何かと忙しい年末年始には、社外への挨拶メールを送ることも重要な業務といえるでしょう。感謝の気持ちはもちろん、先方に休暇の日程を伝えるのも挨拶メールの持つ役割です。年末の挨拶メールを送る時期や、読みやすい文面を書くためのコツを解説します。
社外の人にメールを送る目的とは?
仕事相手や顧客など、社外の人にメールを送るのは単なる挨拶のためだけではありません。年末に送るメールが果たす役割や、その目的について解説します。
年末年始の休業案内
多くの会社において、年末年始には比較的長い休暇を取るのが一般的です。会社によってスケジュールが異なっている可能性があるため、社外の人にはメールを使って年末の営業日程を伝える必要があります。
休みがいつから始まるのか、そして新年の何日から営業を再開するのかを記載し、スケジュールを共有することで取引先との仕事をスムーズに開始できます。また、休業中に重要な用件があった場合に備えて、緊急時の連絡先を書き添えておくのも効果的です。
ご愛顧への感謝と年始の挨拶
1年の締めくくりとなる時期に、その年の感謝をこめて挨拶をするのは重要なことです。メールの文面にも気を配り、取引先の企業や顧客に対して失礼のないようにお礼の気持ちを伝えましょう。
お世話になっている既存顧客へのメールは、休暇連絡を兼ねた挨拶だけでは事務的な印象を与えてしまう可能性があります。文面にしっかり目を通してもらうには、具体的なエピソードや来年の抱負を盛り込むのがおすすめです。
メールの文面を意識するだけでも、顧客に好印象を持ってもらえるかもしれません。言葉の正しい使い方にも注意して、相手の心をつかめるように努力しましょう。
社外へ年末の挨拶メールを送る際の注意点
挨拶メールを作成するときは、送信するタイミングも重要です。文章の量や送る時期など、注意したいポイントを紹介します。
仕事納めの1週間〜3日前までに送る
年末のメールを送るタイミングは、相手によっても異なります。取引先に送信する場合は、先方の最終営業日を把握しておくことが重要です。仕事納めの日は何かと慌ただしいものなので、最終営業日の1週間から3日前を目安に連絡するとよいでしょう。
顧客へのメールは、遅くとも自社の最終営業日から数日前には送るようにするのが一般的です。相手がメールを読んでから連絡しても間に合うように、余裕を持った日程でメールを作成する必要があります。
また、送信する時間帯にも気を付けましょう。ビジネスメールを送る際は、多忙な時間や昼休みを避けるのが基本です。
長文は避けて本文は簡潔に書く
年末年始の忙しい時期には、多くの会社から何通ものメールが届いていると考えられます。相手の時間を取らないように、本文は簡潔にまとめることを意識しましょう。
形式的な文章にならないような工夫は必要ですが、文章が長くなりすぎるのは逆効果です。あくまでも用件が分かりやすく伝わるように、読みやすく丁寧な文章を作成する必要があります。
メールの件名は、すぐに年末の挨拶メールであると理解できるものがおすすめです。会社名や自分の名前を盛り込み、「年末のご挨拶 ○○株式会社」のようにするとよいでしょう。
メールを送り忘れた場合
年末年始に挨拶メールを送り忘れてしまったら、改めて相手に連絡する必要があります。送り忘れた際の対処法を見ていきましょう。
新年の仕事開始一番に挨拶メールを送る
業務の多い年末は、仕事に夢中になるあまり社外への連絡を忘れてしまう可能性もあります。送り忘れに気付いたら、速やかに先方への挨拶メールを作成しましょう。
気付いたのが年内であれば、最終営業日の内にメールを送りましょう。相手は既に休みに入っているかもしれませんが、なるべく早く対応するのも大切です。
営業時間を過ぎてから送り忘れに気付いたときは、休み明けにメールを送るようにしましょう。新年の挨拶をするのはもちろん、年末の連絡ができなかったことへの謝罪をさりげなく添えるのもおすすめです。
時候の挨拶を知り実際にメールを送る
大切な相手へのビジネスメールには丁寧な挨拶が欠かせません。メールを作成するときに役立つ時候の挨拶や、具体的な例文を紹介します。
時候・季節の挨拶の言葉
年末の時期だからこそ、メールの書き出しには時候の挨拶を添えることをおすすめします。オーソドックスな挨拶としては、「本年も残すところわずかとなりました」「年の瀬も押し迫って参りました」などの文章がポピュラーです。
より改まった表現にしたい場合は、「歳末の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」といったフレーズが使われます。相手との間柄によっては、「忘年会のシーズンになりました」といったカジュアルな挨拶もよいでしょう。
漢語調のものから比較的くだけたものまで、挨拶の言葉には幅広い言い回しが存在します。相手の年代や間柄を考慮して、適切なフレーズを選びましょう。
感謝の気持ち・結びの言葉
気持ちを分かりやすく届けるために、相手への感謝を伝える表現も押さえておきましょう。相手から受けた恩義への感謝としては、「ご厚情」や「ご愛顧」などの言葉がよく使われます。
本文では、「本年も格別のご愛顧を賜り、心から感謝申し上げます」のように書くのが無難です。ご愛顧という言葉は「お客様からのご愛顧」のような使い方が普通であり、「当店からのご愛顧」という文章は適切でないため注意しましょう。
挨拶メールは、相手の健康や会社の繁栄を願う言葉で結びます。「来る年の貴社の繁栄を心よりお祈りいたします」「良いお年をお迎えください」などと書くのもおすすめです。
メールの例文
実際に挨拶メールを書く人のために、例文をご紹介します。
件名:年末のご挨拶 株式会社〇〇 佐藤
本文:
株式会社△△
前田様
いつも大変お世話になっております。
株式会社〇〇の佐藤です。
本年も残すところあとわずかとなり、年末のご挨拶をさせていただく時期になりました。
前田様には本年も大変お世話になり、誠にありがとうございます。
来る年もご期待に添えるよう尽力して参りますので、より一層のご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
なお、弊社の年内の営業は12月〇日までとなり、新年は1月〇日から営業開始となります。
緊急のお問い合わせの場合は、090-××××-××××までご連絡くださいますようお願い申し上げます。
来る年も皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎えください。
(署名)
構成/編集部