ワイシャツに付いてしまった黄ばみのようなしつこい汚れは、自宅では落としにくい場合も多いです。また、ワイシャツはシワにもなりやすく、アイロンがけが面倒という人もいるでしょう。手間をかけずに真っ白でパリッとしたワイシャツを着たいなら、クリーニングに出してみてはいかがでしょうか。今回は、ワイシャツをクリーニングに出すメリットやクリーニングの出し方などを解説します。
クリーニングに出せば、ワイシャツの黄ばみもしっかり落ちる
ワイシャツの黄ばみ汚れは、皮脂が生地に付着し、酸化して変色したものです。一旦黄ばみが出てしまうと、簡単には落とせません。洗い方によっては自宅で洗濯して黄ばみをある程度落とすことも可能ですが、手軽にキレイにするためにはプロに任せてしまうのも手です。
クリーニングに出すと黄ばみが落ちやすい主な理由は、温水や専用洗剤を使って洗うためです。温水で洗う方法は「ランドリー」といい、ワイシャツのような水に強い衣類に用いられます。
また、一般的にワイシャツは水洗いできることが多いですが、まれに水が使えない素材のものもあります。水洗いできないワイシャツや、スーツ、セーターのような水に弱い繊維で作られた衣類は、溶剤を使う「ドライクリーニング」で洗います。ドライクリーニングは油性の汚れが落ちやすく、型崩れしにくいのが特徴です。
本来は水で洗えない衣類を水で洗う「ウェットクリーニング」という洗濯方法もあります。水溶性の汚れを落としやすく、「汗抜きクリーニング」などとも呼ばれています。
【参考】クリーニングの基礎知識(全国クリーニング生活衛生同業組合連合会)
パリッとした仕上がりもワイシャツのクリーニングをおすすめする理由の1つ
ワイシャツをクリーニングに出すと、アイロンがけをして返してくれるのもメリットです。特にパリッとのりがきいたワイシャツが好みの人は、手間なくピシッと仕上がったワイシャツを着られるのでおすすめです。
意外に安いワイシャツのクリーニング料金
一方、クリーニングのデメリットは、料金がかかることです。ただし、ワイシャツのクリーニング料金は、一般的にかなり安く設定されています。店舗によって幅はありますが、1枚150円程度から高くても350円程度の場合が多いです。
週5日ワイシャツを着るとして、1度着たものを全部クリーニングに出したとしても、安いクリーニング店なら1か月で4000円以内、高くても8000円程度で済む計算となります。
ワイシャツの黄ばみを落とすクリーニングの料金相場は?
ワイシャツの黄ばみは、ついて間もなければ、通常のクリーニングで落ちるものも多いです。この場合、別途料金は必要ありません。
時間が経って定着してしまった黄ばみは、染み抜きを依頼する必要があり、オプション料金が発生することがあります。食べこぼしやインクなどの染み抜きとは別に、襟や袖の汚れ落としの料金が設定されているクリーニング店もあります。
クリーニング店によって扱いが違うので料金の幅が広くなりますが、およその相場は100~1000円くらいです。
ワイシャツをクリーニングに出す際の持って行き方は?
