【Sponsored by 丸亀製麺】
丸亀製麺といえば、店内で粉からつくった茹でたての麺と、店内でていねいに引いた香り高いだしを使った讃岐うどんを味わえることでおなじみ。その味はお持ち帰りでも楽しめるが、いまお持ち帰り専門メニューとして話題なのが「丸亀うどん弁当」だ。
2021年4月13日から全国の店舗で発売している「丸亀うどん弁当」は、運びやすく持ちやすい容器にぶっかけうどん(並・冷)1玉に、天ぷらとおかずを盛り付けたもの。まず「2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」(390円/税・容器代含む。以下同)「3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」(490円)など4種を発売。6月8日から夏季限定の夏うどんシリーズとして「豚の冷しゃぶと定番おかずのうどん弁当」(590円)と「鶏天おろしと定番おかずのうどん弁当」(620)円が登場した。発売から2か月強だが、これまでの販売実績はなんと600万食を超えている。
2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当 390円
3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当 490円
豚の冷しゃぶと定番おかずのうどん弁当 590円
鶏天おろしと定番おかずのうどん弁当 620円
丸亀製麺だからできるお持ち帰りメニューの開発
丸亀製麺は2020年5月27日から全国の店舗で順次、うどんのテイクアウト販売を開始した。コロナ禍で急拡大したテイクアウトやデリバリー需要に対応する形になったが、徐々に定着していくにつれて、丸亀製麺だからできるテイクアウト専用メニューの提供を模索するようになった。
「丸亀うどん弁当」のアイデアは、丸亀製麺をはじめとした飲食店舗を営業する株式会社丸亀製麺 代表取締役社長の山口寛の頭の中にあったもの。アイデアを具現化したのが、同社で丸亀製麺のメニュー開発を担う、商品開発部 商品開発課 アソシエイト・マネージャーの浦郷裕介氏である。2020年末に企画が始動し開発に着手した。
株式会社トリドールホールディングス 商品開発部 商品開発課 アソシエイト・マネージャー 浦郷裕介氏
うどんと天ぷらだけではなく、弁当らしくするためおかずもプラスすることに。味だけではなく、彩りなども考慮して天ぷらやおかずを決めていくことが求められた。
「最初はできるかどうか不安でした。『うどんで弁当ができるのか……』というのが正直なところです」
浦郷氏は企画が始動した時の心境をこう明かす。ただ、弁当に何が入っていると嬉しいか、どういうものだったらフタを開けたときに喜ばれるか、といったことを考え始めるようになったら気持ちが高ぶり、アイデアがいろいろ湧き上がるようになって開発が進み出したという。
4月に発売することは当初から決まっており、スケジュールは通常の開発に比べてもタイト。しかし浦郷氏は、「絶対に弁当を売る」という山口氏の想いを受け、必ず成功するものを目指した。
うどんのクオリティは店内で提供するものと変わらず
弁当の主役はうどん。店内で食べるものと遜色のないものにすることは当然のことだった。
麺に関しては、店内で食べられるものと同じものを使っている。店内で打ったゆでたて麺が弁当でも味わえる。浦郷氏は「店内でお召し上がりいただく麺の美味しさには自信がありますので、同じものを味わってもらうことにしました」と話す。
圧延機でうどん生地を伸ばすところ。複数回に分けて生地を伸ばしていく
伸ばした生地を切り出し機で切る。生地はものの数秒で切られ麺が出来上がる
打ち立ての麺を茹で上げ、茹でたての麺を提供。ベテランであれば茹でられている麺の状態を見ただけで、釜から麺をあげるタイミングを見極めることができる。
きんぴらごぼうと玉子焼きをおかずとして添える
