ビジネスや経営を極めるには、まず自分を知ることから。近年、周囲の環境が大きく変化する中で、自分が今後、どう舵を切っていくべきか、迷うところもあるのでは? 今回は、経営やビジネスに役立つ自己診断コンテンツを3つ、紹介する。
自己診断で仕事力や可能性を知る!3つの診断
1.中小機構「志士タイプ診断」
中小企業を支援する独立行政法人中小企業基盤整備機構(以下、中小機構)のPRサイト「中小機構に聞こう!」では、経営課題の解決に役立つコンテンツとして、幕末~明治維新の、激動の時代を戦った幕末の志士たち16名を経営者に見立て、各々が抱える経営課題を通じて、支援策をわかりやすく紹介している。さまざまなコンテンツがある中に、「志士タイプ診断」という自己診断コンテンツがある。
志士タイプ診断は、全24問の設問に答えることで、本格心理学に基づいた志士タイプと経営の傾向を診断するもの。個性豊かな16人の幕末志士たちのいずれかのタイプがわかる。坂本龍馬に西郷隆盛、勝海舟など名だたるメンバーがそろうだ、いずれも代表取締役社長やCEOなどの現代の経営者という設定だ。
早速、診断をやってみたところ、「坂本龍馬タイプ」とでた。
まず、タイプの特徴が示される。
坂本龍馬タイプの特徴は、「信念、妥協とは無縁、直感力、好奇心旺盛、ヒーロー」。
また、診断結果では、「向いている職種」「長所」「課題」「特殊スキル」を見ることができる。
坂本龍馬タイプの向いている職種にはジャーナリストや小説家と、文字を書く職種があったため、ライターである自分に合致した。また長所と課題も確かにうなずくところがあった。
特殊スキルは、今後、伸ばしていきたい分野であった。
経営者として、自分はどんなタイプなのか知りたい、どう舵を切っていくべきかを知りたいという人に合う診断だと感じた。
経営者を目指す人もそうでない人も、自分の傾向を知ることができる診断だ。
2.性格ナビ「RPGジョブ診断」
さまざまな診断が受けられるサイト「性格ナビ」の中の「RPGジョブ診断」。これは今年1月に提供されたビジネスパーソン向けの診断で、5月にリニューアルした。自分はRPGの世界では、どのジョブなのか、本格心理学で性格を分析してくれる。
質問数28問、無料で診断できる。
ジョブは全部で10種類。「ゆうしゃ」「れんきんじゅつし」「おどりこ」などがある。
診断項目は、「性格バランス」「仕事をする上で大切にしていること」「bornability(ありのままに自分を受け入れる力)」など。
さらに、診断結果を元に、性格傾向から相性のよいキャリアアドバイザーを紹介してくれる。キャリアアドバイザーと共に、性格ナビを活用した自己分析を行うこともできる。
実際に診断してみると、「まほうつかい」となった。「あなたが仕事をする上で大切なこと」は、「優秀でありたい」と出た。「あなたは『誰とやるか』ではなく『何を成し遂げるか』が重要。『●●といえばあなた』というオンリーワンのポジションを築くことであなたは輝きます」。そう言われると、確かにそのように思える。
RPGジョブ診断は、一般ビジネスパーソンが転職したいときに役立つという。
株式会社プロセスジャパンの代表取締役、佐藤由紀子氏は次のように話す。
「仕事をする上で大事なことは、自分が『人』に向き合いたいのか、『事』に向き合いたいのかを知ることだと思います。人の場合は『何をやるか』ではなく『誰とやるか』が重要。事の場合は『誰とやるか』ではなく『何をやるか』が重要。RPGジョブ診断では自分がどちらのタイプかを診断することができます。
そして、性格が合うキャリアコンサルタントとのマッチングが可能です。面談に進んだ際は、より精密な性格診断を行い、自己分析を深めた上で転職のサポートをします」
自己分析の助けとなるRPG診断。そこからヒントを得て、本当に自分がやるべきジョブを見つけよう。
3.経営者JP「経営者力診断」
株式会社 経営者JPの「経営者力診断(経営人材度アセスメント、Assesment of Management Personnel AMP)」 は、現役経営者・経営幹部、これから経営幹部を目指す人が自身の「経営者力」を測ることができるサービスだ。簡易版は無料、詳細版は一人5,500円(税込)。
経営者JPでは「経営者力」について、経営人材に関する膨大なデータから、以下の方程式が成り立つことを明らかにしているという。
経営者力とは、「描く力(構想力)」+「決める力(決断力)」+「やり切る力(遂行力)」×「まとめる力(リーダーシップ)」×「学び続ける力(学習力・習慣化力)」である。
この“5つの力”を鍛え上げ、日々の業務で使いこなすことが、経営人材として活躍する基盤となるという。
「経営者力診断」では、この“5つの力”それぞれについて、質問に答えていくことでセルフチェックができる。今まで定量化できていなかった「経営者力」を可視化し、各因子の特定・解析を基に、経営人材度を客観指標で明らかにすることで、「個人」「組織」の両面から課題解決に貢献する。
簡易版では、経営人材に求められる「5つの力」を測定し、その診断結果がわかる。また、5つの力を構成する13の要素の中で、自分の強みである上位3つ、弱みと思われる下位3つを知ることができる。
経営者力診断の簡易版は、一般ビジネスパーソンに、どのように役立てることができるだろうか?
株式会社 経営者JPの代表、井上和幸氏は次のように話す。
「今後、経営陣を目指すに当たり、マネジメント力、リーダーシップ力がどのようなレベルにあるか、『経営者力』を決定づける“5つの力”の何が強みで、何が弱点になりそうかを具体的に知ることができます。そのうえで、今後どのような部分を伸ばしていけばよいかについての指針もご提供いたします」
個人、法人問わず申し込み可能。ぜひ簡易版からトライしてみよう。
ビジネスに役立つ、3つの診断コンテンツを紹介してきた。ぜひ
【参考】
中小機構「志士タイプ診断」
性格ナビ「RPGジョブ診断」
経営者JP「経営者力診断」
取材・文/石原亜香利