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コロナ禍でビジネスパーソンのストレスは減少傾向

2021.07.21

ある調査結果により、コロナ禍でビジネスパーソンのストレスが減少傾向にあることがわかった。テレワークなどへの職場環境の変化や心身の疲労などの点でストレスが軽減したことが背景にあると予想されている。

今回は、その調査結果の内容とともに、ビジネスパーソンのストレス対策を紹介する。

コロナ禍でビジネスパーソンのストレスが減少

ドクタートラストのストレスチェック研究所が、2020年にストレスチェックサービスを利用した受検者約24万人のデータを分析したところ、2019年度と比較して変化が見られた。

まず注目なのは「高ストレス者率」について。高ストレス者とは、ストレスチェックの結果、ストレスの自覚症状が高い、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪いとされた人を指す。2019年度が15.4%であったのに対し、2020年度では14.1%と、1.3%減少した。

また「抑うつ感」や「不安感」などのストレスチェックの尺度について、数値は大きいほど、不良(好ましくない)の傾向を示すが、全体的に2020年は2019年よりやや減少傾向が見られた。

2019年と比べて2020年で特に良い傾向のほうに差が生じたのが、次の5つの尺度だった。カッコ内のパーセントは、どのくらいの割合で良好に変化したのかを示すものだ。

1.職場環境(1.7%)

2.疲労感(「ひどく疲れた」2.0%、「へとへとだ」1.5%増加、「だるい」2.5%増加)

3.経済・地位報酬(3.9%)

4.経営層との信頼関係(2.9%)

5.公正な人事評価(2.8%)
「人事評価の結果について十分な説明がなされている」への回答状況から算出。

このように、2020年度と2019年度のストレスチェック結果を比較すると、職場の環境や疲労感、会社についての信頼感で良好な変化が見られた。

ストレスチェックの結果が良好になったことはどう受け止めるべき?

しかしドクタートラストのストレスチェック研究所のコンサルタント外山佳季氏は、この結果について注意して受け止めるべきだと述べる。

【取材協力】
外山佳季(とやま・よしき)氏
株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所 コンサルタント
ストレスチェック研究所のコンサルタントとして現在までに約100万人のストレスチェックデータを分析。雑談やコミュニケーションから組織の風土を変えていくコンサルティングサービス「STELLA」の講師としても活動中。

「ストレスチェックの結果は客観的な数値ではなく、主観的なアンケートを集計したものだという点にご注意ください。これらの数値は、企業の状況を表したものというより、労働者が感じている想いや気持ちを表しています。

例えば『経済・地位報酬(自分の仕事に見合う給料やボーナスをもらっている)』では2019年度に比べて2020年度は良好な回答が3.9%増加していました。しかし総務省統計局が表された2020年の完全失業率は11年ぶりに増加、帝国データバンク社の発表した企業の2020年冬季賞与の支給額は32.5%の企業が『2019年と比べて減少した』と回答しており、客観的なデータでは報酬面での落ち込みは明らかです。

ストレスチェック上の数値変化はあくまで、『労働者の気持ちが変化した』ものとお考えください」

今後、アフターコロナに向けて労働者のストレスはどうなっていくだろうか。

「正直なところ、今回の結果は我々も予想ができなかったということもあり、先が読みにくいところがあります。今回の結果が、コロナ禍で仕事量が減少したことが理由ということであれば、コロナが沈静化し、仕事量が戻った場合にはストレスチェックの結果も元に戻るかもしれません。

またコロナ禍で働き方にさまざまな工夫、例えばテレワーク、リモート商談などを取り入れた企業が多く出てきたことが今回の結果につながっているのであれば、今後環境が変化する中で、より働きやすい環境を作っていく努力を企業が続けることで、さらにストレスチェックの結果も良好に変化していくかもしれません」

テレワークでストレスと付き合っていくポイント

今後もストレスとうまく付き合っていくために、自分自身でストレスのコントロールをしたいものだ。そこでテレワーク下でのストレスとの付き合い方をドクタートラスト ウェルネスサービス本部の課長であり、かつては精神保健福祉士や看護師として従事していたことのある笹井裕介氏にアドバイスしてもらった。

【取材協力】
笹井裕介(ささい・ゆうすけ)氏
株式会社ドクタートラスト ウェルネスサービス本部 課長
京都出身。精神保健福祉士、看護師として病院に勤務後、経験を活かし産業保健分野に従事。企業の健康経営について、メンタルヘルスやハラスメントの問題に日夜取り組んでいます。

1.ストレスの原因から離れる

「ストレスの原因となるものから『物理的な距離』と『心理的な距離』を取ることが必要です。テレワークは良くも悪くも、自宅を『休む場所』から『働く場所』に変化させました。
自宅では勤務時間が管理されないからといってついつい残業をしてはいないでしょうか。仕事が終わっているのに一度閉じたパソコンをついつい開いてしまうことはないでしょうか。仕事が終わればパソコンは、目につく場所に置かず、収納してしまいましょう。余暇に仕事のことを考えるのは時間とエネルギーの無駄です」

2.自分のための「3つのR」を実践する

(1)REST(体と心を休養させること)

「自宅は『働く場所』ではありません。『休む場所』なのです。疲れが取れるように、心地の良い寝具でぐっすり寝ることはできていますか。睡眠がきちんと取れていなければ要注意です。夜ふかしせずに、寝る前は明かりを暗くして過ごし、横になったら深呼吸をして副交感神経の働きを高めましょう」

(2)RELAXATION(自分の心が休まること楽しいこと)

「自分の心が休まること、楽しいと感じることをしましょう。例えば音楽。クラシックでなくても癒しの音楽でなくてもいいので、自分の気持ちと同じような曲から聞き始め、気分が回復してきたら次第に元気な曲に変えていくことで、気分をリフレッシュすることができます。ストレッチやヨガ、マッサージなどもいいですね」

(3)RECREATION(エネルギーを使って積極的に楽しむこと)

「これは運動、旅行、趣味などの気晴らし行動ですが、(1)RESTが十分に取れていることが前提です。疲れている体で十分に楽しむことはできません。コロナの流行によってできないことも多いですが、積極的に楽しむことを忘れていると生活は行き詰まります。運動や趣味などの気分が晴れることをぜひしてみてください」

今後、ビジネスパーソンのストレス傾向はどう変化していくのか、未知数なところがある。いずれにしても、各人がそれぞれストレスと向き合い、上手に対処していくことが重要だ。

【取材協力】
株式会社ドクタートラスト
企業ではたらく人の健康管理を専門に受託している会社。産業医(国内第1位※)や保健師などの医療資格者が企業を訪問の上、健康診断結果に基づく健康指導、過重労働者面談を行う。また、103万人超のビッグデータに基づく職場環境改善コンサル「STELLA」や外部相談窓口サービス[アンリ]も好評。その他 ストレスチェック、健康経営セミナー、衛生委員会のアドバイスなど、さまざまな業務を実施している。※帝国データバンク調べ
https://doctor-trust.co.jp/

取材・文/石原亜香利

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