働く女性864人に聞いた管理職のイメージ、なりたい派39.1%、なりたくない派は?
20代、30代と経験を積んでいくほどに、管理職に就く機会に恵まれることもあるだろう。一般社員よりも多忙なイメージが強く、ライフワークバランスなども気になるところだが、実際のところ、働く女性たちは「管理職への就任」にどれくらい意欲的なのだろうか?
そんな「管理職」に関する意識調査がこのほど、女性のための転職サイト『女の転職type』により、同サービスの会員864名を対象に実施された。
■Q.1 管理職(リーダー職)の経験は?
まず、864名に管理職経験について聞いたところ、25.3%(219人)が「管理職経験がある」と回答した。
年齢別で見てみると、20代では管理職経験があると答えた人が約1割しかいない結果になった。30代では28.9%、40代では32.0%と3割近くの人が管理職経験があると答えており、年代が上がるにつれて管理職経験がある人が増えている。
■Q.2 管理職になってよかった点は?
Q.1で管理職経験があると回答した人に、管理職になってよかった点を聞いた。1位は「自身の成長に繋がった」68.0%、2位は「自分の裁量でできる仕事が増えた」46.6%、3位は「給料が上がった」43.8%という結果になった。
■Q.3 管理職になってよくなかった点は?
管理職になってよくなかった点を聞いたところ、「責任が重くなった」が55.7%で1位となった。続く2位は「面倒な仕事が増えた」47.0%、3位は「残業時間が増えた」35.2%だった。気持ちの面だけではなく業務量の面も、管理職になってよくなかったと感じるポイントになっていることがわかる。
■Q.4 管理職になってよかった、よくなかったエピソード
<よかった派>
・自分の裁量で仕事ができるようになり、自分の責任で決めた仕様が製品に組み込まれた。その製品が社会の中で利用されることで、社会に貢献できる喜びを知った(30代/エンジニア系/東京)
・部署全体の方向性や会議にも参加できて、仕事のやりがいが増えた(30代/事務・経理・人事系/東京)
・上司がどのような仕事をしていたのかわかった。周囲を見渡せる余裕が出来たので、立ち回りが洗練された気がする(30代/事務・経理・人事系/東京)
・部下から「〇〇さんに教えてもらって良かった」と言われ、後に部下も成長し昇進した(30代/事務・経理・人事系/大阪)
<よくなかった派>
・周囲から仕事をやって当たり前と扱われる。当たり前だけど弱っているとき悲しくなる(40代/事務・経理・人事系/大阪)
・男性が多い中で女性管理職は自分しかおらず、悩みがあっても気軽に相談できる人がいなくなってしまい、精神的に病んでしまった(30代/営業系/福岡)
・経営陣から与えられたノルマと部下の残業時間の限度の板挟みにあい、過度に残業する月が多くなった(50代/事務・経理・人事系/東京)
・少しお給料は上がったものの、責任の大きさとお給料が見合わない(40代/サービス・販売系/東京)
■Q.5 今後、管理職になりたいと思う?
Q.1で管理職経験がないと回答した人に、今後管理職になりたいかを聞いた。最も回答が多かったのは「あまりなりたくない」42.9%という結果に。「頑張ってなりたい」「機会があればなりたい」と答えた、管理職になりたい派が39.1%になるのに対して、「あまりなりたくない」「絶対なりたくない」と答えた、管理職になりたくない派が54.9%と、なりたくない派が上回る結果となった。
■Q.6 管理職になりたい理由は?
Q.5で管理職に「頑張ってなりたい」「機会があればなりたい」と答えた人に、なりたい理由を聞いたところ、1位は「自身の成長に繋がる」78.7%だった。次いで2位が「キャリアの幅が広がる」72.2%という結果で、成長意欲の高さがうかがえる。
■Q.7 管理職になりたくない理由は?
対してQ.5で管理職に「あまりなりたくない」「絶対になりたくない」と答えた人に、なりたくない理由を聞いた。1位は「責任が重くなる」68.6%、2位は「残業時間が増えそう」50.8%、3位は「自分にできる自信がない」50.3%という結果になった。
また「その他」の回答では「家庭との両立が不安」などの家庭との両立を気にかける声も多かった。
■Q.8 職場に尊敬できる女性の管理職はいる?
職場に尊敬できる女性の上司(管理職)がいるかを聞いたところ、「いる」と答えた人は27.4%だった。
■Q.9 尊敬できる女性管理職の有無は、管理職になりたい気持ちに影響する?
職場に尊敬できる女性の上司(管理職)がいるかいないかは、管理職になりたい気持ちに影響があるかを聞いた。結果は「やや影響がある」が31.4%で最も多い回答数になった。
また、Q.5の回答で分かった管理職の希望度合別に、尊敬できる上司の有無の割合を見てみると、管理職に「頑張ってなりたい」と答えた人で、「自分の職場に尊敬できる女性の管理職がいる」と答えた人の割合が最も高く40.0%という結果となった。「機会があればなりたい」やなりたくない派の人と比較しても高い割合であることから、モデルケースとなる女性の管理職がいることが管理職になることへの前向きな後押しになることがうかがえた。
※調査データ(グラフ)は、小数点第2位以下は四捨五入しているため、合計しても100にならない場合がある。
<調査概要>
調査内容:第29回「管理職ってどう?」|データで知る「女性と仕事」
調査期間:2021年6月4日~6月17日
有効回答数:864名
調査対象:『女の転職type』会員
調査方法: Web上でのアンケート
出典元:株式会社キャリアデザインセンター
構成/こじへい