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上司から休日にLINEが…返信対応に残業代は発生する?

2021.11.23

せっかくの休日に上司からLINEが来てしまい、返信を面倒に感じている方もいらっしゃるかと思います。「残業代が出るならまだしも……」という感想も聞こえてきそうです。

労働基準法を厳密に適用すれば、上司からの休日LINEに返信した場合、残業代が発生する可能性があります。疎まれがちな上司からの休日LINEにつき、労働基準法のルールを整理してみましょう。

1. 上司からの休日LINEに返信した場合、残業代は発生する?

休日に上司からLINEが来た場合、返信せざるを得ないというプレッシャーを感じている方も多いのではないでしょうか。

労働基準法上、上司からのLINEの内容によっては、返信対応について残業代が発生する可能性があります。

1-1. 仕事関連の内容の場合|労働時間に含まれ、残業代が発生する

仕事関連の内容がLINEで送られてきた場合、それは会社からの業務指示であると解されます。したがって、休日にそのLINEへ返信する時間や、LINEでのやり取りに基づいて休日に作業をする時間は労働時間に含まれ、残業代が発生すると考えるのが妥当です。

たとえ上司が独断で送ってきたものであっても、会社は上司に対して、部下を指揮する一定の権限を与えているのですから、「会社は指示していない」と言い逃れることは難しいでしょう。

実際には、休日のLINEへの返信時間などを厳密に計算して、会社に対して残業代請求をする方は少ないかもしれません。しかし、従業員側が証拠を揃え、本腰を入れて残業代請求を行った場合、請求が認められる可能性は高いと考えられます。

1-2. プライベートな内容の場合|労働時間には含まれないが、パワハラの可能性あり

これに対して、業務とは関係がない、プライベートなLINEが上司から送られてきた場合、返信時間などが労働時間に含まれると考えるのは困難でしょう。

ただし、上司が部下に対する優越的地位を利用して、休日に不必要なLINEをみだりに部下へ送信した場合、パワハラの一類型である「個の侵害」に該当する可能性があります。

会社は、従業員の就業環境が害されることのないよう、パワハラ防止のための必要な措置を講ずべき義務を負っています(労働施策総合推進法30条の2第1項)。もし上司からのプライベートなLINEへの対応に困っている場合には、人事担当者などに相談してみるとよいでしょう。

参考:職場におけるパワーハラスメント対策が事業主の義務になりました!|経済産業省

2. 仕事関連の休日LINEに返信する義務はある?

上司から仕事関連のLINEが休日に送られてきた場合、無視したい気持ちに駆られるのも無理はありません。法的な観点からは、上司からの休日LINEに返信する義務はあるのでしょうか?

この点については、厳密に考えるとかなり微妙な問題が存在します。

大前提として、労働契約(就業規則を含む)と労使協定(36協定)で、休日労働があり得る旨が規定されていれば、会社は従業員に対して休日労働を指示することができます。従業員は、正当な理由がない限り、休日労働の指示を拒否することはできません。

しかし、仕事関連のLINEが休日に送られてきた場合に、そのLINEを確認する義務があるかどうかは別問題です。

勤務時間中に休日労働の指示があった場合とは異なり、勤務外の時間帯(しかも当日)に休日労働の指示が行われるわけですから、その指示にタイムリーな反応を返すように求めることは、従業員にとって酷でしょう。

百歩譲って、「休日に上司からLINEが来た場合は確認・返信するように」というルールを労働契約や労使協定で定めていれば、休日LINEの確認・返信義務を認め得るかもしれません。

しかしその場合、「休日」とは名ばかりであり、実態としては会社の指揮命令下に置かれている「労働時間」であると評価され、残業代が発生するのではないかという疑問が湧いてきます。

こうした諸々の点を考慮すると、上司からの休日LINEつき、部下に対して法的に確認・返信を強制することは困難と思われます。実際には返信せざるを得ないという方も多いかと思いますが、法的な観点からさまざまな反論があり得ることは、知っておいた方がよいでしょう。

3. 休日労働の残業代ルール

上司からの休日LINEへの返信時間が労働時間と評価される場合、以下のルールに従って残業代が発生します。

①法定休日の場合

通常の賃金に対して35%以上の割増賃金が発生

②法定外休日の場合

(i)法定労働時間(週40時間)の範囲内の場合
通常の賃金が発生

(ii)法定労働時間を超過する場合
通常の賃金に対して25%以上の割増賃金が発生

(iii) 法定労働時間の超過分が60時間を超える場合
通常の賃金に対して50%以上※の割増賃金が発生
※中小企業の場合、2023年3月までは25%以上

※法定休日は週1日のみ(休日が週に複数ある場合は、日~土のうち最後に来る曜日。ただし、就業規則等に別段の定めがある場合は、その定めに従う)
※法定外休日=法定休日以外の休日

正確な残業代の計算については、弁護士や社会保険労務士にご相談ください。

取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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