本業とは別に、自分の時間を使って行う副業。就労規則で禁止となっている会社もあるだろうが、では、地域別に見た時にもっとも副業が盛んなエリアはどこなのだろうか?
転職サービス「doda(デューダ)」はこのほど、15,000人のビジネスパーソンを対象に、最新の副業実態について調査を行い、地域別に副業実態の結果をまとめた。
副業が最も認められている地域は関東で、禁止されている地域は北海道
全体では、副業が認められていると回答した人は23.3%、禁止されていると回答した人は52.6%という結果となり、いまだ半数以上は副業が禁止されていることが分かった。地域別に見ると、最も副業が認められているのは関東で26.6%、次いで九州・沖縄の24.7%、関西の22.9%となった。【グラフ①】
また、「あなたは今副業をしていますか?」という質問には、全体で8.0%が「している」、17.8%が「検討している」、74.2%が「していない」と回答した。「している」と回答した人が最も多かった地域は、北信越の9.7%、次いで関西、中国・四国の8.6%、関東の8.4%という結果になった。【グラフ②】
具体的に、副業をしている人が最も多かった北信越の副業内容を見てみると、「サービス業(接客・販売)」の割合が1番高くなっている。接客・販売系のアルバイトや、フリマアプリを通じての物販販売をしている人が多くいる可能性が考えられる。【表①】
月平均の副業収入が最も高いのは、東海の約23万円。東海で最も多い副業は「株/FX」で25.9%
全体の月平均の副業収入は約16万円で、月平均10万円以上稼ぐ人の割合は34.4%。地域別にみると、最も高いのは東海の約23万円、次いで北海道の約21万円、そして関東の約20万円だった。【グラフ③】
これらの地域が、他地域よりも高い要因の1つには、「株/FX」副業をしている人が多いことが考えられる。「FX」は24時間取引が可能で、都合のよい時間に行えること、また比較的大きなお金が動きやすいという特徴がある。
「株/FX」をしている人の割合は、1位は東海で25.9%、2位が北海道で25.6%と、副業月収の1位、2位と一致していることから、「株/FX」をしている人が多いエリアは、副業月収も高い傾向にあると言えそうだ。【表①】
また、北海道で「株/FX」の副業を選択している人が多い背景には、副業を解禁している企業が他地域と比べて少ないことが考えられる。
全体の77.5%が、副業のメリットは「収入増」と回答。地域別では東海の89.0%が最も高い
全体、地域別ともに、副業をやってよかった点で1番多く挙がったのは「収入増」で、全体で見ると77.5%。最も高かった地域は東海で89.0%となり、平均をはるかに上回る結果となった。【グラフ④】
名古屋国税局の発表によると、東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)では、2020年の雑所得が前年比で16.2%増加した。これは、働き方が変わり、副業や兼業をする人が増えたためと考えられる。実際、東海においては、特に愛知は製造業多く、新型コロナウイルス感染拡大により一時休業や残業時間が減少しているため、副業に時間を充てている可能性がある。
副業をやっていて悪かった点は、全体で最も多いのは「プライベートの時間がなくなる」で41.7%、次いで「心身の疲労が大きい」で36.1%となった。地域別で見ても、「プライベートの時間がなくなる」と「心身の疲労が大きい」が多い傾向にある。【グラフ⑤】
<調査概要>
【対象者】22歳~59歳の男女
【雇用形態】正社員
【調査方法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
※ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問
【実施期間】2021年8月19日~8月23日
【有効回答数】15,000件
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施
出典元:doda(パーソルキャリア株式会社)
https://doda.jp
構成/こじへい