大容量のポータブル電源は、スマホやPCはもちろん、ドライヤーや電子レンジなども屋外で使えるようになる便利なアイテム。コンセントのない場面で使えるので、アウトドアだけでなく災害時の非常用電源としても活躍します。今回はポータブル電源の選び方とおすすめ製品を紹介していきましょう。
「Wh」ってなに? ポータブル電源の選び方
ポータブル電源は本体内蔵のバッテリーに電気を蓄えて、スマホや家電などに給電できる機器です。大容量のものはキャンプやアウトドアイベントだけでなく、災害時の電力源として使うこともできます。ここではポータブル電源の選び方を簡単に説明していきましょう。
ポータブル電源の容量は基本的に「Wh(ワットアワー)」で表記されます。W=消費電力、h=時間で、200Whなら100Wの消費電力の電化製品を約2時間使えるという意味になります。ポータブル電源を探す時は、充電したい機器が何Wで何時間使うかを把握して「W(消費電力)×h(時間)」で数値を求めて目安としましょう。
また、定格出力(W)が対応しているかのチェックも重要です。定格出力とは、一定の条件下でポータブル電源が安全かつ安定して連続的に給電できる最大出力です。使いたい機器の消費電力がポータブル電源の定格出力を上回ると、必要な電気を送れず使えなくなってしまいます。
ほかにも、使用する家電の周波数が対応しているか、AC出力ポートを使う場合は家電製品に合った出力波形であるかのチェックも必要です。出力波形には主に正弦波 (せいげんは)と矩形波(くけいは)があります。正弦波であれば大半の家電製品に対応しますが、矩形波はコンピュータを搭載しないシンプルな作りの家電製品向け。PCやタブレットなどの精密機器に使用するのでなければ、比較的安価な矩形波のポータブル電源でもOKです。
電子レンジなどの家電を使うなら1000Wh超えの大容量ポータブル電源を
車中泊や災害時に電子レンジなどの家電を使うなら、電池容量が1000Whある製品がおすすめです。一般的に、消費電力は定格高周波出力(加熱するのに必要なエネルギー)の1.5~2倍程度の消費電力がかかるといわれています。そのため、電子レンジを500Wで使うと、実際の消費電力は1000W程度になるのです。
なお、よく使われるタイプのポータブル冷蔵庫は約45W、電気毛布は約60Wなので、キャンプで家電を使う程度なら500Whくらいの製品でOKです。
【参考】2969Whのウルトラ大容量!エアコンは5時間、冷蔵庫は10時間駆動するPRO-TECTAの超大容量ポータブル電源「ボルトマジックPB3000メガ」
さらに大容量のポータブル電源を探す場合は業務用を
業務用のポータブル電源は3000Whなどの製品もあります。工事現場やオフィスのバックアップ用、舞台や映画撮影の現場で使う時に便利です。業務用の多くは、電池残量や出力のディスプレイ表示、持ち運びやすさ、ACアダプターなどの電源周りを、業務で使いやすいよう設計されています。
ソーラーチャージ対応の大容量ポータブル電源もおすすめ
ポータブル電源に太陽光で充電するソーラーチャージをつければ、バッテリー切れの心配が少なくなります。ほかにも、シガーソケットからの充電に対応していて、車からポータブル電源に充電できるものもあります。
編集部おすすめ! 大容量ポータブル電源ランキング
大容量ポータブル電源には、気軽に使えるタイプから高機能のものまで多様な商品が揃っています。そこで、ここからは編集部が選んだおすすめの商品をランキング形式でご紹介します。
【参考】大容量17万2800mAh!災害、停電、アウトドアで活躍するオウルテックのポータブル電源「PORTABLE POWER STATION」
1位:11台同時給電が可能! LEDライト搭載でアウトドア/防災用にピッタリの「Anker PowerHouse ll 800」
第1位は「Anker PowerHouse ll 800」。778Whと大容量で、AC出力×2、USB-A×4、USB-C×2、シガーソケット、DC出力ポート×2を備えているため、11台同時充電/給電も可能。家族で使うのにも便利です。
LEDライトを搭載しているため、アウトドアだけでなく防災・緊急時にも活用できます。バッテリーマネジメントシステム (BMS)により電圧や温度が適切に管理されていて安全性にも配慮が行き届いている点も魅力です。
本体の電池や満充電までの推定時間が表示される液晶画面や、コンパクトなサイズ感(約300×185×204mm)、そして耐久性の高さなど、機能面でも使いやすさの面でも優れた「Anker PowerHouse ll 800」が1位となりました。
2位:ファンレス仕様で音も静か! 1000Wh大容量ポータブル電源
MaxPowerのポータブル電源は、車中泊や災害時にも使いやすい1000Whの大容量です。
電池容量は27万mAh/1000Wh。ACアダプター充電器、車充電器、別売りソーラーチャージャーに対応しています。ファンレス仕様でファンの音が全くしません。出力方法はACのほかにUSB-A、USB-QC3.0、PD出力(60W)、DC12V、シガー電源。PCやスマホ、タブレット、冷蔵庫などに幅広く使えます。
3位:スマホが100回使える1500Whの大容量ポータブル電源
1000Wh では少し足りないなら、MAXOAKの商品はいかがでしょうか。
電池容量が1500Whで、スマホを約100回、ノートPC(40W)を約35時間、冷蔵庫(30L)を約35時間、扇風機(20W)を約70時間充電できます。1000W出力に対応しているので、電子レンジやドライヤーなども使えます。ACアダプター充電とソーラーパネル充電が可能です。出力はAC、シガーソケット、タイプC、USB-Aに対応しています。
4位:17台同時給電できる大容量2000Whのポータブル電源
BLUETTIの製品は、さらにパワフルな2000Whの高出力ポータブル電源です。
AC出力6口、15Wワイヤレス充電ポート2口、タイプCやUSB-A、シガーライターポートなどを搭載し、合計17台の機器を同時に給電可能です。充電方式も家庭用コンセント、ソーラーパネル、シガーソケット、発電機、鉛蓄電池の5種類と豊富。ワイヤレス充電がしたい人や、たくさんのデバイスを一度に充電したい人向けです。
5位:連続出力1600Wの最強ポータブル電源
電池容量2880Whで、最大瞬間出力3600W、連続出力1600WのOptimumNanoのポータブル電源。
充電は家庭用100Vまたは200VACコンセント、ソーラーパネル(チャージャー別売り)、自動車の12Vシガーソケット(チャージャー別売り)の3種類。出力はACとUSB。LED非常灯が内蔵されているので、災害時にも便利です。電子レンジや扇風機などの家電が使えて、アウトドアレジャーにも役立つ商品です。
6位:600Wh以上の大容量で安い日本製ポータブル電源
日本製のモデルを探しているなら、JVCケンウッド「BN-RB6-C」がおすすめ。Amazon販売価格7万1280円と、大容量ながらリーズナブルです。
アウトドアやキャンプなどで活躍する626Wh容量のポータブル電源で、出力はAC、USB-A、シガーソケットに対応。500W出力で、スマホや小型ポット、扇風機などが使えます。6.4kgと軽量設計なので、持ち運びにも便利です。
ポータブル電源を購入する際には、電池容量(Wh)や定格出力(W)が、使いたい機器に合うものを選ぶのが必須です。その上で、サイズや重さ、充電方法なども検討して、目的にぴったり合った商品を探してみてください。
※データは2021年7月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/ねこリセット