申告期限を過ぎてしまった場合は?
確定申告の申告期間を過ぎた後でも、申告書の提出は可能です。税金の納付があるときは延滞金がかかりますが、早めに提出すれば加算を避けられます。還付申告には5年間の期限が設けられているため、申告期限が過ぎないよう注意が必要です。
確定申告の受付はできる
毎年2月16日から3月15日の期限を過ぎても、確定申告は可能です。税金の納付があるときは、延滞金や加算金が増える前に手続きを進めましょう。
控除を活用して税金を還付してもらうときは、5年間の期限があります。できるだけ早めに手続きを行うよう心がけ、最終的な申告期限を過ぎないよう注意が必要です。5年を過ぎると払いすぎた税金が返ってきません。
どちらの場合も、3月15日までの提出を忘れていたからと諦めずに手続きを進めましょう。還付申告では数年分をまとめて提出しても問題はありませんが、必要書類を紛失するリスクもあります。
参考:
No.2024 確定申告を忘れたとき|国税庁
還付請求の消滅時効の起算日|国税庁
最大20%の「加算税」がかかる
確定申告の期限を過ぎてしまうと、『加算税』がかかる可能性があります。無申告のペナルティとして、納付しなければならない税金に対して最大20%が加算される制度です。
加算税は、基本的に『無申告のまま税金の支払いを逃れようとしていたとき』に加算されます。
申告期限から1カ月を過ぎる前に申告し、本来は期限内に提出しようとしていたことが認められれば加算税の徴収はありません。過去の経歴や、税金を速やかに支払う意志があるかによっても加算税の有無が変わります。
大幅なペナルティを受けないよう、税金の納付が必要なときは気づいた時点で申告を行いましょう。
「延滞税」で納める税金が増える
『延滞税』は申告期間を過ぎると加算されるものです。税金を支払い終わるまで延滞税が増え続けるため、早めに申告と税金の支払いを済ませましょう。申告期間を過ぎてからの提出は、提出日当日に税金の支払いが求められます。
延滞税は申告した時期や、毎年財務大臣が公表する『延滞税特例基準割合』によって加算される税率が変わるため小まめに情報をチェックしましょう。
遅延が申告期限から2カ月以内の場合は、年率7.3%または『延滞税特例基準割合』に1%を足したもののうち低い方です。2カ月以上経過していると、年率14.6%または『延滞税特例基準割合』に7.3%を足したもののどちらか低い方が適用されます。
青色申告だと控除の減額も
給与以外に収入がある場合、『青色申告』を行うと最大65万円の特別控除を受けられます。しかし、青色申告の控除は『期限内に申告を行うこと』が条件です。
申告が遅れると、控除額は10万円まで減額されてしまいます。青色申告で税制上の優遇を受けたいなら、期限内の申告が必須と考えておきましょう。事業や副業を青色申告で手続きするときは、確定申告の予定も含めてスケジュールを立てると安心です。
確定申告に関するQ&A
確定申告は、土日でも受け付けているのでしょうか?また、内容が間違っていたときの対処方法も気になるところです。確定申告の前に知っておきたいポイントを解説します。
確定申告は土日でもできる?
確定申告書の提出は、e-Taxの場合は土日でも可能です。郵送でも土日発送が可能ですが、受け取りは月曜日以降になります。
期限が迫っているときは、e-Taxが便利です。メンテナンスの時間帯を除き、申告期間内はいつでも利用できます。休日のうちに申請を終わらせたいときは、事前にe-Taxの利用申請を済ませておきましょう。
確定申告の期間は、税務署も日曜日に提出を受け付けていることがあります。2022年の2月20日と2月27日は、確定申告会場として指定される一部の税務署で提出や申告書の作成が可能です。
参考:e-Taxの利用可能時間 | 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス)
内容が間違っていたらどうすればよい?
確定申告を終えてから、何らかの間違いに気づいたときは修正が可能です。修正の方法は、間違いに気づいた時期や税金の還付があるかどうかで変わります。
確定申告の期間を過ぎる前に気づいたときは、『訂正申告』として確定申告書をもう一度提出しましょう。訂正した方の書類が受理されます。
期限を過ぎてしまってからミスに気付いたときは、『更正の請求』または『修正申告』が必要です。税金を多く支払っていたときは『更正の請求』で、少なく見積もってしたときは『修正申告』をします。
税金の還付処理が終わっている場合には、期限内であっても『更正の請求』が必要です。
構成/編集部