稼ぐ力は熱量の高いニッチな需要を掘り起こすワクワクを生み出すブランディング力
株式会社NOCA 社長
立川あゆみさん
パクチーで縁を広げる新米社長の新たな挑戦
元お笑い芸人であり、元デザイナーでもある立川あゆみさんは、今年9月に会社を立ち上げた。芸人引退後しばらくしてパクチー農家に就農。2017年にパクチーを使ったオリジナルブランド『パクチーシスターズ』商品を開発し、6次産業化。自社商品の自動販売機を設置したところコロナ禍で大ヒットした。
約1年の芸人人生で、ウケることの大変さを痛感したと話す。
「身近な人を笑わせることがいかに簡単なことか思い知りました。デザイナーの仕事でも好きなデザインと売れるデザインは違うと教わり、どうやったら購買意欲が増すのか、ワクワクしてもらえるのかを意識するようになりました」
好きだからうまくいくとは限らない。このことは芸人生活で得た教訓のひとつ。事実、パクチー農家を始めた理由も、ニーズを意識した結果だという。
「〝パクチーが好きなんですね〟とよく聞かれますけど、私自身はそうでもなくて。生産者である私にとってパクチーの魅力は、軽くて持ち運びやすいことくらいかな(笑)。もともとパクチーは需要が多い一方で、生産者の数が少なく高価な香味野菜。『パクチーシスターズ』開発当初はペースト状のパクチーをお店で見かけることもなかったし、パクチー専門の直売所や自動販売機もおそらく世界にひとつだけ。ネット検索に引っかからないことにトライする気持ちを大事にしています」
自身の顔のイラストを大胆にあしらったブランド商品が大ヒットしたことで、仕事中に写真やサインをお願いされることが増えた。
「芸人として売れることはなかったですけど、出待ちしてくれるファンの方々がいていつも勇気づけられていました。パクチーペーストを開発する際にクラウドファンディングでプロジェクトを立ち上げた時は、資金援助というよりも、応援よろしくお願いします、という思いが強かったですね」
今後はパクチーを使ったグリーンカレーなど、新商品を拡充予定。事業拡大に力を入れるという。
「パクチーにまだまだ可能性を感じますし、あの時に応援して良かったと思ってもらえるように、パクチーに勝負をかけます」
採れたての生のパクチーやペーストなどを自動販売機で販売する。一番人気はパクチーペースト『Basic』。
芸人時代から現在までのタイムスタンプ
1994年 お笑いコンビを結成
某アパレル会社でデザイナーとして働く傍ら、オーディションを経て芸人デビュー。吉本興業が東京・銀座に開業した「銀座7丁目劇場」を中心に活躍。
1995年 結婚を機にお笑いコンビを解散、芸能活動を引退
2005年 フラワーアレンジメント教室「Söpö」設立
2016年 地域初のパクチー農家へ就農
2017年 パクチーペースト『パクチーシスターズ』を開発し、ブランド化
飲食店でのバイト経験が『パクチーシスターズ』誕生のきっかけに。
2020年 『パクチーシスターズ』ECサイト開設
2020年9月 直売所を設置
『パクチーシスターズ』の直売所は日曜の午前中のみ営業している。
2021年3月 パクチー自動販売機を設置して大ヒット
2021年9月 『パクチーシスターズ』「Söpö」を運営する「株式会社NOCA」設立
明日の仕事に生かせる3つのヒント
【1】好きなことよりもニーズを重視
【2】誰もやっていないことに挑戦する
【3】斬新な商品こそインパクトで勝負
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取材・文/編集部