ハンターカブCT125の魅力を語る。クロスカブとの違いとは【カブガールが行く】
2022年も勢いが止まらないホンダの小型二輪。普段はクロスカブに乗っているライダーの視点より、ハンターカブの魅力をお伝えします!
前回のおさらい
HondaGO RIDEアプリを使えば簡単・リーズナブルにバイクをレンタルできると知った筆者、高木はるか。
さっそくハンターカブのレンタル車両を探し、借りてみました。予約はアプリ内で完結するし、支払いもクレジットカードを利用してオンライン決算で簡単!
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今回の記事では、レンタルしたハンターカブに乗ってみたレビューをお届けします!
CT110を受け継いだレトロな外観
1981~2012年まで製造されていたハンターカブCT110のコンセプトを継承しつつ、2020年に発売された現行ハンターカブCT125。現代っぽくアレンジを加えられつつもCT110のデザインの名残を感じる外観です。
例えばLEDの丸目ヘッドライトとスクエアウインカー。
ツヤっと丸っこいシルエットが可愛い!オフ車のようなアップマフラー、ゴツゴツとしたシルエットの外装から漂う無骨な雰囲気を、ちょっと柔らかくしてくれるような愛嬌がありますね。
オフ車っぽさは随所に感じられ、ノーマルの状態でアンダーフレームがついています。クロスカブにも欲しいと思っていたんですよね…!
マットな質感のマフラーガードは、デザインだけでなく性能も優秀。走行後に素手で触っても熱くないほどでした。
カブの特徴とも言えるシーソー式チェンジペダルは健在です。
前側のペダルの形状は円柱。つまり踏み込むだけではなく、通常のバイクと同様に、つま先のみでのシフトアップ&ダウンにも対応しているのです。
悪路などでスタンディング中にもシフトチェンジがしやすく、よりアクティブなモデルであることがわかります。
ただしつま先だけで操作する場合、一般的なバイクのギアチェンジとは逆の操作(上げるとシフトダウン、踏むとシフトアップ)なので、カブの運転に慣れていない方は注意が必要です。
タイヤはクロスカブと共通の17インチのセミブロックタイヤ。オンロードもオフロードも両方走れるオールマイティなタイプで、ちょっとしたダートを散歩するぐらいであれば、十分に活躍してくれます。
ブレーキは前後ともディスクブレーキで、フロントにはABSがついているのも特徴です。
試しにギュッとかけてみると、カブとは思えないほどによくブレーキが効いてビックリ。メリハリのあるライディングが可能です。
そして思わず「でっかーい!」と声をあげてしまったのが、約477mm×約409mmとビッグサイズなリアキャリア。
4つの荷掛けフックがあり、誰でも簡単に荷物を積載することができます。もちろん安定感は抜群なので、キャンプ用具を一式積んだまま林道を走行することだってできるでしょう。
ノーマルの状態でここまでアウトドア寄りの仕様なのは、さすがハンターカブです!
足つきは悪いけど軽くて扱いやすい
ハンターカブのシート高は800mmと、カブにしてはかなり高め。身長156cmの私がまたがると、お尻をしっかりとズラしてやっと片足がベッタリつくほどです。
両足をつけるとこんな感じです。つまさき立ちでギリギリ立てるほど。
対してシート高784㎜のクロスカブはこんな感じです。ハンターカブに比べるとかなり余裕があります。
初めてバイクに乗る方にとって、足つきは最重要事項のひとつ。
不安に思う方も多いかもしれませんが、足つきが悪い中でも、ハンターカブに不便さや乗りにくさは感じませんでした。
理由はおそらく120kgという車体の軽さ。多少バランスをくずしても「えいや!」と支えられるのです。(といっても、カブシリーズの中では最重量ですけどね)
ただし、またがる動作中だけは、車高の高さを強く感じました。
他のカブシリーズと比較すると、ハンターカブはボディがぶ厚め。
脚をシート前に通して乗車しようとすると、かなり高く上げる必要があり、途中でバランスを崩しそうな不安がありました。カブ以外のバイクのように脚を後ろ側に回して乗車する方法もあるのですが、キャリアに荷物を積んだ場合はそれも難しくなります。
慣れてしまえばなんてことはないポイントですが、レンタルバイクということもあり、私は毎回サイドスタンドを出したまま慎重に乗車をしました。
クロスカブと並べるとこんな感じ。
似ていると言われることが多い2台ですが、こうして比較するとデザインや仕様にかなり違いがあるのがわかりますね。特にシートとハンドルの高さは全然違います!
