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コロナ禍の転職事情、前職と比べ賃金が増加した人の割合は?

2021.08.08

前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合は29.1% 

「転職時の賃金変動状況」では、転職決定者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか。

今回はリクルートが発表した2021年4-6月期の「転職時の賃金変動状況」を見てみよう。前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職決定者数の割合」の経年変化を観察している。

新型コロナウイルスの感染が拡大を始めた2020年1-3月期を起点として大きく水準を切り下げた後、2021年1-3月期は、底を脱して反発、概ね感染拡大前の水準近くに復した。足元2021年4-6月期も概ね同水準を維持している。

BOX:業況感と人員の過不足感

下図は、当プレスリリースで紹介している「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者の割合」(右軸)と、日本銀行公表の全国企業短期経済観測調査(通称:短観)における業況判断DI/雇用人員判断DI(左軸)を一枚のグラフにプロットしたものである。短観では、企業に対し、業況感や雇用人員の過不足感といった項目を問い、得られた回答を以下の定義に沿って、DI(Diffusion Index)という指標に仕立てている。

業況判断DI(%pt)=「良い」の回答社数構成比(%)-「悪い」の回答社数構成比(%)

業況の場合の回答選択肢は「良い」「さほど良くない」「悪い」、雇用人員では「過剰」「適正」「不足」

ここで注目すべきは昨今の「業況判断DI」と「雇用人員判断DI」の乖離である。この2指標は、これまで長きにわたり「業況感が悪化すれば人員は過剰となり、改善すれば不足する」という、ある種当たり前の連動関係を有していた。しかし、2013年頃を起点に両指標は乖離を始め、業況の過熱感以上に人員不足が深刻化している様子がうかがえる。

2019年初頃の「業況感」は、リーマン・ショック前のピーク水準と概ね同水準(図中の点線参照)であるのに対し、同時期の「人員不足感」は、その水準を大きく上回っていた。2019年初頃の労働市場の過熱感には、いわゆる、景気循環要因のみでなく、構造的な人手不足が“上乗せで”寄与していると考えられる。

以降、「業況感」は緩やかな低下を続けていたなか、新型コロナウイルス感染拡大が表面化した直後の2020年6月調査で急激な下落をみせた。「雇用人員不足感」/「賃金が明確に増加した転職者の割合」も急激に低下したものの、注目すべきはその水準である。2013年以降、業況感と乖離して上昇し続けていたこれら2指標は、急落した後もなお、リーマン・ショック前のピーク水準を維持していた。

足元、これらの指標は改善基調に復している。「雇用人員不足感」/「賃金が明確に増加した転職者の割合」については、一定の過熱感を維持したまま新型コロナウイルス禍を乗り切るかたちとなるだろう。

概要

・2021年4ー6月期の転職決定者の分析

・IT系エンジニアは、比較できる2008年4ー6月期以来、過去最高値に

・「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職決定者数の割合」を経年変化で観察

※前職(転職前)の賃金は時間外労働等の「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらが含まれないため「前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数の割合」は実態よりも低めの値となる傾向がある。

構成/ino.

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