毎クール、数多くのアニメが放送される中で『呪術廻戦』のアニメが原作ファンのみならず多くの視聴者を魅了し、大ヒットしたのはなぜなのか。日頃から幅広いカテゴリーのアニメをチェックし、業界動向に関しても造詣が深い3人の専門家に、その理由について聞いた。
──ヒットの要因について、率直にどう思われますか?
前田 大きいのは原作の魅力と映像の力でしょう。原作者・芥見下々先生の見ごたえある描写が高いレベルで映像化され、作品の魅力が高められているなと。雑な表現で言えば〝クオリティーでぶん殴りにきた!〟という印象です。
小新井 本編だけでなく、オープニングムービーとエンディングムービーもおしゃれでカッコいい! オンエア中には、Twitterなどで話題になりましたね。
数土 何と言っても、これまでに数々の話題作に携わってきたMAPPAが制作していますからね。ここ数年のヒット作を手がけているのは、主に深夜枠の作品を担当し、クオリティーの高い映像で若者に人気のスタジオがほとんどです。MAPPAもそのひとつで、映像にこだわった結果が、ヒットにつながったと思います。
前田 近年は映像そのものの力を高めることによって宣伝力を増す傾向が、強まっているんじゃないかなと思います。
数土 特に『呪術廻戦』は原作の魅力に映像の良さを〝上乗せする〟だけでなく、マーケティング戦略にも注力し、かなり万全の態勢で挑んだように思いますね。
小新井 確かに。『呪術廻戦』のプロモーションは実に多様で、アニメが放送開始される早い段階からアパレルや食品などの企業と積極的にコラボしていました。オンエア後の反響を受けてアニメ放送途中にPodcast番組を始めたのも〝動きが早いな〟という印象です。放送されて盛り上がっているところに、さらに〝薪をくべる〟ようなプロモーションも、功を奏したのではないでしょうか。
アニメライター 前田 久さん
アニメを中心に、アニソン、マンガ、ライトノベル関連などの原稿を手がける。雑誌、Webなどのメディアにて活躍中。「前Q」という愛称でも知られている。
アニメウオッチャー 小新井 涼さん
三木プロダクション所属。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院博士課程在籍。毎週約100本以上のアニメを視聴し、各メディアにてブログやコラムを連載している。
ジャーナリスト 数土直志さん
アニメを取り上げる情報サイト「アニメ!アニメ!」「アニメ!アニメ!ビズ」の編集長を経て、フリーに。国内外のアニメーションに関する取材・報道・執筆を行なっている。
世界観を見事に再現した圧巻の映像クオリティー
呪力をまとう拳や、まがまがしさを感じさせる領域展開など、作品特有の描写を原作ファンの期待に応えるクオリティーで映像化。目の肥えたアニメファンからも高評価。
幅広いファンの心をつかむ積極的な商品化展開
成人向けの頭髪ケア商品から、子供に人気のシューズや製菓まで、様々な分野のコラボアイテムが続々と登場。テレビのオンエアが終了後も、その勢いはとどまるところを知らない。
『呪術廻戦ばかうけ青のりしょうゆ味2』オープン価格(実勢価格約120円)
ネイチャーラボ/『TVアニメ 呪術廻戦×MARO(マーロ)』コラボボトル 3DボリュームアップシャンプーEX(全6種) 各1650円
※今秋全国発売予定
『呪術廻戦コラボシューズ produced by SYUNSOKU 虎杖悠仁』6050円
※8月中に発売予定