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「大丈夫です」が口癖の人は要注意!メンタル不調が見える人との接し方

2021.12.14

ビジネスパーソンの5人に1人が高ストレスを抱えている!

DUMSCOの調査によると、ビジネスパーソンの5人に1人が自身の高ストレスに無自覚で、主観的なストレスチェックでリスクを見落とされる「隠れストレス負債者」だとわかった。

コロナ禍の影響のまだ色濃い世の中、普段よりも強いストレスをためこんでいる人は多い。生産性の低下や突然の休職・離職のリスクを回避しつつ、みんなにとってより働きやすい職場を作るにはどうしたらいいのだろうか。

 「大丈夫です」が口癖の頑張り屋

隠れストレス負債者は、「大丈夫です」が口癖の頑張り屋だ。周囲から見たらなんとなくいつもと違ったり、明らかに不調が見える様子でも、「大丈夫?」と訊くと「大丈夫です」と答えてしまう。

こういった場合、ビジネスパーソンとして強くあらねばという意識が「大丈夫」と言わせていることもある。しかし、本当に自分で自分の不調やストレスに気づけていないこともあるのだ。

職場でのメンタル不調は「気分の落ち込み」に出るとは限らない

メンタル不調は単純に「気分の落ち込み」に出るとは限らない。職場で見えやすい主なメンタル不調の兆候としては、「生産性の低下」「体調不良」が比較的多いと覚えておこう。

例えば家族や友人が相手だったら「仕事に行きたくない」とかこぼしたりして、気分の落ち込みを示唆するような言動をする人も、職場ではそれを隠しがちなのだ。職場に着くころには自分を奮い立たせ、気を張っている。また冒頭に書いたように、普段から気を張りすぎていて、そもそも自分の不調にまったく無自覚な人もいる。

本人が今までだったらしなかったようなミスをすることが増えたり、仕事の能率が低下して作業量が減ってきたり、体調が悪そうにしていたりしたら要注意だ。

「大丈夫か」と訊かない。体調について訊く

職場の誰かがメンタル不調を抱えているなと思ったら、「大丈夫?」と声とかけるのではなく、「最近体調はどう?」という訊き方をするといい。

過不足なく眠れていて、朝すっきり起きられているか。過不足なく食べられていて、胃腸の調子はいいか。頭痛やめまいなどはないか… こういったことを、「いやー実は僕も最近胃の調子がイマイチでね」「朝なかなか起きられなくてさ、トシかなあ」などと自然に水を向けながら聞き出してみよう。

体調のことであれば心の状態のことよりも話してもらいやすいし、本人がメンタル不調に無自覚でも身体に不調が出ていることも多い。身体の不調がわかった場合、まずは内科などを受診するように促して医療機関につなげるときのハードルも低くなるのでおすすめだ。

メンタル不調の見える同僚・部下への過不足のない接し方とは

誰かがメンタル不調を抱えていることが明らかになったとしよう。そんなときは、「優しく共感的、かつ、いつも通り」のバランスを心がけよう。

もちろん、「この程度でへこたれるなんて社会人失格だ!」みたいに叱責するのは言語道断だが(パワハラにあたる)、メンタル不調があるからといって突然腫れ物に触るように変に優しくウェットに接せられるのも、本人を想像以上に傷つけるものだ。

うつ傾向にある場合、ただでさえ自己評価が低下し、「自分は周囲のお荷物だ」などと気に病みがちなのに、周囲からあまりあからさまに気を遣われると「やはり自分は周囲に迷惑をかけている」という気持ちを強めてしまうことにもなる。

職場で一緒に働く者としてできるのは、せいぜい本人が何か言いたいときには耳を傾け、普段どおり仲間として受け入れ、もしも本人よりも知っている情報があれば提供する、といったあたりまでだ。私たちは専門家ではないし、職場はセラピーではなく仕事をする場なのだから、「自分が元気づけて立ち直らせてあげよう」みたいに意気込んだり、背負い込んだりするのは、相手のためにも、自分や職場のためにもならない。

「厚労省こころの耳」では、ストレスチェックやセルフケア方法、相談先などの情報が豊富だ。たとえばこういったサイトで情報が参照できることをサラッと伝えるのもいいだろう。このときは本人のプライドを傷つけないよう、「自分も便利に使っているのだ」と、対等な立場を強調しておくといい。

こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
https://kokoro.mhlw.go.jp/

アンテナを高めて、みんなにとって働きやすい職場に

同僚や部下のためにメンタルヘルスについて知ることは、自分自身や職場全体のこころの健康や働きやすさをブラッシュアップすることにつながる。今回お伝えしたようなことは、自分自身のケアや、上司、仕事相手や友人のケアにも応用できるだろう。

皆のメンタルヘルスを大事にしながら働くようにすれば、長期的に見てコミュニティ全体の生産性を高く維持することができる。

昔の「モーレツサラリーマン」とはまた違った、新しい「デキるビジネスパーソン」像を模索していこう。

文/ヒルダ
自身の豆腐メンタルを克服しようと情報を集めまくっているうちにやたらとメンタルヘルスに詳しくなってしまったライター。

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