人や企業の創意工夫から仕事のヒントをみつける「最新ビジネス図解」シリーズ。今回は、一時保育を利用したい保護者と、受入れ可能な保育園を結ぶWebマッチングサービス「mitete(運営:mitete)」に注目する。
本稿読者には、育児や保育サービスが自分ごとではない方も多いだろう。しかし、保護者と保育園の課題を発見し、インターネットの特性を生かして解決するプロセスは大いに参考になる。
日や時間単位で子どもを預けられる一時保育は、ふだん保育園を利用しない保護者にとって便利なサービス。しかし、実際に利用するのは簡単ではない。
一時保育を受け入れてくれる保育園を探すだけでも、ホームページや電話で確認するなどの手間がかかる。保育園側に空きがないと預けられないので、多くのユーザーは複数の利用先を確保している。
利用には、数ページにわたる書類の提出と面接による事前登録が必須で、保育園によって書式がバラバラなので、手続きはかなり煩雑だ。それが済んでも、利用したい時に一件ずつ電話をかけて問い合わせる、といった作業は、忙しい育児中の保護者に相当の負担になる。
保育園側も、登録書類をチェックしたり、業務中に個々の電話問い合わせに対応する負荷は大きい。過剰予約などのトラブルは避けなければならず、予約管理のストレスも小さくない。
そんな保護者と保育園、双方の課題を解決するのが、一時保育マッチングサービス「mitete」だ。
保護者は無料で会員登録し、住所や現在地から、一時保育を利用できる保育園が簡単に探せる。登録時に必要な項目を統一し、一度の入力でデータが完成。一時保育を利用したいときはワンクリックで申込みができ、保育園は空き時間に対応可否を伝えれば良い。
システム上で予約完了まではできないが、マッチングの仕組みはどちらの負担も大幅に軽減する。
「お金を払って子どもを預けることに、ママたちの心理的ハードルはまだまだ高い。リフレッシュしたい、少しの間子どもと距離を置きたい、などの目的で一時保育を利用できるようになれば」と同社代表の林由貴さん。
林さんは保育園看護師(保健師)として、保育園の業務を間近で見てきた経歴を持つ。保護者視点だけでなく、保育園や保育士の立場に立つマインドとサービス設計は、現場での経験あってこそだろう。
大きな視野でモノゴトを俯瞰する「鳥の目」は重要だが、現場視点で細やかに実態を見極める「虫の目」を持つことの大切さを、教えてくれる課題解決ストーリーだ。
mitete
https://mitete.jp/
取材・文/ソルバ!
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