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採用担当者必読!データを活用したWeb面接のカギを握る見極めポイント

2021.11.28

コロナ禍でテレワークが進んだことで、採用についても遠隔化が進み、Web面接や検査が増えた。しかし、通常の面接と比べてミスマッチや適性検査や学力検査などのなりすましが問題視されている。その一方で、採用の失敗は単にWeb面接のやりづらさが原因とは限らないという。新時代のWeb面接も含めたデータ活用による精度の高い見極め方とは?

今回は、採用側向けに、採用におけるデータ分析・活用に詳しい有識者へのインタビューのもと、紹介する。

Web面接の落とし穴とは?

最近、増えているWeb面接。なんとか採用したはよいが、いざ働き始めてみると「思っていた人材とは違っていた」「なかなか成果を出さない」など採用側として、失敗したと感じるケースもある。

Web面接にはどんな落とし穴があるのか。

今回は、採用におけるデータ分析・活用に詳しい株式会社アッテルのCEO 塚本鋭氏にインタビューを行った。同社は、採用候補者の入社後活躍・早期退職をAIが予測するピープルアナリティクスサービス「アッテル」を提供している。

【取材協力】

株式会社アッテル CEO 塚本鋭氏
東京大学・大学院において、機械学習(AI)や大規模シミュレーションに関する研究に従事。人工知能学会研究会優秀賞・東京大学工学系 研究科長賞(総代)等を受賞。大学院修了後、株式会社野村総合研究所にコンサルタントとして入社し、ICT・メディア領域を担当。2013 年に株式会社クラウドワークスに参画し、2014年に上場を経験。プラットフォーム事業のデータ分析・産官学連携を主担当すると共に、B2B事業責任者、カスタマーサポート部門責任者、子会社副社長等を歴任。2018年に株式会社トランス(現 株式会社アッテル)を設立。

塚本氏は、Web面接の落とし穴として、次の点を挙げる。

・面接中の応募者全体の雰囲気・立ち振る舞いが見えない
・応募者がメモを見て話せるため、対面より流暢に話せることもある
・面接前後の応募者の立ち振る舞いが見えない/応募者の素の部分を見る機会が減る
・オンラインの学力検査でなりすましが行われる

これらの落とし穴による採用後の失敗は、多かれ少なかれ、経験したことがあるかもしれない。

失敗はWeb面接だけが原因ではない?

しかしながら、Web面接で期待するような成果が出ない、という場合、「Web面接」だけが原因とは限らないという。

「対面からオンラインに変わったため、見極めがむずかしくなったと感じる場合が多いですが、実は対面の面接でも、そもそも見極められていなかったことが露呈しただけの場合も多いのです。対面で会うことで、見極められた気になっていただけということもあります。

実際に、弊社で調査したところ『自分の採用面接での見極めは平均以上だ」と答えた面接官は7割にのぼる一方で、面接官がつけた評価(A/B/C)と、実際の入社後の評価(A/B/C)を比較すると、平均で37%しか当たっていないことがわかっています。実は、今までも面接で見極められていなかった事実が、Web面接になり、より明らかになっているケースが多いと考えられるのです」

採用の間違った思い込み5つ

そもそも採用において、間違った思い込みがあり、その思い込みが正しい見極めを妨げていることもあるという。塚本氏は、よくある間違った思い込みを5つ挙げる。

思い込み1.「面接官は、入社後活躍・定着する人材を正しく見極めができている」

「1998年に、米国の心理学教授Frank L. Schmidt氏とJohn E.Hunter氏が発表した研究結果によると、一般的な面接は、採用後の評価の14%しか説明できないという結果が出ています」

思い込み2.「自社で活躍している人に似た人を採用すれば活躍する」

「活躍している人の特徴は、実は活躍していない人も持っている可能性があります。そのため、活躍している人(ハイパフォーマー)と活躍していない人(ローパフォーマー)の差分を比較する『ハイ/ロー分析』を行うことが重要です」

思い込み3.「地頭(学力)が高いほうが活躍しやすい」

「学力テストのスコアが高くても、入社後に活躍するとは限りません」

思い込み4.「ストレス耐性が高いほうが離職しにくい」

「ストレス耐性のスコアが高くても、離職しにくいとは限りません。むしろ、ストレス耐性のスコアが高いほうが、離職率が高い企業も散見されます」

思い込み5.「エンゲージメントスコアが高ければ、退職しにくい」

「エンゲージメントスコアが高くても、退職率が下がるとは限りません」

採用のデータ活用による成功ポイント

コロナ禍において遠隔での採用活動が進み、さらに今後も活用することになるだろう。そこで、リアルとオンライン両方における採用についての成功ポイントを塚本氏に挙げてもらった。また有効なデータ活用の仕方も見ていこう。

