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スマホのカメラやデジカメのHDR機能を効果的に使う方法

2021.10.05

スマートフォンのカメラアプリやデジタルカメラに搭載されている「HDR撮影」機能。どんな効果があるのかわからず、使ったことがない方も多いのではないでしょうか。この記事ではHDRがどんな機能か紹介するとともに、設定方法を解説します。

iPhoneやAndroidスマホでも見かけるカメラのあの機能! HDRとは何?

スマートフォンでカメラアプリを開くと、「HDR」という表示を目にすることがあるかと思います。HDRは、明暗差が大きい撮影状況で写真の白トビや黒つぶれを緩和する機能です。まずは、基本的な仕組みを紹介していきましょう。

スマートフォンのカメラ/デジタルカメラにおけるHDRの意味

「HDR」とは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略。カメラにおける“ダイナミックレンジ”とは簡単にいうと、カメラがとらえられる最も暗い部分と最も明るい部分の輝度の幅(範囲)です。

人間の目が感じられるものよりもカメラのダイナミックレンジは狭く、写真を撮ると実際に見ている風景と異なる画像になります。

例えばこちらのシーンでは、明るい部分(空)に露出(明るさ)を合わせると暗い部分が黒つぶれし、ぬいぐるみの顔もあまり見えません。逆に暗い部分(ベランダ)に明るさを合わせると空が明るくなりすぎてしまい、雲が白トビして空の青さが表現できていません。

こういったシーンにおいて、肉眼で見た風景に近い画像を疑似的に作るのがHDRの効果です。

HDR画像はどうやって作っている? 写真用カメラにおけるHDRの仕組み

HDRは、明るさの異なる写真を複数枚撮影・合成することで、明るさの再現の幅が広い画像を作ります。

イメージとしては、上の画像のように明るさを変えた複数の写真を自動で撮影し、合成して1枚の画像を作成します。

こういった仕組み上、HDR機能は動いている被写体を撮るとブレたり歪んだりしてしまいます。HDR機能を使って人物を入れた写真を撮りたい時は、被写体に動かないでいるようお願いしましょう。

映像機器の商品説明でよく見るHDR対応とは? HDR動画撮影は写真のHDR機能と仕組みが異なることも

一部のカメラでは写真のHDRと同じような仕組みで動画を撮影することもありますが、主な映像機器のHDRはデジカメのHDRと仕組みが異なります。動画におけるHDRは輝度情報のレンジを拡張し、風景の明暗差をなるべくそのまま表示するというものです。

スマホのカメラアプリでHDR機能を使う方法

それでは実際に、スマートフォン/タブレットのHDR機能の使い方をご紹介します。

【iPhone/iPad】標準カメラでHDRをオン・オフする方法

iPhone/iPadでは被写体の明暗差が大きい場面など、HDR機能を用いた撮影が効果的であるとカメラが判断した時に自動的にHDR機能がオンになります。

※以下のキャプチャ画面はiPad Air(第4世代)で撮影

HDRのオン・オフを手動で切り替えるには、「設定」アプリの「カメラ」の項目をタップして、「スマートHDR」をオフにしましょう。その後カメラアプリを開くと、「HDR」のアイコンが表示されるようになります。ここをタップすると、HDRのオン・オフを手動で切り替えられます。

【参考】iPhoneのHDRカメラ設定を調整する(Apple)

【Android】カメラでHDRをオン・オフする方法

Androidスマートフォンの場合は機種により操作方法が異なるため、説明書や操作マニュアルを確認してください。

撮影画面にHDRアイコンが表示されている場合や、マニュアル撮影モード使用時に設定できる場合(画像左)、撮影モードの1つにHDRが設けられている場合(画像右)などがあります。

iPhone/iPad/Androidの一部機種ではHDR動画再生やHDR動画撮影も可能

iPhoneやiPad、一部AndroidスマホではHDR動画の視聴や撮影が可能です。対応機種や方法は、以下のリンクをご参照ください。

【参考】iPhoneやiPadでHDRビデオを再生・撮影する(Apple)

HD、4K UHD、HDR の動画を視聴する(Google)

デジタルカメラでHDRを使うには? 撮影後にHDR合成をすることも可能

デジタルカメラにおけるHDR機能の使い方は、メーカーや機種ごとによって異なります。メニュー画面で機能のオン・オフを設定できることが多いので、詳しくは説明書等を確認しましょう。

また、デジタルカメラに装備されているHDR機能を使わずに、HDR画像を作成することも可能です。明るさの異なる画像を複数枚撮影し、PCの現像ソフトを使って自分で合成する「HDR合成」は、色味やコントラストを細かく調整したい方などにおすすめです。

デジタルカメラで撮影した画像をHDR合成する場合は、カメラのブラケット撮影機能を利用すると便利です。「オートブラケット(AEB)」「連続ブラケット」など名称は様々ですが、多くのカメラに備わっています。

この機能を使ってシャッターを長押しすると、事前に設定した露出(明るさ)補正に合わせてカメラが自動で設定を変え、明るさの異なる写真を撮影してくれます。

HDR合成はLightroom やPhotoshopなどのPCソフトを使って行える

HDR合成を行うには、PCの現像ソフトを使うと良いでしょう。Adobeが提供するLightroom やPhotoshop、またはカメラメーカー純正のRAW現像ソフトにもHRD合成機能が装備されていることがあります。

なお、「HDR画像はどうやって作っている? 写真用カメラにおけるHDRの仕組み」の項目で登場したイメージ画像もHDR合成で作成しました。

【参考】HDR画像の作成(Adobe)

HDR合成が可能なスマートフォンアプリもある

HDR合成が行なえるスマートフォンアプリもあります。HDR合成に興味があるもののデジタルカメラを持っていない方や、HDR機能がついていない機種をご利用の方は、ぜひ試してみてください。

【参考】Simply HDR(App Store)

HDR Max – Photo Editor(Google Play)

※データは2021年9月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。

文/bommiy

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