コンパクトで運転がしやすく、維持費もリーズナブルな軽キャンパー。レジャーのほかリモートワークや災害の備えにも役立つ「走るベースキャンプ」の注目モデルをピックアップした。
食う・寝る・憩うを満たすミニマムサイズの旅グルマ
普通車に比べてサイズの制約が多い軽自動車規格の中で、キャンピングカーの構造要件(就寝・炊事設備などを備えていること)を満たすのは容易ではないが、独自のアイデアや匠の技術を駆使して作られる軽自動車のキャンピングカー、略して「軽キャンパー」は、日本のものづくりを象徴する工業製品として世界から注目されている。
加えて、維持費や高速料金が普通車に比べて安く、取り回しもよいため、夫婦2人旅や自由気ままなソロキャンプにも最適。
最近では架装費用が高額になる8ナンバーの本格キャンパーだけでなく、バンやスーパーハイトワゴンにベッドと専用の電源(サブバッテリーやインバーターなど)を組み込み、購入しやすい価格に抑えた「車中泊仕様」など、使い方に合わせたモデルが選べる。
軽キャンピングカーのタイプはこの2つ
キャブコン
軽トラの運転席(キャブ)を残し、台枠の上に居住空間のシェルを架装。レイアウトの自由度が高く、断熱性に優れる。
バンコン
商用バンの荷室や乗用ワゴンの車内にベッドや家具を組み付けたモデル。運転感覚もベース車と変わらず気軽に乗れる。
旅ぐるま探究家
湯目由明さん
キャンピングカーなど「旅するクルマ」の取材歴20年以上。専門誌をはじめ、自動車誌やWebで輸入車、国産車の試乗記事を執筆。
キャブコン
軽キャンで本格モーターホームを再現
フィールドライフ『バロッコ』354万7500円~
平成3年、『スバルサンバー』をベースとする世界初の軽キャンパー、『トライキャンパー』を開発・販売したパイオニア。バロッコは断熱性に優れたパネルボディーに、開放感あふれるルーフテントを合体。家具や電装など装備品も充実。
SPEC
●ベース車両:ダイハツ・ハイゼットトラック ●サイズ:L3395×W1480×H1980mm
●乗員定員4名 ●就寝人数4名
ベッドサイズはL1810×W1030mm。
エントランスの横は流しや冷蔵庫を備えたキッチン。
横向きに座るセカンドシートと後部シート(走行中着座不可)で壁掛けテーブルを囲むリビングモード。
〈YUNOME’s check〉
装備の充実度も高級モーターホームと変わらず、長くつきあえます。
装備充実度 ★★★★★
就寝快適度 ★★★★★
オシャレ度 ★★★★
クルマと環境にやさしいアルミボディーを採用
インディアナ・RV『インディ727』315万1500円~
アルミ外装パネルとスチレンフォーム内装材を組み合わせたシェル(居住空間)はスタイリッシュで断熱性に優れ、四季を通して快適。ヨットのような丸窓が旅気分を盛り上げる。ロフトベッド内蔵のポップアップルーフも備わる。
SPEC
●ベース車両:ダイハツ・ハイゼットトラック ●サイズ:L3390×W1475×H1990mm
●乗員定員4名 ●就寝人数4名
フラットにしたセカンドシートと補助マットを組み合わせて作るフロアベッド。
ポップアップルーフ内のロフトベッドはL2120×W1180mm。
対座モード。屋根を上げると開放感が高まる。
〈YUNOME’s check〉
アルミボディーのおかげで走りは軽快。屋根を上げると開放感抜群です。
装備充実度 ★★★★★
就寝快適度 ★★★★
オシャレ度 ★★★★