2020年版「グローバルニッチトップ企業100選」選定企業⼀覧
※シェアは世界市場シェアに限定、連続受賞は除く。
日本のイノベーションを活発化させるGNT企業の未来と製造業全体の課題
新潟県立大学 国際経済学部
細谷祐二教授
日本には現在、製造業が40万社ほどありますが減少が続いています。今後も日本国内でモノづくりをして生き残りたいと思ったら、極めて高い競争力を持つニッチトップ(NT)型製品を自社開発するしかないでしょう。
NT企業の中で世界市場でもトップシェアを獲得しているのがGNT企業ですが、現在のGNT企業の大きな発生源のひとつは何らかの事情で大企業をスピンオフするパターンです。しかし、現在は大企業をスピンオフして起業するケースは非常に少なく、GNT企業が生まれづらくなっています。
海外マーケットを前提としたGNT企業は、今後も成長する可能性が高く、日本国内ではイノベーションを活発にする役割も期待されます。大企業をスピンオフして誕生するケースが減った現在、大企業の依頼で部品を大量生産する技術力のある中小企業をGNT企業などに転換させるため、製品開発だけでなく海外市場の開拓の支援まで手厚くサポートしてほしいものですね。
取材・文/大沢裕司