祝儀袋を購入すると、慌てて買った感じがして失礼」という意見もありますが、そもそも袋を見ただけではどこで購入したご祝儀袋か判別することは難しいです。あまり神経質になる必要はないでしょう。
ただし、一般的にコンビニで販売されているご祝儀袋はスタンダードかつシンプルなデザインのものが多く、ラインナップも少ない可能性があります。デザインにこだわりたい方は、インターネットショップを利用したり、様々な店舗に足を運んでみたりしましょう。
友達・上司・親族などなど……新郎新婦との関係性で異なる結婚式のご祝儀の相場
結婚式のご祝儀は、新郎新婦との関係性に応じて相場が異なります。詳しくは下記の記事を参照してください。
なお、死・苦を連想させる「4万円」「9万円」や、別れを連想させる「割り切れる偶数」は縁起が良くないとされています。ただし、10万円・20万円といったキリが良い数字は例外で、「夫婦、ペア、二重の喜び」を連想させる「2万円」も昨今では縁起が良いという認識が定着しています。
覚えておくと役に立つ! 結婚式のご祝儀袋の書き方
ご祝儀袋にお札を入れる前に、表書きや中袋(なかぶくろ)に金額・名前を記入します。記入の際には、濃い墨の筆ペン、筆、太字のペンを使いましょう。薄墨はお葬式で使用するため、ご祝儀での使用はNGです。
【結婚式のご祝儀袋の書き方】お祝いの名目と氏名を記入する、表書き・短冊
表書きには、お祝いの名目や氏名を記入します。短冊がついているタイプであれば、短冊にこれらを書きましょう。
「お祝いの名目(寿・御結婚御祝)」が印刷されていない場合、水引より上の中央部に、大きめの文字で書きましょう。前述の通り結婚祝いにおいて偶数は縁起が良くないとされているため、名目を記載する場合は、文字数が偶数にならないよう注意してください。例えば「御結婚祝」(4文字)ではなく「御結婚御祝」(5文字)と書くのが一般的です。
水引の下には、名目より少し小さめの文字で贈り主(自分)の名前を書きます。
結婚式に夫婦で参列する場合や、連名にしたい時のご祝儀袋の書き方
表書きの贈り主の氏名は、1名なら中央に書き、夫婦連名の場合は中央に夫、その左側に妻の名前を書きます。家族の場合は全員の名前を書くか、代表して世帯主の名前を書いて別紙に家族の名前を書き、中袋に入れるパターンなどがあります。
【結婚式のご祝儀袋の書き方】お札を入れる中袋
ご祝儀袋のタイプによりますが、お札を入れるための「中袋」という封筒が入っている場合も多いです。新郎新婦があとから整理しやすいように、金額・贈り主の氏名・住所を記入しましょう。
中袋の表には、中央に「金 ○萬円」と漢数字で金額を書きます。そして裏側に、贈り主の住所と氏名を記入します。
ご祝儀袋に包む金額の書き方は漢数字&旧字体が一般的
中袋の表側に記載する金額は漢数字で記入します。昨今では通常の漢数字(一、二、三、五、万など)も許容されていますが、旧字体(壱、弐、参、伍、萬など)を用いるのが通例です。
結婚式のご祝儀袋で大切なのは書き方だけじゃない! お札の入れ方の基本
ご祝儀袋に入れるお札は、新札を用意しましょう。銀行や郵便局の窓口で両替してもらうか、式場にお願いして両替する方法もあります。郵便局や式場によっては両替を受け付けていない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、お札の入れ方や中袋の向きにもマナーがあります。
お札の向きに要注意! 結婚式のご祝儀袋における中袋やお金の入れ方
お札を入れる時は、肖像画が封筒の表の上側にくるように揃えます。中袋がある場合は、表面がご祝儀袋の表書きと同じ向きになるようにして包みましょう。
最後に、ご祝儀袋の下側の折返しを上に重ねて折ります。これには“幸せがこぼれ落ちないように”という意味が込められています。
ご祝儀袋に関する数多くのマナーを紹介しました。面倒に感じる方もいるかと思いますが、それぞれにきちんと意味があり、それらは新郎新婦の幸せを願う気持ちにつながっています。お祝いの思いを込めるつもりで、各手順を丁寧におこなってみてください。
※データは2022年2月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
文/bommiy