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ハイブリッドモデルとどう違う?乗ってわかったホンダ「ヴェゼル」ガソリンモデルの実力

2021.08.29

前回、e:HEV=ハイブリッドモデルの試乗記をお届けした、販売絶好調の新型ホンダ・ヴェゼルのGグレード、ガソリン車に試乗する機会を得た。販売の主力はe:HEVモデルとは言え、PLaYの329.89万円、Zの289.85万円、Xの265.87万円のe:HEVモデルに対して、G、ガソリン車は227.92万円の価格となり、e:HEV Xより約38万円安い価格設定だ(いずれもFF)。そんなGグレードの実力をロングドライブで検証した。

ちなみにWLTCモード総合燃費はe:HEVモデルのベストバイグレードのZの25.8km/L(お薦めの4WDは22.0km/L)に対して、ガソリン車のGは17.0km/L(4WDは15.6km/L)となる。

e:HEVとガソリンモデルの違いはまずパワートレーンの出力。e:HEVモデルは1.5Lエンジンが106ps、13.0kg-m+モーター131ps、25.8kg-m。対するガソリンモデルは1.5Lエンジンの118ps、14.5kg-mのみの出力となる。ただし、車重はe:HEV Xの1350kgに対してガソリン車のGは1250kg(FF比)となり、100kgも軽量だ。メイングレードのe:HEV Zとなら130kgも軽いのである。

そしてタイヤサイズ。e:HEV Z以上では大径18インチタイヤを履くところ、ガソリン車のGは16インチとなる(e:HEV Xも16インチ)。

もちろん、先進運転支援機能のホンダセンシングは全グレードに標準装備。前席頭上にあるSOSコール、トラブルサポートボタン、スマホでドアのロック、アンロック、エアコンのリモート操作などが行えるホンダコネクトの用意も、ガソリン車だからと言って省かれているわけではない。

さらに、ガソリン車のGグレードでも電車パーキングブレーキ、オートブレーキホールド機能などがしっかり付いているから、一般道の信号待ち、渋滞時、スーパーマーケットなどの料金所での一時停止時も、ブレーキを踏み続けなくていいメリットがある。

さて、新型ヴェゼルのGグレード(今回は4WDモデル)を走らせれば、動力性能的には、2人分の宿泊を伴う荷物を積み込んだとしても、日常的な走りのシーン、高速走行で、加速力に歯がゆさを感じさせるシーンはまずなかった。e:HEVモデルとの動力性能の差が感じられるとしたら、フル加速時、登坂路、そしてGのエコモードであるECONを使った時に限られるという印象だ。

乗り心地に関しては、e:HEVモデルの場合、FFより4WDのほうがしっとり重厚でしなやか。より上質感を味わえる乗り味が自慢なのだが、FFになると18インチタイヤ装着車では、先代よりは遥かに快適なものの、路面によって硬さがある乗り心地になってしまう。

一方、16インチタイヤを履くGグレードは、FF、4WDを問わず、ヴェゼルとしてはフラットで、カーブや山道などで前後左右の姿勢変化最小限かつ、乗員に優しいマイルドな乗り心地を示してくれるのだ。

車内の静かさについても、ハイブリッドモデルのほうが上、という定説はあるものの、高級感、上級感を増した新型ヴェゼルの場合、ガソリン車でも遮音、吸音がしっかり行われているため、エンジンが静かにスムーズに回るだけでなく、風切り音やロードノイズなどを含む全体的な印象としては、想定外に静かに走ってくれたのである。

新型ヴェゼルをファミリーカー、あるいはペットを同乗させるクルマとして見たとすれば、パワー的にe:HEVモデルに譲るぶん、走りそのものが穏やかで、むしろ好ましいと感じるジェントルドライバー(や乗員)もいるはずだ。

ただし、ハイブリッドのe:HEVに対して、渋滞追従&停止保持機能付きの先進的なACC(アダプティブクルーズコントロール)の動作は、よりスムーズでリニアなモータートルクのあるe:HEVモデルに比べ、やや強めの再加速、減速感となる。

今回、真夏のドライブ試乗で嬉しかったのが、ホンダコネクトによる、スマホアプリの操作。ドアのロック、アンロック、エアコンの遠隔操作などが可能で、炎天下に止めた新型ヴェゼルの室内を、あらかじめエアコンで冷やしておくことができ、乗り込んだ瞬間から快適なドライブができたのである。こうした先進機能を、ベースグレードだからといって省かなかったことは、賞賛に値する。

帰路、大雨に降られたのだが、新型ヴェゼルのドアは、本格SUV同様、サイドシルを覆うタイプで、雨や雪(あるいは悪路走行での泥)でサイドシルが汚れにくく、乗降時に衣服がサイドシルに触れ、汚れてしまうこともない。

ガソリン車のGグレードでは、エアコン用のフル電動コンプレッサー、後席エアコン吹き出し口を含む3ゾーンフルオートエアコンが未装備(e:HEV Xも)。よって後席エアコン吹き出し口がなく、前席左右独立の温度調整もできないのだが、もし、ドライバーが暑がり、助手席の乗員が寒がり・・・といったケースでも心配無用。新型ヴェゼルにはそよ風アウトレットなるエアコンの機能があり、助手席だけそよ風アウトレットを用いれば、直接的に顔や体に冷風が当たらず、例えエアコンの温度設定をドライバーに合わせて低めにセットしても寒がりの助手席乗員が「寒すぎる」とクレームを出さずに済みそうなのである。

そして試乗車では、意外な発見があった。新型ヴェゼルには、工場オプション、またはe:HEV PLaYに標準装備されるホンダコネクトディスプレー&ナビと、ディーラーオプションとなるホンダ純正アクセサリーのギャザズのナビが用意されているのだが、試乗車に付いていたのは後者。ホンダコネクトディスプレー&ナビがApple CarPlayやAndroid Auto に対応するものの、CDに対応していないのに対して、ギャザズのナビは、Apple CarPlayやAndroid Autoには未対応ながら、CDスロットがあり、CDを再生できるのである。今だにCD派の筆者としては、嬉しい限りであった。

そうそう、愛犬家にもニュースがある。それは、新型ヴェゼルの後席に装着できるホンダ純正アクセサリー、ホンダドッグシリーズの「ペットシートサークル」(小中型犬用/体重25kgまで)が、後席左右、どちらにも取り付けられること。実は、e:HEVモデルの場合、後席右側端にハイブリッドバッテリーの冷却口があり、それを「ペットシートサークル」が塞いでしまう可能性(バッテリートラブルや劣化の原因になる)があるため、「ペットシートサークル」に限っては、後席右側の装着は適応外なのである。当然、ガソリン車のGはハイブリッドバッテリーを積んでおらず、その冷却口もないため、後席左右どちらにも取り付けられるメリットがあるというわけだ。

新型ヴェゼルのe:HEVモデルとガソリン車の価格差は最低でも約38万円(e:HEV Xの場合。E:HEV Z、PLaYではさらに広がる)。あえて、e:HEVモデルとスタイリッシュなエクステリア&インテリアデザイン面ではほとんど変わらないガソリン車のGグレードを選び、その差額の約38万円の使い道(ナビやドライブ旅行費用など)を考えるのも楽しいではないか!! なお、東京~南房総九十九里を往復(高速道路60%、一般道40%走行)したときの実燃費は、4WDのSUVにして12km/L前後と優秀だった。

ホンダ・ヴェゼル
ホンダドッグシリーズ

撮影協力/Asovillage in 九十九里

写真/青山尚暉・雪岡直樹
文/青山尚暉

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