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1インチセンサーと爆速シャッターを備えた究極のカメラスマホ「Xperia PRO-I」と「iPhone 13 Pro」を撮り比べてみた

2021.12.19

ハイエンドスマートフォンといえば、広角・超広角・望遠といった複数のカメラを搭載し、多彩な撮影バリエーションを持つ製品が市場に多くあります。そんな中、自社のデジカメ製品も人気の「ソニー」は、1インチセンサーを広角レンズに採用した「Xperia PRO-I」を2021年12月15日に発売しました。

1インチセンサー搭載スマートフォンといえば、同年6月25日に発売された「AQUOS R6」や、7月16日に発売された「LEITZ PHONE 1」がありますが、これらはいずれもソニー製のイメージセンサーを搭載したスマートフォン。このことからも、センサーも含めて自社開発しているソニーの「Xperia PRO-I」が注目に値する製品であることがわかります。

今回はカメラテスト用の端末をお借りしたため、データ通信ができないモデルになりますが、外観や握り心地も含め、カメラ機能を中心にレビューをお届けしていきます。なお、処理性能といったスペックは、先に発売されている「Xperia 1 III」と共通している部分もあるので、気になる人は下記URLもご確認ください。

【参照】エンタメとの相性抜群!大画面スリムボディーに可変式望遠レンズを搭載した「Xperia 1 III」は買って損なし

デジカメさながらの高精細な写真が撮れる「Xperia PRO-I」のカメラスペックを確認

実際に撮影した写真を見る前に、まずは「Xperia PRO-I」のカメラスペックやアプリの仕様を確認しましょう。

背面カメラの構成は下記の通りです。

・16mm(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2
・24mm(広角):有効画素数約1220万画素/1.0型 Exmor RS CMOSセンサー/F値2.0・4.0
・50mm(標準):有効画素数約1220万画素/F値2.4
・3D iToFセンサー

写真を撮影するためのカメラは3つ、そのうち広角レンズに、ソニーのコンパクトカメラ「RX100 VII」の1.0型イメージセンサーを、スマートフォン向けに最適化されたものが搭載されていることになります。

1インチセンサーは、一般的なスマートフォンのカメラに比べて、取り込める光の量が格段に多いという特徴があります。そのため超広角撮影/ズーム撮影時にも高解像度な写真を撮れます。

同じく1インチセンサーを搭載した「AQUOS R6」「LEITZ PHONE 1」はシングルレンズになっているのですが、「Xperia PRO-I」では、超広角レンズや遠所撮影用の50mm標準カメラを搭載することで、役割を分担し、1インチセンサーの力を“ソニーらしく”表現することに注力されている印象を受けます。

“ソニーらしく”と表現したのは、近年のXperiaシリーズが、自社のデジタル一眼カメラ「α」シリーズに近い撮影体験ができるようにチューニングされているためです。高速のオートフォーカスやシャッタースピード、広角カメラでの「リアルタイム瞳AF」といった機能を特徴としています。

「Xperia PRO-I」のカメラアプリには、「Photography Pro」というものが採用されているのですが、これも細かい調整が行えるUIは「α」さながら。一般的なスマートフォンのカメラアプリのように使用したいという人のために、「BASIC」モードも利用できます。

BASICモードでは、一般的なスマートフォンのカメラアプリのようなUIになる。

オートモードでは、αシリーズに近いUIが楽しめる

また、気にする人は少ないかもしれませんが、シャッターボタンを半押しした時の「ピピッ」という音や、実際にシャッターを切ったときの「カシャッ」という音はデジカメそのもの。こういった細やかな使用感にも“Pro”らしい体験ができるようにこだわられています。

スペック表を見ていて気になるポイントとして挙げられるのが、広角カメラに2つの“F値”が記載されている点ではないでしょうか。「Xperia PRO-I」の広角カメラには、「可変絞り」という、取り込む光量を切り替えられるギミックが採用されています。

これは、大型の1インチセンサーカメラによって自然で美しい背景ボケが出やすくなるため、背景をあまりボケさせたくないシーンでは絞りを変えることで、ボケ感を好みで調整できるようにするための仕様です。

撮影した写真を確認するためのアプリには、「Googleフォト」を利用します。カメラ機能に特化したスマートフォンになっているので、できれば撮影した写真をより楽しめる独自のアプリが欲しいところではありますが、「Googleフォト」アプリはデータの連携機能や写真の編集機能も比較的豊富なので、使い勝手に不満が出ることは少ないでしょう。

1インチセンサー搭載「Xperia PRO-I」の実力はいかに!? 「iPhone 13 Pro」と撮り比べ

では、早速「Xperia PRO-I」のカメラ性能をじっくり見ていきましょう。なお今回は、写真の出来上がりを見るために、同条件で「iPhone 13 Pro」で撮影した写真と比較していきます。なお、掲載写真はすべて配信用にサイズを調整したのみで、特別な編集は行っていません。

Xperia PRO-I

iPhone 13 Pro

上図は同日/同時刻に屋外で撮影した写真。Xperia PRO-Iで撮影した写真は、右上部にある太陽の光をしっかりと取り込みながら、全体を目で見た色味に近い形で再現しています。

