稼ぐ力はコントのネタ作りで培った元芸人を奮い立たせるシナリオ力
株式会社俺 社長
中北朋宏さん
元芸人社長の願いは〝芸歴を職歴に〟
株式会社俺の中北社長は、芸人と企業をマッチングする転職・就職支援サービス『芸人ネクスト』を立ち上げた。なぜ芸人なのか? その背景には、中北社長の実体験と社会に対する憤りがあった。
「お笑いに6年間打ち込んできたのに、既存の転職サービスは一言もしゃべらないような職業を勧めてくる。夢を諦めた人は人生まで諦めないといけないのか! と強い憤りを覚えました」
それだけではない。コンサルティング会社へ入社するも、業務に関する質問でさえ先輩社員から袖にされる日々を送ったという。
「芸人は社会を知らない。だから、芸歴は職歴ではない。そんな現実が悔しくて『芸人ネクスト』を立ち上げるために独立しました」
現在、事業の柱とするのは『コメディケーション』と『芸人ネクスト』。どちらにも元芸人ならではのノウハウを詰め込んでいる。
「『コメディケーション』は、組織の課題の多くがコミュニケーション不足から起きていることに着目した研修サービス。すべらない話の構造を分解してアイスブレイクに活用する技術や、自分の考えや気持ちを安心して発言できる心理的安全性の育み方を伝えます」
資料作成では台本を書くためのスキル〝シナリオ力〟を生かす。
「営業職であればアカウントプラン、経営者であれば経営戦略を書きますよね。資料作成で大切なのは人の心を動かすストーリーで、コントの台本を書くことに通じるものがある。芸人をしていると、相手の心に刺さるように話す力が必然的に身に付くんですよ」
転職・就職支援でもシナリオ力を発揮。これまでに数十人もの転職者を送り出してきた。
「『芸人ネクスト』は、最長6か月間の教育を経て転職を支援するビジネスモデルです。芸の道を諦めたことで、自分の価値までなくしたと感じる元芸人は多い。まずは芸人時代に成し遂げたことを探ることから始め、セカンドキャリアのビジョンを一緒に描きます。月20回ほど舞台に立っていた人であれば、1対1で商品を売る営業力は備わっていると評価する。芸人なりの技術やマインドセットがないと、新卒以下の人材ととらえてしまう企業もありますから」
『芸人ネクスト』は就職先の紹介だけでなく、パソコンスキルの研修や仕事観の言語化サポートなどの教育を行なう。
芸人時代から現在までのタイムスタンプ
2006年 お笑いトリオ「惑星NO.3」結成
コントで活躍。先輩に「どぶろっく」、後輩に「ANZEN漫才」がいる。
2012年 「惑星NO.3」解散、芸能活動を引退
2013年 人事コンサルティング会社へ入社
ソリューション営業を担当。新商品販売実績で2年連続MVP、中小企業部門コンサルティング実績でMVPを獲得。
2016年 人事責任者としてベンチャー企業へ転職
2018年 2社から出資を受けて「株式会社俺」起業
お笑いの理論を応用した企業研修『コメディケーション』、元芸人などに向けた転職・就職支援『芸人ネクスト』、社内イベントをプロデュースする『企画の相方』事業を展開。
2019年 『「ウケる」は最強のビジネススキルである。』(日本経済新聞出版)上梓
2021年 『コンプレックスは営業の最高の武器である。』(日本経済新聞出版)上梓
明日の仕事に生かせる3つのヒント
【1】営業トークは事前に練りに練る
【2】提案資料は心を動かすストーリーが重要
【3】これまでの経歴をすべて肯定する
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取材・文/編集部