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雇用調整助成金を受給した上場企業は829社、累計100億円超を計上した企業は何社ある?

2021.11.06

東京商工リサーチ、上場企業「雇用調整助成金」調査

東京商工リサーチが上場企業の「雇用調整助成金」を調査した。

新型コロナ感染拡大に伴う雇用支援で、2020年4月分から適用された雇用調整助成金(以下、雇調金)の特例措置制度を受給した上場企業が、2021年9月末で829社に達したことがわかった。

上場企業(3,855社)の21.5%を占め、前回調査(2021年7月末)の814社から15社増えた。雇調金計上額が判明した737社の合計は5,829億9,390万円にのぼり、7月末から639億4,940万円(12.3%増)増えた。調査を開始した2020年11月末の計上額は合計2,414億5,420万円で、10カ月間で2.4倍(141.4%増)に達した。

また、2020年4月以降に本決算で雇調金を計上し、かつ2期連続で計上した企業は289社あった。受給企業829社を業種別でみると、製造では受給を終了した企業が散見されるが、鉄道や航空といった交通インフラ、外食、サービス、小売などの対面サービスを中心に、コロナ前の水準に需要や業績が回復しない企業で受給が長期化し、計上額を押し上げている実態が浮かび上がる。

10月には緊急事態宣言が全面解除され、外食やサービス、観光など、コロナ禍で痛手を受けた業種では本格稼働への期待も高く、雇調金受給は緩やかに縮小する可能性も出てきた。

※ 本調査は、雇用調整助成金の受給、または申請を情報開示した上場企業を対象に、2020年4月1日~2021年9月30日で金額、および活用や申請を開示資料に記載した企業を集計した。今回の調査で10回目。

【計上額別】「100億円以上」が10社

829社の計上額別は、最多は1億円以上5億円未満283社(構成比34.1%)だった。次いで、1億円未満が277社(同33.4%)で、ともに3割を占めた。

7月末との比較では、増加は1億円以上5億円未満(273社→283社)、 5億円以上10億円未満(59社→62社) 10億円以上50億円未満(87社→93社)、 50億円以上100億円未満(9社→12社)、100億円以上(9社→10社)。一方、社数の減少は、1億円未満(286社→277社)だった。中堅規模の追加計上などが相次ぎ、1億円以上が増加した。

【業種別】小売(外食含む)の利用率が45%超

829社の業種別は、製造が327社(計上額1,115億2,470万円)で最多だった。次いで、外食を含む小売159社(同1,248億7,620万円)、観光などのサービス154社(同1,107億1,540万円)と続く。

業種別上場企業数を母数とした利用率で見ると、小売が45.8%(347社中159社)と群を抜き、次いで運送39.2%(125社中49社)、サービス28.8%(533社中154社)と、新型コロナが直撃した業種で申請企業が目立つ。

製造は21.9%(1,487社中327社)だった。計上額では、航空会社・鉄道を含む運送(49社)が1,906億7,830万円で最も多かった。

【連続計上の業種別】運送、小売、サービスに集中

特例措置が開始された2020年4月以降に雇調金を計上し、かつ2021年度に入り、2期連続で計上した企業は289社あった。受給企業829社の3割超(34.8%)で、受給した3社に1社が連続計上している。

連続計上の業種別では、製造の91社が最多。構成比では、運送(29社、59.1%)、小売(72社、45.2%)、サービス(60社、38.9%)の3業種が3割超の高水準だった。

製造は、2020年春の緊急事態宣言で操業を一部停止したが、その後、通常稼働に戻し1度だけの計上にとどまるケースが多いが、BtoC業種はコロナ禍の影響が長引いているようだ。

【まとめ】

雇調金の特例措置期間内に受給が判明した上場企業は829社を数え、計上額は5,829億9,390万円と6,000億円に迫る。累計で100億円超を計上した企業も、10社に増えた。

業種では10社中6社が運送(交通インフラ)、3社がサービス(いずれも観光関連)と、コロナ禍の行動制限が業績悪化を招き、従業員数が多い企業が目立つ。

雇調金の受給は、コロナ禍が直撃した業種とそれ以外での二極化が進む。特例措置期間に2期連続で雇調金を計上した企業は289社で、受給企業全体の34.8%にのぼり、運送、小売(外食含む)、サービスは特に高水準で推移する。一方、製造や卸売、情報通信は2020年度だけの計上にとどまり、業種間の深刻度の差は広がっている。

現行の特例措置は12月末で終了する。行動制限の緩和で、受給規模が大きかった交通インフラや小売、観光などでは、従業員削減などのリストラ策と同時に、業績回復に期待をかけている。申請基準を含む特例措置の見直しも視野に入るなか、BtoC関連の受給規模が縮小するか注目される。

関連情報:https://www.tsr-net.co.jp/

構成/DIME編集部

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