高まり続ける「SDGs」への注目度。昨今では多くの企業がSDGs活動への取り組みに力を入れるようになり、持続可能な目標を達成するのみでなく、企業の経済活動において重要なカギとなっている。
しかしながら、SDGsへの活動は、取り組むことだけでなく、その発信を行わなければ、企業の経済活動には役立つことができない。発信の方法や体制が確立していない現在、それらにどのように取り組むべきか悩まれている企業担当者が多いという現状にある。
動画マーケティングのコンサルティングを行う株式会社プルークスではこのほど、SDGsの取り組みに対する現状と課題を洗い出すことで、動画を活用した発信の方向性を見出すべく、各社のSDGsへの取り組み並びに活動発信状況に関する実態調査を、同社の一部顧客(従業員数が100名以上)を対象に実施した。詳細は以下の通り。
8割の企業がSDGs活動に対し、取り組みを実施。しかし、その内の9割は「社内外に十分に発信できていない」
調査①-自社SDGs関連の活動を「している」と回答した企業は83%、「していない」と回答した企業は17%という結果になった。SDGs関連の活動をしていない理由として、100%の企業が「リソース、コストを割くことができない」と回答している。
<調査①図>
調査②-自社SDGs関連の活動は、「すべての人に健康と福祉を」の目標への活動が多く(52.3%)、「働きがいも経済成長も」(18.2%)や「貧困をなくす」(15.9%)も続く結果になった。昨今の健康経営への注目や、コロナ禍による社会貢献活動への企業の取り組みがうかがえる。
<調査②図>
調査③-SDGs活動を社内外へ発信できていない企業は93%、できていない企業の多くが、「社外へ発信できるほど取り組みが進捗していない」点と、「リソースやコストを割くことができない」と回答している。
<調査③-1図>
<調査③-2図>
調査④-SDGs活動発信ツールとして「動画を活用したい、どちらかというとしたい」と回答した企業は83%に上り、SDGs活動における社内外に発信する際のツールとして、動画活用に意欲的であることがわかった。SDGs活動の発信先として「自社HP」をあげる企業が25%と一番高く、順にYouTubeやSNSやデジタルメディアも発信先として選ばれやすいことがわかった。
<調査④-1図>
<調査④-2図>
調査⑤-SDGs活動の発信に関して昨年より投資に力を入れると回答した企業は、44%という結果になった。一方で、発信する上での課題として、「効果測定方法がわからない」と回答した企業は29.4%、「目標設定方法がわからない」「情報発信の体制が整っていない」と回答した企業は、25.9%という結果だった。
<調査⑤-1図>
<調査⑤-2図>
■まとめ
本調査で、SDGs活動に着手する企業が増加する中で、社内外へ十分に発信できている企業は少ないことがわかった(調査③)。理由としては社内リソースの不足とSDGs活動の進捗が遅れていることなどの内的要因が大きく、SDGs活動への投資の強め方も4割の企業に留まっていることが推察される。
一方で、SDGs活動を動画で発信することを意欲的に捉えている企業が多いことがわかった。これは、動画の持つ「伝わりにくいことをわかりやすく伝える」というメリットを活かし、ステークホルダーとのコミュニケーションにおいて、オフラインでの接点が制約される中で、多くの企業が新たな施策として、動画の活用を検討していることを示す結果として現れている。
発信に関しての課題として、効果測定や目標設定の方法に課題を抱えており(調査⑤)、なぜSDGs活動に取り組むのか、社内にて目的やゴールを確立した上で、最適な発信方法を模索していく必要がある。
<調査概要>
調査期間:2021/7/1(木)~2021/8/15(火)
調査方法:企業のSDGs関連担当者によるアンケート調査分析
調査対象:従業員数100名以上の規模の企業担当者
有効回答数:サンプル数83名
出典元:株式会社プルークス
https://proox.co.jp/
構成/こじへい