一方、iPhone 13 Proの写真は、空の青さや看板の黄色など、色味を鮮やかに補正することで、ある意味“目で見るよりも鮮やかな”仕上げになっています。2機種の方向性の違いが明確にわかる写真ですね。

Xperia PRO-I(広角レンズ最大倍率)

iPhone 13 Pro(光学ズーム3倍)

ズーム写真を比較していきましょう。Xperia PRO-Iは、超広角レンズで16~24mm、広角レンズで24mm~50mm、標準レンズで50mm~150mmのズームができるようになっており、上図は広角レンズの50mmで撮影したシーンです。

iPhone 13 Proの写真が、色をかなり強く補正する影響か、若干青みがかかっているのに対し、Xperia PRO-Iの写真はかなりリアルな表現になっており、デジカメで撮影した写真に近い印象を受けます。

Xperia PRO-I

iPhone 13 Pro

続いて子供の寝顔を撮影してみました。撮影場所では暖色系の照明がついていたこともあり、Xperia PRO-Iの写真は肌の色やベッド枠の木の色が濃く出ていますが、iPhone 13 Proでは若干色味を抑えることで、柔らかい写真に仕上がりました。

Xperia PRO-I

iPhone 13 Pro

屋外で遊ぶ子供を撮影したシーン。この日はかなり日差しが出ていたため、被写体を鮮明に捉えるのが難しい状況だったのですが、どちらの機種でも子供の顔がしっかりと認識できるきれいな写真になりました。色はやはりXperia PRO-Iがリアルに近く、iPhone 13 Proはきれいに補正されている印象です。

子供を撮影するシーンで特に感じたのは、Xperia PRO-Iのシャッタースピードやフォーカス速度の優秀さです。カメラをサッと構え、シャッターボタンを押すのとほぼ同時に写真を撮影できるため、動き回る子供のシャッターチャンスを逃すことなく撮影できます。ほかのXperiaシリーズにも搭載されている「瞳AF」機能や、リアルタイムトラッキング機能を活かした機能といえるでしょう。

Xperia PRO-I

iPhone 13 Pro

色味の違いが最も顕著に出たのは、食べ物を撮影したシーンかもしれません。やはりXperia PRO-Iでは、照明の色味も忠実に写真に収めることができるため、食欲をそそる暖色系の写真に仕上がりました。

iPhone 13 Proの場合は、照明の暖かい色味というよりは、食べ物の色味を表現するために補正をかけている印象です。いずれもカメラ初心者である筆者が簡単においしそうな写真を撮ることができたので、優秀であることに間違いありません。

Xperia PRO-I

iPhone 13 Pro

最後はナイトモードでの撮影を見ていきましょう。Xperia PRO-Iでは街頭の明かりを取り込むことで、建物の輪郭までをパキっと鮮明に捉えられており、空の暗さとのコントラストが鮮明に残せました。iPhone 13 Proでは、光を取り込みながら、全体を明るい写真に加工している印象で、星まで写す“AI力”はさすがといえる仕上がりです。

Xperiaらしい縦長ボディは持ちやすさ抜群! “カメラスマホ”にふさわしいデザインにも注目

カメラ機能以外のデザインやスペックについても紹介しておきましょう。本体サイズは約72mm×約166mm×約8.9mm、質量は約211g。「Xperia 1 III」から数mm程度大きくなっており、質量は25gほど重くなっていますが、これは大型のイメージセンサーを搭載したカメラによるところが大きいでしょう。

カラーバリエーションは「フロストブラック」の1色で、艶っぽく指紋が付きにくいのが特徴。側面にはグリップ性を高めるために溝が彫られており、ただでさえスリムでもちやすい筐体が、より安定感をもって扱えるようになっています。

また、側面にはストラップホールが備えられているので、デジカメのようにサッとカメラを取り出して撮影する、といった使い方も快適。右側面のシャッターボタンを長押しすると「Photography Pro」、その横の丸いボタンを押すと、動画撮影用アプリ「Videography Pro」が起動します。

ディスプレイは約6.5インチの有機ELで、4K/HDR表示や120Hzリフレッシュレートに対応。搭載CPUはSnapdragon 888 5G、メモリ12GB/ストレージ512GBです。

そのほか、IPX5/IPX8・IP6Xの防水・防塵に対応し、電源ボタン内蔵の指紋認証や、おサイフケータイ機能も利用可能など、基本的なスペックは「Xperia 1 III」と共通になっています。

「Xperia PRO-I」の19万8000円は決して高くない!?

1インチセンサーを搭載した「Xperia PRO-I」は、紹介してきた通り、カメラ機能に特化しながら、「Xperia 1 III」と同等のスペックを搭載することで普段使いのスマートフォンとしても優秀なモデル。

ソニーストアでの販売価格は19万8000円となっており、一般的なスマートフォンとしては高価に感じる設定ではありますが、同じくソニーストアで販売されている、SIMフリー版の「Xperia 1 III」が15万9500円です。

もちろん「Xperia PRO-I」は完全にデジカメと同等ではありませんが、デジカメに近い精細な写真が撮影できるため、「スマートフォンとデジカメを1台にまとめた」と考えると決して高価ではなく、荷物を減らすこともできるでしょう。カメラ好きのためのスマートフォンともいえるので、すべての人におすすめとはいい難いのですが、気になる人はぜひ手に取ってみてください。

取材・文/佐藤文彦

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