
「あなたはウブですね」と言われて、リアクションに困った経験はあるだろうか。ウブとは、世間慣れしていなくて初々しいことを意味する言葉。相手の純粋さを称賛する誉め言葉として使われたり、世間知らずな相手を見下すための嫌味としても用いられることもある。
本記事では、「ウブ」の正しい意味と使い方を解説する。加えて、ウブな人の特徴を男女別に紹介するので、自分自身や周りの人に当てはまることがないかチェックしてみてほしい。
「ウブ」の意味とは?
「ウブ」は漢字で「初心」もしくは「初」と書く。はじめに、「ウブ」の正しい意味や語源、使い方を見ていこう。
「ウブ」は、初々しさや純粋な様子を表現する言葉
ウブとは、けがれのない純粋な様子や、初々しさを表現する言葉。一口に「ウブ」と言っても、その使い方はさまざま。世間ずれしていないピュアな人を指す場合や、異性に対する免疫がないことを示す場合、恋愛経験が少ないことを表現する場合がある。「ウブ」を他の言葉に言い換えると、シャイや照れ屋、ピュアなどが近いだろう。
語源は「生まれたて」
ウブの語源については、2つの説がある。一つは、「産む/生む(うむ)」からきているという説。「生まれたてで、自然のまま」の意味から派生して、純粋無垢な様子を意味する言葉になったと言われている。
もう一つは、「初(うい)」からきているという説。「初」は、「初々しさ」を表現する言葉。邪知深さが一切ない、きれいな心を表すために、この漢字が使われているようだ。
「ウブ」の使い方と例文
冒頭で述べた通り、ウブは良い意味でも悪い意味でも使われる言葉。ポジティブな意味で用いられる場合は、「純粋さ」や「素直さ」「偽りがない様子」を表現する。一方で、悪い意味で使われる際は、「世間知らずな様子」や「不器用さ」、「異性に対する疎さ」など、人を見下すような目的で用いられるケースが多い。以下の例文で、良い意味/悪い意味の具体例をチェックしてみよう。
【良い意味】
「彼女はウブだから、都会に出て悪い人間に影響されないか心配だ」
「彼はウブだから、女性の目を見て名前を呼ぶのが恥ずかしいんだよ」
【悪い意味】
「息子はもういい年なのに、ウブで困っている」
「彼女がいつまでたってもウブなのは、生い立ちのせいだと思う」
ウブな人の主な特徴
では、どのようなタイプの人を「ウブな人」と言うのだろうか。ここでは、男女別に、ウブな人の主な特徴を紹介する。
ウブな男性
ウブな男性は、恋愛に対して消極的であるケースが多い。そもそも女性とどう関わったらいいのかが分からないため、好意を寄せる相手が目の前にいても、右往左往してしまう。男同士で会話をするときは堂々としているのに、女性を前にした瞬間、口数が減ってしまうのは、ウブな男性の特徴と言って良いだろう。普段から女性と接することに苦手意識を感じているため、どうしても恋愛経験が少なくなってしまう傾向にあるようだ。
ウブな女性
ウブな女性の特徴として、見た目が垢抜けていないことが挙げられる。ウブな女性は、男性と接する機会が極端に少ないため、男性からどのようにみられているかを意識してこなかった場合が多い。そのため、ファッションやヘアスタイルが素朴な印象になりがち。薄いメイクやカジュアルな服装であることが多く、見た目から女性らしさがあまり感じられないことも少なくないようだ。
ちなみに、ウブに見せかけて、実は計算高い女性のことを「カマトト」という。メイクやファッションを敢えてナチュラルにして、ウブに見えるようにしている女性も存在するため、騙されないように注意しよう。
「ウブ」の関連表現
最後に、「ウブ」の類語と英語表現を紹介する。関連する表現を理解することで、表現の幅が広がるはず。
類語は「純真」
純真とは、邪念や邪心などが一切なく、心が素直で清らかなさまを指す。混じりけがなく純朴であることを示す「純」と、うそや偽りがないことを表す「真」の組み合わせから成る。ウブと同じ「純粋な心」を表現しているため、類語だと言える。ちなみに、「純心」という漢字表記は誤り。間違いやすいため、誤用しないように注意しよう。
英語ではどう表現する?
「ウブ」を英語で表現する際は、「innocent/初々しい」「pure/純粋」を使う。先述したように、ウブという言葉は用いられるシーンによって、意味が多少変化する。そのため、英語表記する場合は、状況によって適切な単語を選ぶと良いだろう。具体的には、「This year’s new employees are very fresh./今年の新入社員はとても初々しい」「He has a pure heart like a child./彼は子供のような純粋な心を持っている」などのように用いる。
文/oki