普段あまりクリーニングを使わない人は、ワイシャツの持ち込み方法に悩むこともあるのではないでしょうか。ここではワイシャツをクリーニングに出す際の注意点を解説します。
店舗に持ち込む以外にも、宅配便で衣類を送る宅配クリーニングというサービスもあります。こちらも併せて解説します。
ワイシャツの襟や脇に黄ばみが付いていたらどうすればいい? 基本的なクリーニングの出し方
クリーニング店にワイシャツを持ち込む際の基本的な持ち込み方について解説します。
まず、クリーニングに出す前に、ポケットの中に何も入っていないか確認しておきましょう。洗濯したいワイシャツは紙袋やビニール袋などに入れて店舗に持って行くと、移動の際に傷つけてしまったり、汚れを付けて余計なクリーニング代がかかってしまったりするのを防げます。
最初にクリーニングを依頼する際には、会員登録を求められる場合が多いです。会員登録の際には、住所や氏名、電話番号などを用紙に記入します。
ワイシャツを預ける際には、店員さんが生地の材質や洗濯表示を確認します。黄ばみなどの汚れが気になるなら、預ける際に相談しましょう。汚れの程度によって、染み抜きのオプション料金が発生することもあります。
仕上がりは「ハンガー仕上げ」と「たたみ仕上げ」から選べる場合が多いです。ワイシャツを吊るして収納しているなら、ハンガーに吊るした状態で返ってくるハンガー仕上げを選びましょう。戻ってきたワイシャツをタンスにしまう場合や、会社から借りているユニフォームなどは、たたんだ状態で返ってくるたたみ仕上げが便利です。たたみ仕上げは、手作業でたたむ工程が入るので、クリーニング料金が若干高くなることがあります。
ワイシャツを預けたら、料金を支払い、預かり証を受け取ります。クリーニングの期間は、数日から1週間程度です。急ぎなら、別料金で即日あるいは翌日仕上げに対応している店舗も多いです。
クリーニングしたワイシャツは、仕上がり日以降に預かり証と引き換えに受け取ります。
ワイシャツは洗濯してからクリーニングに出す必要はない
汚れた洗濯物を他人に預けるのには抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、事前に洗濯する必要はありません。
例外として、吐瀉物やし尿などの汚物が付着しているものは、受け付けてもらえません。これは汚いからではなく、伝染性の疾患の病原体による汚染のおそれがあるものとして、消毒施設があるクリーニング店でなければ洗濯できないと法律で定められているためです。
【参考】嘔吐物のクリーニングについて(東京都クリーニング生活衛生同業組合)
ワイシャツをクリーニングに出す頻度はどれくらいが適切?
汚れ落ちの点だけ見れば、着るたびにクリーニングに出したほうが汚れは落ちやすくなります。しかし、一般的にクリーニングでは高温高圧でプレスするため、頻繁に出すと生地が傷みやすくなる可能性があります。
生地の傷みが心配なら、普段は自宅で洗濯をして、落ちにくい汚れを落とすために月に1回程度クリーニングに出したり、黄ばみが気になったらクリーニングに出したりといった方法もよいでしょう。
しばらく着ないワイシャツは、しまう前にクリーニングに出しておくと、収納している間に黄ばみが出てしまうことを防げます。シーズン終わりにはクリーニングを利用すると安心です。
自宅までワイシャツを取りに来てくれる宅配クリーニング
自宅近くにクリーニング店がない場合や、忙しくて店舗にワイシャツを持ち込む時間がない人には、宅配クリーニングが便利です。
宅配専門のクリーニング業者もありますが、店舗によってはスタッフが集配をしてくれる所もあります。宅配専門の業者では、衣類をダンボールや専用袋に詰めて宅配業者を通じて送ります。申し込みはインターネットで簡単にできます。
【参考】新型コロナで注文殺到の宅配クリーニング、最大8か月保管してくれる「プロケア」に頼んでみた
自宅でワイシャツをキレイに洗濯するコツ
自宅でワイシャツを洗濯する際は、シワを付けないこと、襟汚れを落とすことがポイントです。シワになりにくい形態安定加工がされたワイシャツを利用すると、手間が少なく済みます。
シワをできるだけ防ぐためには、ワイシャツは洗濯ネットに入れて脱水の時間を短めに設定し、乾燥機能はできるだけ使わないようにしましょう。干す時は、生地をしっかり伸ばして干すことを心がけてください。
襟汚れは、洗濯をする前に襟袖用の洗剤や固形の洗濯せっけんを使って部分洗いをしておくと落ちやすくなります。
クリーニング店のようなキレイなワイシャツのたたみ方
ワイシャツのたたみ方にもコツがあります。
まずは、ボタンを留めた状態で背中側を上にしてたたみます。左右それぞれの袖を付け根から折り返し、シャツの中心軸と平行になるように肩幅の中ほどで縦に折ります。裏返して全体を2つ折りにすれば完成です。
ワイシャツの洗濯の仕方やたたみ方については下記の記事でも詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてください。
【参考】シワを抑えて黄ばみも落とす!覚えておきたいワイシャツの上手な洗濯方法
ワイシャツのクリーニングについて解説しました。形態安定加工がされたワイシャツが販売されるようになって自宅での手入れも楽になりましたが、やはりプロの技というものはあります。
日常的に利用してもそれほど費用は高くありませんし、パリッと仕上げられたワイシャツは気持ちが良いものです。普段は利用しない人も、自分では落とせない黄ばみやシミができてしまった時は、クリーニング店を利用することも考えてみてください。
※データは2022年1月中旬時点での編集部調べ。
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文/ねこリセット