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グランピング施設設立から3か月で投資回収に成功したプロマーケッターが語る次世代に残したい「働くことの喜び」

2021.11.14

長野県塩尻市に約2,500坪もの敷地面積を有するグランピング場「エンキャンプ」。同グランピング場を手掛けているのは、日本一の居酒屋を決定する「居酒屋甲子園」の仕組みを築き、経営者を中心にセミナーも開催しているマーケティングのプロフェッショナル、村上 博志さん。

村上さんは2021年4月にエンキャンプをオープンしたばかりですが、スタートからなんと約3ヶ月で投資回収が完了したとのこと。

今回は、コロナ禍という不利な状況下でも、短期間でグランピング場の企画・経営を成功させた背景と、エンキャンプ設立に対する村上さんの思いを伺いました。

株式会社スタイルプラス
代表取締役社長 村上 博志さん
明治大学 農学部卒業後、某一部上場食品メーカーで 圧倒的な販売の仕組みを作り、予算費200~300%を達成し25歳で最年少マネージャーに。その後転職した某一部上場食品流通企業にて大手飲食チェーン開拓、食品卸・まぐろ専門商社と新仕入スキームを構築し、29歳で最年少事業部長に就任。2008年以降、居酒屋甲子園、治療家甲子園等の業界活性化イベントの創出に関わる。現在長野にて、​​自給自足経営の実現を目指す。

補助金やオンラインサロンを利用し、資金調達をマルチに

−エンキャンプを設立した経緯、戦略をお教えいただけますでしょうか。

村上さん:グランピングはヨーロッパが発祥で、ヨーロッパもアメリカも日本より約10年ほど市場が進行しているのですが、未だに二桁成長を続けているんです。なので日本も恐らく10年弱くらいは同じように成長でき、投資価値があるだろうと見ていて。

そもそも月間の「グランピング」というワードの検索数が今100万件あるのに、国内のグランピングの室数って約2,000件ほどしかないんですよ。旅館やホテルは400万室ぐらいあるのに対し、グランピングは需要過多で供給が足りてないんです。

エンキャンプ内にあるドーム型のツリーテント OCEAN。下でBBQや焚き火もできる

最初は、東京から3時間以内、駅や高速から10分以内などの条件に当てはまるグランピング場を調べて、予約サイトでわかる予約状況を全部エクセルに入力していきました。同じように10箇所くらいの稼働率を調べて、ここなら負ける可能性はほぼないなと。投資回収も全部シミュレーションで出していて、損益が超えてくるとわかった状態で固定費・人件費を算出して。

−コロナ禍になってからの設立だったと思うのですが、集客や資金面で不安はなかったのですか?

村上さん:旅館をもともとやっているのですが、夏場でもフル稼働だったんですよ。アクセス優位性があればコロナの影響はほぼ受けないとわかっていたし、グランピング場の稼働率もコロナ禍になってからの需要を調べていたんです。

ご自身が経営するエンキャンプの隣にある合宿旅館「陽だまり」にて、子供たちが遊んだおもちゃを片付ける村上さん

村上さん:グランピングって、できる環境が少ないんですよね。湖があったり、アクセスの良さ、雑種地とか宅地になっていて開発ができるかとか、水電気がきてるとか。そういうことを考えていると切り開ける道がすごく少ないので、グランピング場が国内に80万室あるという状態になることがあり得ないんです。だから価格崩れも遅い。勝てる勝負しかしてません。

たまたまですけど、国の事業再構築補助金が出たので初期投資もほぼなかったですし、行政の土地だったので賃料もほとんどない。スタートから3ヶ月ぐらいで投資回収ができました。

− 3ヶ月で投資回収は驚きです…!補助金もうまく利用されたんですね。

村上さん:まさしく私がやろうとしている事業展開が採択の対象になるなと思って。国も県も市からも、それぞれパーツを分けて補助金はすべて受け取っています。全部で5,000万ほどの投資でしたが、うち4200万くらいが補助金なので出だしは800万円ぐらいで済みました。

ドームテント OCEANの中。ホットカーペットにヒーター、こたつ、電源・wifiまで完備されている

村上さん:今の時代、資金調達ってマルチになっているので銀行から調達する必要もなくて。コロナ禍になってから投資型のオンラインサロンを始めたのですが、仮想通貨や投資信託などの情報を発信していたら経営者の方が多く集まってくださり、今120人くらいのユーザーがいます。

