イーデザイン損害保険は、AIを活用して顧客と相性の良い事故担当者を導き出すサービス「私のタントウシャ」をリリースした。ビジネスモデル特許出願中で日本初という仕組みはなぜうまれたのか? 保険会社ならではの課題解決は、あらゆるビジネスのヒントになる。
あらゆる業界でDX、AI活用が進むいま、保険会社も例外ではない。業務効率化やサービス向上に生かされているが、デジタルでの対応には限界もある。例えば、事故後の示談交渉などを行う事故対応は、担当者への依存度が大きい業務だ。
ふつうの人にとって、事故は一生に一度あるかないかの一大事。顧客の不安、ストレスは大きく、丁寧に人が寄り添う必要がある。標準化には限界があり、データやAIにも任せられない領域なのだ。
しかし、「経験豊富で能力の高い事故対応担当者でも、コミュニケーションスタイルの違いでお客様にストレスを与えてしまったり、お互いの話が噛み合わないことがあった」と同社。
細かい説明がほしい顧客もいれば、できるだけ担当者に任せて早く決着させたい顧客もいる。人と人の「相性」を越えるのは難しい。
そこで、同社は「ソーシャルスタイル理論」に着目。感情表現度と自己主張度から、コミュニケーションの傾向を4つに分類する。
・アナリティカル(感情を抑え、人の意見を聞く)
・ドライビング(感情は抑えるが、自己主張は強い)
・エミアブル(人の意見を聞くが、感情は表にでやすい)
・エクスプレッシブ(自己主張が強く、感情も表す)
40秒ほどのアンケートから顧客と担当者のソーシャルスタイルを診断。さらに、事故内容やこれまでの事故解決データも加えて、AIが顧客にとって相性のよい担当者を導き出す。人にしかできないことを、AIによって強化するアイデアだ。
「今年度より試行を開始していましたが、事故解決後の当社アンケートでは9割以上のお客さまから最大評価の「満足」をいただいています」と同社はアナウンスする。
●プレスリリース
【日本初・ビジネスモデル特許出願中】AIを活用した事故担当者マッチングサービス「私のタントウシャ」を開始
取材・文/ソルバ!
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