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人の目を見て話すことを苦手だと感じるのはなぜか?

2022.02.15

普段、相手の目を見ながら、話すことができているだろうか? きっと恥ずかしさがあり、多少なりとも苦手意識を持っている人は多いかもしれない。

実は、人の目を見て話すことは、ビジネスシーンで信頼を勝ち取ることができるほど、有効なことだといわれる。人の目を見るのが苦手な人は、ぜひ克服したい。その原因と対策を心理学の観点から探るべく、精神科医に話を聞いた。

「上司、部下・後輩の目を見られるのは5秒以下」が7割

千寿製薬が、2021年10月~11月、全国47都道府県の男女5,640人へと調査を行ったところ、次のような興味深い結果が出た。

●コロナ禍によるマスク生活で「目や瞳」の重要性が高まる

他人の印象を判断するときに重視する顔の部分を尋ねたところ、通常時は「目や瞳」(59.8%)を重視することが最も多く、コロナ禍以降も「目や瞳」(45.4%)を重視する人が最も多くなった。コロナ禍でマスク生活が日常となっていますが、マスクをつけることで人の印象における目の役割が増えていると思うかと聞くと、80.3%が「増えていると思う」と回答した。マスク生活で目は重要度が上がっているようだ。

●「人の目を見て話すことが苦手」は49.4%

目に関連した問いのうち、人と話をする際、「人の目を見て話すことが苦手」と答えたのは全体の49.4%にも上った。これは若い年代のほうが苦手に感じる割合が高く、10代~40代男女は半数以上が、相手の目を見て話すことが苦手と答えた。

話をする際、47.6%が「相手から目を見られることが苦手」と回答。男性よりも女性に多く、女性においては 若年層になるほどその傾向が強くなっていた。

●「上司、部下・後輩の目を見られるのは5秒以下」が7割

ビジネスシーンのアイコンタクトは重要となる。上司・部下・後輩の目を見ていられる秒数を尋ねたところ、7割近くが「5秒以内」となった。内訳は上司に対しては「まったく見ることかできない」が8.9%、「1~5秒」が58.4%で合計67.3%、部下・後輩に対しては「まったく見ることかできない」が7.8%、「1~5秒」が57.5%で合計65.3%となった。

目を見て話すことは説得や交渉の場面で重要

同調査にコメントを寄せていたイメージコンサルタントの堀岡桂子氏は、ビジネスシーンで「目を見て話す」ことの重要性を述べていた。

「私は仕事柄、企業のエグゼクティブや経営者と接する機会が多いのですが、できる人ほど“ここぞ”という説得や交渉の場面 で目力を駆使しています。これは“目より口”のコミュニケーションを重んじる欧米でも同じで、とあるイギリス人は『目を見ず接してくる人とは取引したくない』ときっぱり言っていたほどです。

このように、瞳のチカラを高め、目を駆使してコミュニケーションする ことは、日本人本来の“強み”であるとともに、グローバルコミュニケーションにおける“必須スキル”といえるでしょう」

ビジネスでは特に、人の目を見て話すことは必須スキルであり、それができなければマイナスとなる恐れもあるようだ。

「人の目を見て話す」ことが苦手と感じる原因は?

同調査結果では、「人の目を見て話すことが苦手」と答えたのは全体の49.4%。若い年代のほうが苦手に感じる割合が高い傾向が出ていた。

「人の目を見て話す」ことが苦手と感じる原因は何が考えられるだろうか。精神科医のゆうきゆう氏に話を聞いた。

【取材協力】

ゆうき ゆう氏
精神科医・マンガ原作者。ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックグループ総院長。
東京大学医学部医学科を卒業。医師業のかたわらマンガ原作者としても活躍。主なマンガ原作に 「マンガで分かる心療内科」(少年画報社)などがある。
ゆうメンタルクリニック
ゆうスキンクリニック

「人は目と目を見つめ合うことによって、相手と自分の存在をより強く感じ、自分が見られることを意識してしまいます。仮に相手のことを陰からこっそりのぞいていたら、緊張はしません。それは、こちらが一方的に見ている状態で、相手と目が合うことがないため、『自分が見られている』とを認識していないからです。見つめ合うということは、相手から見られていることを認識するので、『自分自身はどう見られているだろう』、『自信がない』、『こんな風に見られたら嫌だ』『ちゃんと見られているのだろうか』など思いを巡らせしまい、緊張感が強まってしまいます。

例えば、昔の世代の人はせいぜい家電話しか使っておらず、基本的に『会う(対面でのコミュニケーション)』がメインでした。インターネット上で完結するコミュニケーション、例えばメール、LINE、SNSなどに慣れすぎている現代人は、対面のコミュニケーションの回数が減ります。不慣れであるという部分も、緊張しやすい要因なのかもしれません」

人の目を見て話すことの心理的効果

人の目を見て話すことには、どのような心理的効果があるのだろうか。

●緊張・理性的な振る舞いに向かわせる

「まず、自分自身が見られると緊張するように、相手も同じく緊張するという心理があると思います。そして人は目を見つめ合い、近くに相手の存在を感じることによって、相手に対して優しくしたいと思うなどの、理性的な振る舞いをしようするものです。さらに『相手の頼みなどを断りづらくなる』という心理も出てきます。模範的、理想的に振る舞わなければいけない、という心理が働きますので、何かお願いするときは、面と向かって目を見てお願いしたほうがよりOKされやすいのではないでしょうか。

●表情を把握できるのでコミュニケーションが円滑にいく

「相手の目を見ることで、表情を把握することもできますので、メールなどで本心が分からないまま無難な会話を続けているより、良い結果が得られるのではないかと思います」

目を見て話すことが苦手な人は「相手の眉毛や鼻先に意識を集中」「観察者になる」

目を見て話すことは、ビジネスを始め、身近な人間関係にもメリットが多いようだ。しかし、苦手意識があるとどうしても実践しづらいのが現実だ。ゆうき氏に、目を見て話すことが苦手な人へアドバイスをもらった。

「目を見て話すのが苦手と感じる方は、相手の眉毛や鼻先を見るなど、目ではない別の部分に意識を集中していただくと緊張感が多少ほぐれて、相手の目を見やすくなるのではないかと思います。それでも相手は、自分の目の方向を見ていると思うので、違和感を与えることはありません。

また『観察者』として対面するのも良いでしょう。例えば、相手のまばたきの回数を数えるなど、自分の意識をそらせながら相手を見るというのも緊張を和らげるテクニックだと思います」

マスク生活では、より目が重要になってきている。人の目を見て話すことは、とても有効といえる。まず相手の目を見ることの重要性を理解した上で、実践してみよう。

【調査出典】
千寿製薬「瞳のチカラ白書」2021年度版

取材・文/石原亜香利

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