そこで「テントオーナー募集!グランピング場を手掛けます」と言って事業モデルに投資してもらったんです。するとあっという間にキャンセル待ち状態になって、5時間で3,000万円も集まりました。

私は個人でマーケティングセミナーも行っているのですが、去年から連続年間1,000人ほど受講してくれていて、そちらも7割は経営者の方々です。そこでメルマガも流していたら、もっと集まったと思います。

「目的来店」に「目的追加」をして価値を生み出す

あらゆる手段を駆使して資金を調達し、できる限りの低リスクを貫いたからこそゼロベースでも「負けない投資」ができた村上さん。しかし、出だしのスタートだけでなく、村上さんは持続的に人を集客できるよう見据えていました。

−グランピング場内はブランコがいくつかあって、子どもたちも喜びそうですね。ジップスライダーも新たに作られているようですが、このようなアドベンチャー系の体験も今後増やしていくのでしょうか?

自ら使用運転中のジップスライダーを試す村上さん

村上さん:グランピング場って、お客さんが「グランピングに行こう」と思って来てくれる「目的来店」なんです。そこにライブやサウナイベント、ジップスライダー体験などの「目的追加」をして一日遊べるくらいの施設にすると、魅力がさらに上がります。

飲食で言うとお寿司屋さんも目的来店なのですが、例えば「マグロフェア」という目的を追加してあげると集客できるんです。マグロフェアをやっているB店があったら、A店が1キロ手前にあっても1キロくらいだったらB店に行ってしまう。皆地域一番店に行こうと思うんです。

−たしかに、何かしらの目的があって行く時は、多少手間をかけてでも行ってしまうことが多い気がします。

村上さん:リピーターを作ることが事業をする上ですごく大事なのですが、グランピングはリピート率がどこも10%程度と低いんです。でもそれは当然で、大体一回行ったら次こっちに行ってみようよ、こんなのあるよ、という流れになってしまいますよね。

ただリピートする一部の層もいて、例えば合コンイベントをやって、そこで出会ったとか。またあそこに行こうよ、子どもが生まれても行こうよ、となる。大学生のサークルが行うバーベキューイベントなども、一回そこでやるとメンバーは変わるけど毎年使ってくれることが多いです。

雨が降った時でも楽しめるようにボードゲームも貸し出ししている

あと、ファミリー層もリピート対象です。なんでかというと、子供があそこに行きたいって言うと行こうとなるから。なので、ウインナーやバームクーヘン作り体験、ジップスライダーやヒモの長さが15mあるブランコとか、小学生の子どもがまた行きたいって思えるものを作っていきたいです。ファミリーにリピートしてもらうためにも、子どもにとって初めてを経験できた場所になるように、今後も設備の拡充はしていきます。

「働くことを楽しめる社会」をバトンタッチするために

村上さん:グランピング場もそうですが、今私が手掛けてるものって、「子どもたちが楽しめる社会をバトンタッチする」ためにやっているんです。なので、今の子供達が大人になってもほとんどある事業しかやってないんですよ。

村上さんのお子さんの、長女 ひなのちゃん

村上さん:いずれ今の仕事の50%ほどはなくなります。駅の改札やスーパーのレジ打ち、ファーストフード店のオペレーションなどは全部自動化するし、銀行もなくなります。

このようにほとんどの仕事がなくなっていく中でも、飲食やレジャー、農業は労働集約型で、人がいないと価値にならない仕事なんです。例えば農業は機械化はできるけど、「育てる喜び」はなくなりません。

お金を稼げる人間に人が集まっていくという資本主義の論理が、産業革命以降からここ何百年とずっと続いてきましたが、それがもう今、限界がきているんです。世界でも一番早く資本主義を成熟させたのが日本なので、日本から資本主義が崩れていくんですよ。では次に何が来るのかというと、「生きていく楽しみを作り出す」こと。人に喜ばれることが純粋に仕事になっていくんです。

写真右・下:エンキャンプで働く社員さん。こうしてお客さんと夜に焚き火を楽しむことも

村上さん:なのでこのエンキャンプの社員も、皆仕事そのものを楽しんでいます。働く日数も、休みのコントロールをしない限りほぼ休まないし、時間もフレックスなので必要なタイミングで必要なことをしてもらっている働き方です。

だから仕事をやってる感覚よりも、「遊んでる感覚」に近い。今後は、働くことそのものが楽しいと思えるものが仕事になる時代に変わっていくでしょう。

出典:グランピングベース エンキャンプ
写真一番左:ご自身のお子さんを背負いながら社員とポーズを取る村上さん

取材・文/ゆりどん

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