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システム開発会社経営者の8割がエンジニア社員の離職を懸念する理由

2021.09.17

転職市場において引く手あまたのエンジニア職。システム開発会社経営者の中には、いつ優秀な技術者に離職されないか戦々恐々としている人もいることだろう。

そんなエンジニアの離職などに関する意識調査がこのほど、株式会社給与アップ研究所により、システム開発を受託しているIT企業の経営者・役員105名を対象にして実施された。

約8割の経営者が、自社のエンジニアの離職を懸念

「Q1.あなたは、自社のエンジニアが離職する懸念や不安を感じていますか。」(n=105)と質問したところ、「非常に感じる」が20.0%、「やや感じる」が56.2%という結果となった。

「成長環境を用意できていないから」、「報酬を向上させられていないから」などの理由で、エンジニアの離職を懸念

「Q2.Q1で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方にお聞きします。その理由を教えてください。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「成長環境を用意できていないから」が48.8%、「報酬を向上させられていないから」が47.5%、「適切な人事評価ができていないから」が31.2%という結果になった。

78.1%の経営者が「多面的な人事評価制度が必要」と回答

「Q3.エンジニアの離職率を下げ、さらに採用を実施するために、エンジニアを多面的(スキル・成果・プロセス・コミュニケーションなど)に評価する人事評価制度は必要だと思いますか。」(n=105)と質問したところ、「非常に思う」が33.3%、「やや思う」が44.8%という結果になった。

自社の人事評価制度が、エンジニアの成長促進になると思わない経営者は、50.5%

「Q4.あなたの会社の人事評価制度は、エンジニアを多面的に成長させられるものになっていると思いますか。」(n=105)と質問したところ、「全く思わない」が9.5%、「あまり思わない」が41.0%という結果になった。

約9割の経営者が、「プロジェクトが想定通りに進まなかった経験がある」と回答

「Q5.あなたは、自社で受託し、開発・納品したシステム及びプロジェクトについて、想定通り進まず苦労した経験がありますか。」(n=105)と質問したところ、「何度もある」が46.7%、「数回程度ある」が37.1%という結果になった。

51.4%の経営者が、ユーザー企業視点のシステム運用マニュアルがあれば、システム開発プロジェクトは「成功する」と実感

「Q6.ユーザー企業側の視点にたった、適切なシステムの運用マニュアルがある場合、システム開発プロジェクトは成功すると思いますか。」(n=105)と質問したところ、「とても思う」が10.4%、「やや思う」が41.0%という結果になった。

経営者の64.8%が、セクショナリズムが存在するユーザー企業だったとしてもプロジェクトが成功するとは「思わない」と回答

「Q7.システム開発プロジェクトにおいて、セクショナリズム(全体最適よりも部分最適が優先される実態を指す)が存在するユーザー企業だった場合、プロジェクトが成功すると思いますか。」(n=105)と質問したところ、「全く思わない」が21.0%、「あまり思わない」が43.8%という結果になった。

理由として、「ユーザー企業の関係者が多く、要件がコロコロ変わる」が72.5%で最多

「Q8.Q7で「全く思わない」「あまり思わない」と回答した方にお聞きします。その理由を教えてください。(複数回答)」(n=68)と質問したところ、「ユーザー企業の関係者が多く、要件がコロコロ変わる」が63.2%、「責任を持ってプロジェクトを進行する担当者がいない」が52.9%、「システムの開発のゴールが定まっていない」が47.1%という結果になった。

その他にも「当初の全体最適化方針にそぐわない部分が生じる」や「部署間で利益相反が発生しがち」の声も

「Q9.Q7で「全く思わない」「あまり思わない」と回答した方にお聞きします。Q8で回答した以外に理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=68)と質問したところ、「当初の全体最適化方針にそぐわない部分が生じる」や「部署間で利益相反が発生しがちなので」など33の回答が寄せられた。

<自由回答・一部抜粋>
・50歳:当初の全体最適化方針にそぐわない部分が生じる
・59歳:評価基準が決められていない場合が多いから
・59歳:部署間で利益相反が発生しがちなので
・58歳:ユーザーの意見がまとまらず 仕様が決まらない挙句の果てに 製造期間が減る
・55歳:要件の洗い出し者(契約担当)と開発者(SE)の差異
・44歳:運用後にシステムに追加や変更が頻繁に生じる
・60歳:最終的に判断を下す責任者が、責任を持って明確な指示を出さない

■まとめ

今回は、システム開発を受託しているIT企業の経営者・役員105名を対象に、「人事評価制度とマニュアル作成」に関する調査を行った。

まず、「エンジニアが離職する懸念や不安」について聞いてみたところ、約8割が「不安を感じる」と回答し、その理由として、「成長環境を用意できていないから」(48.8%)や、「報酬を向上させられていないから」(47.5%)などが挙げられた。

また、エンジニアの離職率を下げ、さらに採用を実施するために、約8割の経営者が「多面的な人事評価制度が必要」と回答。一方で、5割を超える経営者が、自社の人事評価制度がエンジニアの成長促進になるとは「思わない」と回答している。

さらに、「自社で受託し、開発・納品したシステム及びプロジェクト」について、約9割の経営者が、「プロジェクトが想定通りに進まなかった経験がある」と回答。そこで、ユーザー企業視点のシステム運用マニュアルがあれば、システム開発プロジェクトは成功するかと伺ったところ、51.4%の経営者が「成功する」と回答した。

一方で、「セクショナリズムが存在するユーザー企業であっても「プロジェクトが成功するとは思わない」と、63.8%が回答した。理由については、「ユーザー企業の関係者が多く、要件がコロコロ変わる」が72.5%で最多。その他にも、「当初の全体最適化方針にそぐわない部分が生じる」や「部署間で利益相反が発生しがち」などの声も見受けられた。

エンジニアの離職を懸念している企業も多いのではないだろうか。本調査でも、その理由として「成長環境を用意できていない」や「報酬を向上させられていない」などの回答が多数集まったことからも、「多面的な人事評価制度」の構築が、自社の優秀な人材を逃さない施策にもなり得るだろう。

出典元:株式会社給与アップ研究所
https://www.salary-up.com/


構成/こじへい

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