スタートアップ/ベンチャー企業に特化した不動産サービスを展開するIPPOは、オフィスビル内のイベント企画運営プロジェクト「タテヨコ」を開始した。同じビルやフロア内に入居する就業者に限定し、企業の枠を超えたオンライン/オフラインのつながりを促進する。
コロナ禍の需要減を克服するには?
コロナ禍でリモートワークが加速し、オフィスの空室率は上昇。オフィスは供給過多となり、差別化や付加価値の提供が必須となった。「いかに入居企業に満足いただき、離脱を防ぐかが課題(同社)」だ。
同社が注目したのは「コミュニティ」としてのオフィスビルの可能性だ。同社の顧客であるスタートアップ/ベンチャー企業にとって、他社とのコミュニケーションで刺激を与え合うことは、ビジネスを成長させる糧となる。
以前から入居企業の交流イベントを企画してきたが、コロナ禍で開催が難しくなっている。
そこで、同社はオンラインを含むオフィスビル内のイベントプロジェクト「タテヨコ」を始動。新しい不動産の価値創造を図る。
具体的には、
・同じ職種や同じ役職の就業者が語るZOOM交流会
・同じ趣味を持つ就業者動詞の交流会
・使わなくなった物をテナント同士で融通し合う「モラッテ」
・家族参加型のオンラインお絵かきファミリーデー
などを企画する。
ネーミング通り、タテとヨコ、両方で人のつながりを広げる取り組み。「ここに入居してよかった」と感じてもらえるような、他にないイベント運営、サービス提供を目指す。
リアルであることの価値
オフィスに限らず、コロナ禍で場所や設備の役割が見直されている。アパレル店でオンラインショッピングできるように、オンラインとの融合によってリアルの空間を再定義する試みは、あらゆるビジネスのヒントになる。
ただし、今回なら単なるオンラインコミュニティでなく、オフィスビルの入居者同士でつながる意味が必要。重要なのはオンラインよりも、むしろリアルが介在する価値を見極めることかもしれない。単なる機能追加ではなく、融合で新しい価値をうむ創意工夫に注目したい。
●プレスリリース
オフィスビルに新たな付加価値を!就業者向けのコミュニティ創造プロジェクト 「タテヨコ」の始動を開始しました。
取材・文/ソルバ!
人や企業の課題解決ストーリーを図解、インフォグラフィックで、わかりやすく伝えるプロジェクト。ビジネスの大小に関わらず、仕事脳を刺激するビジネスアイデアをお届けします。
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