オンロードはトコトコ マイペースが楽しい
まずは街乗りからスタート!走り始めてすぐにライディングポジションに驚きました。
高めのハンドル位置により胸を開くようなポジションになるのがオフ車っぽく、体を丸めるような姿勢になる他のカブシリーズとは大きく違いました。視点もかなり高めで、アクティブさを感じます。
クロスカブと比較すると15ccしか違わないはずですが、「おっ!パワフル!」と声をあげてしまうような走り心地です。
街乗り中に関しては坂道、幹線道路、住宅街とどんな道を走っても不足なし。周りの車に置いて行かれることもなく、軽快な乗り心地を楽しむことができました。
50~60km/hぐらいの速度におさめて走ればかなり気持ち良い!クロスカブよりも10km/hほど速く走れるような体感です。
パワフルさは峠道に入っても感じられました。特にカーブをヒラリとクリアしたあとにアクセルを開けると、グイッと力強く立ち上がってかなり爽快です。急な登り坂も3速でしっかり登ってくれます。
クロスカブと比較すると14kgほど車重があるはずなのですが、まったく重さを感じません。むしろメリハリがあって小回りも効くことから、クロスカブよりも軽く感じる瞬間すらありました。
ただしあくまでカブ。スポーツ仕様に作られているバイクではないため、本気で峠を走りたい!という方にはパワー不足に感じるかもしれません。
バイパスも走ってみましたが、走れなくはないけどできれば避けたい という感想です。
もちろんクロスカブよりは余裕がありますが、周りの車にはおいて行かれるし、1車線の道であれば後ろの車から煽られる危険もありそう。
高回転で走ると振動で手がしびれるし、車体の軽さからフラフラしやすい。その上身体全体に強い風を受けつつも、ニーグリップできないカブでは 身体を小さく縮めて耐えることしかできないのです。
個人的には、バイパスはあくまで早く目的地にたどり着くための手段。やはりカブに乗っている以上、のんびりトコトコマイペースに走るのが楽しいのでした。
オフロードではさすがの走破性!
一番面白さを感じたのは、林道に入ってからです。レンタルバイクにも関わらず、ガッツリ未舗装路に入ってみました。
実を言うと林道に入ってすぐは「意外と動きにくいなぁ」なんて感じてしまっていたのですが、原因は私が背負っていたリュックサックにありました。笑
リュックを地面に置いて手ぶらで走ってみると……めちゃくちゃに走りやすい!
クロスカブと比較すると足回りがしっかりしている印象があり、多少のスピードを出してもギャップを吸収してくれます。多少のデコボコや砂利道はテクニックなしでも簡単にクリアでき、運転が上手くなったような気分になりました。
軽くぬかるみにも突っ込んでみましたが、車体の軽さから難なくクリア。
カブに乗っているというよりはオフ車に乗っている感覚に近く、フットワークが軽くなったような気がしました。
これはめちゃくちゃ楽しいバイクだぞ…!!
※店舗の許可を得て走行しています。HondaGO RIDEでは、
最後はガソリンスタンドへ
1日中遊びまわって大満足。最後は満タンまで給油して返却をしましょう。
ハンターカブはシートにロックがかかっていて、鍵穴は車体の左側にあります。シートロックなし、給油口に鍵穴があるクロスカブとの違いのひとつで、高級感のある仕様です。
120kmほど走って給油量は2.45L 、燃費は50km/L弱でした。さすがカブシリーズというだけあって、アクティブな走りに似合わずかなりのエコ燃費!
ちなみに、クロスカブの燃費は通常60km/Lほど。どちらも十分低燃費なのですが、ちょっとだけクロスカブの勝ちですね。
無事、お店にたどり着いて返却です。ありがとうございました!
ハンターカブとクロスカブで迷っている方は…
「すごく楽しい」と噂では聞いていたハンターカブ、期待以上にアクティブで遊び心溢れるバイクでした。
私が感じたハンターカブの好き!ポイントは、
・パワフルでメリハリのあるエンジン
・どんな道でも安定した足回り
・ノーマルなのに頑丈で積載しやすいリアキャリア
「今自分はカッコいいバイクに乗っているぞ」という実感が得られるのも良いポイント。細部のデザインまで徹底して高級感があり、かなり所有欲が満たされるバイクであると感じました。
ただし…私個人としてはやっぱりクロスカブが好きかな、なんて思っています。
これまで一緒に走ってきて愛着があるのはもちろんですが、長距離を走る疲れにくさや、体格に合ったサイズ感はクロスカブの方が優れています。パワーの無さはデメリットでもありますが、逆にまったりとした乗り心地がいわゆる“カブらしさ”とも言えます。もちろん、ハンターカブよりも10万円近く安い価格だって魅力的。
どちらが優れているか、なんて決めつけることができないほどに、まったく違う性格を持ったクロスカブとハンターカブ。
迷っている方はHondaGO RIDEでレンタルをして、実際に乗ってみるのがオススメです。なんていったって手続きは簡単、8時間借りても5000円という超低価格なんだから!
(クロスカブを取り扱っている店舗が少ないのは残念ですが…。笑)
HondaGO RIDEについての詳しい情報はこちら(https://hondago-bikerental.jp/)
取材協力:ナナカンパニー
文/高木はるか
アウトドア系ライター。つよく、しぶとく、たくましくをモットーにバイクとキャンプしてます。 愛車はversys650、クロスカブ110、スーパーカブ90。
高木はるかの記事は下記のサイトから
https://riding-camping-haruka.com
編集/inox.