イシン・ホテルズ・グループは、シティホテル「the b」の一部で導入済みのサービス「じぶんかって」を、2月1日から全施設で導入すると発表した。「ホテル業界の常識を打ち破る(同社)」とするサービスで、先行導入した「the b 銀座」「the b 赤坂」で講評を得たという。
このビジネスのポイントは、「顧客都合と自分たち都合の見直し」だ。顧客視点に立った新たな仕組みを、詳しく見ていこう。
自由に滞在をアレンジ。新たな利用シーンの開拓にも
「じぶんかって」は、通常ホテルが設定しているチェックイン/チェックアウトの時間や、滞在時間の縛りを外したサービス。好きなタイミングで利用でき、1時間から滞在した分だけ料金が発生する。
早朝や深夜に到着・出発する行程の旅行で、チェックイン/チェックアウトまでに空き時間を持て余した経験はないだろうか? 「じぶんかって」ならホテルや空港のロビーで時間をつぶすようなことなく、移動の予定に合わせて客室を利用できる。
終電を逃して朝まで滞在したい場合も、1泊分の料金を支払うことなく、始発まで快適な室内で過ごすことも可能。また、テレワークや会議、ホテルでの女子会やランチなど、客室の利用シーンがぐっと広がる。
予めすべてのサービスを含めて提供するホテル業界の仕組みを見直したことが、料金システムのミソだ。「じぶんかって」では、「チェックインフィー」「滞在フィー」「客室清掃(72時間以上滞在の際のオプション)」を組み合わせて、自由にアレンジできる。ユーザーに過剰なコストを要求しないための仕組みだ。
チェックイン/チェックアウト時間の縛りは、清掃など施設の運用にはメリットがあるが、必ずしも顧客都合の仕組みではない。「顧客都合と自分たち都合の見直し」を行い業界の「当たり前」を変えたことで、顧客やより自由にホテルを利用し、ホテルは新たなニーズを取り込むことができる。
皆さんの仕事でも、「自分たち都合」で凝り固まった業界や組織の「当たり前」がないだろうか? それらを発見することが、ブレイクスルーのきっかけになる。
取材・文/ソルバ!
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