●勘や経験に依存するのではなくデータに基づく意思決定を

「勘や経験だけに依存した意思決定では、採用選考で見極めができないことを理解することが重要です。また過去の経験、特に定量的に確認できていない経験を過信しないことも気をつける必要があります。データに基づく意思決定を行えるようにすることが大切です」

●一般論が自社に当てはまるのは限らないことを理解する

「一般論が自社に当てはまるとは限らないことも理解する必要があります。他社事例も同様に、鵜呑みにしないようにしましょう」

●データに関する適切な知識を身につける

「一方、データは万能ではないため、データに関する適切な知識を身につけることも重要です」

●まず「自社の事実」を集める

「データを正しく活用するためには『自社における事実(データ)」を集めることから始めます。自社の従業員を適切に理解することが重要で、例えば、自社で活躍している人、退職してしまった人を、感覚的ではなく、定量的に把握していきます」

●ハイ/ロー分析を行いハイパフォーマーになりやすいポイントを知る

「定量的な指標としては、活躍・定着には『スキル』『カルチャー(価値観)』『モチベーション』の影響が大きいと考えています。

カルチャー(価値観)、モチベーションを定量化し、先述の通り、自社における活躍・定着人材(ハイパフォーマー)と、非活躍・退職人材(ローパフォーマー)の差分を抽出してハイ/ロー分析を行います。自社において、ハイパフォーマーとローパフォーマーに差分が大きいポイントを採用基準にすることで、自社においてハイパフォーマーになりやすい人材を採用することができます。

なりすましが発生していたり、面接官の見極めができていない場合には、ハイ/ロー分析をした場合に、ハイパフォーマーとローパフォーマーに差分が出ないため、選考がうまくいっていないことに気付くことができます。

カルチャー(価値観)については、適切なアセスメントを提供している事業者もいるため、外部の知見を取り入れるとスピードアップにつながります」

●Web面接(オンライン面接)の動画活用

「オンラインでの面接が増えたことで、面接の動画データを取得しやすくなっています。これまでは、面接の内容がブラックボックスになっていましたが、動画データがあることで、面接後に振り返りができるので、面接官の能力アップにも使えます。

例えば、同じ面接動画を複数の面接官が確認し、見極めポイントをすりあわせたり、採用した社員の入社後の活躍度合いを予測したりすることができます。また、その応募者の入社後の活躍・定着を確認し、入社時の動画や予測結果を振り返ることで、採用の見極めにおけるPDCAを回すことが可能になります」

Web面接は、必ずしもネガティブであるとは限らないことが分かった。そして自社の事実をできるだけ正確に知り、ポイントを押さえてデータを活用することが重要といえそうだ。

今後の採用に役立つITツール3選

コロナ禍を経て、採用にITツールを活用することも増えたのではないだろうか。そこで、最後に、注目されている採用に役立つツールを3つ紹介する。ぜひ参考にしたい。

1.将来予測型ピープルアナリティクスサービス「アッテル」

アッテルは、AI(機械学習)が、採用候補者の入社後活躍・早期退職を予測するピープルアナリティクスを提供するサービスだ。採用から退職までのHRデータを一元管理し、分析できる基盤と、HRに特化した機械学習の予測アルゴリズムを備えている。100種類以上の適性検査データを取り込むことができる。さらに、未来予測に最適化された独自の適性診断「アッテル診断」も用意されている。事実・データに基づき、実際の自社従業員と採用候補者を比較・分析することで、入社後活躍や早期退職を予測することが可能だ。

勘や経験に頼らない、採用時の大きな目安となる。

2.オンライン面接ツール「i-web LIVE」

株式会社ヒューマネージが提供するi-web LIVEは、オンラインでの面接ツールだ。応募者である学生らは、いつも使っている採用マイページからボタン一つで簡単にオンライン面接に参加でき、面接官も同様に、いつも使っているシステムの管理画面からボタン一つでオンライン面接を始められる。国際規格に準拠したセキュアな環境、簡単な操作で、スムーズにオンライン面接ができる点が特徴だ。

採用管理システム「i-web」と一体になっており、管理する側にとっても便利に利用できるように作られている。

3.“職場体感型”採用動画「JobTube」シリーズ

株式会社学情が手がける「JobTube」は、2020年9月にサービスを開始した“職場体感型”採用動画サービスだ。JobTubeレポーターが企業に出向き、第三者視点で仕事内容や職場を紹介する動画を制作。応募者は、動画を通じて企業の雰囲気や仕事内容への理解を深められる。

その他、同シリーズにはグラフィックを活用して視覚的に企業の魅力を伝える動画パンフレット「JobTubeパンフレット」や、報道番組クオリティのWebセミナーを制作できる「JobTube Studio」などがある。採用動画は、オンライン採用の新しい可能性がある。

【参考】
「アッテル」
「i-web」
「JobTube」シリーズ

取材・文/石原亜香利

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