4.子供がいる家庭に必要な手続き
子供を連れて離婚した場合、子供なしの家庭よりもやるべき手続きが増える。以下の項目を参考に漏れなく手続きを行って、今後の生活への不安な気持ちを少しでも軽減してほしい。
子の氏の変更許可の申し立て
今まで父親の戸籍に入っていた子供を母親の戸籍に入れる場合、家庭裁判所の許可が必要となる。子供の住所地の家庭裁判所へ父母子の戸籍謄本と申立書を提出し、子の氏の変更許可手続きを行おう。
【参考】最高裁判所 子の氏の変更許可
児童手当の受給者変更
児童手当の受給者変更も、離婚時の手続きの一つ。児童手当の受給者が元配偶者の名義になっている場合は、一旦「受給事由消滅届」で受給資格を取り消し、新たに自身の名義で「児童手当認定請求書」を提出する必要がある。また、別の市区町村へ引っ越した場合も、引っ越し先の役所窓口で手続きが必要なことも覚えておこう。
児童扶養手当受給の手続き
子供を連れて離婚した場合、児童扶養手当を受給できる可能性がある。児童扶養手当とは、ひとり親家庭の子供の生活の安定と自立の促進のために寄与される給付金のこと。申請手続きを行うと生活状況の調査が行われ、条件を満たしていれば受給できる。児童扶養手当は、住んでいる市区町村の児童家庭課などで申請が可能。
ひとり親家庭等医療費助成制度を利用する手続き
ひとり親家庭の医療費負担を減らすために、保健医療係る医療費の助成制度もある。この制度の実施主体は各自治体になるため、各市区町村役場の児童家庭課などに問い合わせてみると良いだろう。
自治体ごとのひとり親支援も確認する
多くの自治体では、ひとり親家庭に対して、以下のような支援も行っている。支援内容などの詳細は各自治体の公式サイトなどで確認できるため、自分に利用できる制度がないか確認してみてほしい。
・小中学校でかかる費用の援助(給食費、学習支援費、新入学用品費、卒業アルバム補助など)
・JR通勤定期割引制度
・部屋探し支援
・転居費用助成
・下水道料金の減額
5.その他の手続き
その他にも、以下のような手続きが必要になる。特に運転免許証やパスポートは他の手続きの身分証明書にもなるため、優先的に手続きすると良いだろう。
・運転免許証の書き換え
・パスポートの書き換え
・印鑑登録証明書の変更
・郵便物の転送届
・車やマンションの名義変更
・電気、ガス、水道などの名義、住所変更
・通帳やクレジットカードなどの名義、住所変更
文/oki