「丸亀うどん弁当」は、天ぷらのほかにきんぴらごぼうと玉子焼きの2品がおかずとして添えられている。2つとも丸亀製麺では初めて採用したものだが、数十種類の候補の中から悩みに悩み抜いた末に決まった。ほかの候補は、ポテトサラダやスパゲティサラダ、コロッケ、白身魚フライ、焼き魚など。候補を試食して検討したが、麺の美味しさとだしの風味を味わってもらうには主張が強すぎないものの方がマッチするとの理由から、きんぴらごぼうと玉子焼きに決まった。
決まっても試行錯誤は続く。きんぴらごぼうにはごま油が使われることから、だしの味のバランスが崩れることが考えられたので、だしとバランスが取れるものを開発。十数種類の試作を経て食感を楽しんでもらえるものをつくった。玉子焼きは甘めの味付けがいいのかだし巻き玉子の方がいいのかを決めるべく、のべ十数種類の中からだしに合うものを選定した。
「3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」のおかず2品と天ぷら3種。右上は野菜バラ天。容器に打ち立て茹でたての麺を詰め、その上におかずと天ぷらを盛り付け、だしの小袋をセットする。
遂に明かされる「野菜バラ天」の正体
天ぷらについては、彩りも考慮して選定した。検討の結果、現在販売中の「2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」ではちくわ磯辺天、野菜バラ天、「3種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」ではえび天、ちくわ磯辺天、野菜バラ天を詰めることにした。
「野菜バラ天」とは実は野菜かき揚げで使っている野菜をバラして揚げたもの。店舗で食べられる野菜かき揚げは大きくそのままだと容器に詰められないことから、具材の玉ねぎ、にんじん、青ねぎ、さつまいもをバラバラに揚げて詰めることにした。バラバラにすることで容器に無理なく盛り付けられボリュームアップするほか、だしに油の旨味と野菜の甘みが移り美味しさもアップする。浦郷氏の言葉を借りれば、野菜バラ天は「丸亀うどん弁当」の味の決め手になるものだ。ちくわ磯辺天やえび天も同様で、つゆに油の旨味と磯系の旨味をプラスする。天ぷらにはおかずを超えた役割があった。
テスト販売で聞かれた「この値段なら買う」という声
2021年3月、一部店舗で2週間ほど「2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」のテスト販売を実施した。テスト販売の結果は、「この値段なら買う」「この値段でこの品質なら食べる」というコストパフォーマンスの高さが評価された。
6月に発売された夏季限定の夏のうどん弁当シリーズは、老若男女に食べてもらうことと満足感が味わえることの2点から、「豚の冷しゃぶと定番おかずのうどん弁当」と「鶏天おろしと定番おかずのうどん弁当」を考案した。「豚の冷しゃぶと定番おかずのうどん弁当」は野菜バラ天、豚の冷しゃぶ、すだちおろし、「鶏天おろしと定番おかずのうどん弁当」は鶏もも天2個、ごま油香るおろしポン酢をトッピング。どちらもおかずとして、きんぴらごぼうと玉子焼きが添えられている。
「重くならず彩をよくするには野菜の天ぷらを使うことも考えられますが、これだと満足感が足りません。少し脂の乗ったものがあると喜ばれます」と浦郷氏。暑い夏にさっぱりしていただけることがイメージできるよう、豚の冷しゃぶに大根おろしとすだちのトッピング、鶏もも天にごま油をきかせたおろしポン酢のトッピングを思いつく。
【実食レビュー】ボリューム満点「鶏天おろしと定番のおかず弁当」はさっぱりしていてウマい!
店と同じクオリティのうどんで思わず感動。ボリューム満点ながらさっぱりしており、あっという間に平らげる。弁当なので容器をしっかり手に持って食べるとサマになる。
気になるのは、やはり味。丸亀製麺のご厚意で「鶏天おろしと定番のおかずのうどん弁当」をいただくことができたので印象をお伝えしたい。
まず目を引くのが、鶏もも天2個の存在感。丸亀製麺特製のタレに漬け込んでしっかり味をつけた後、店内で揚げたてを提供しているため、鶏もも天の食べ応えや脂の乗りは大いに期待できる。鶏もも天はジューシーで食べ応えがあるが、おろしポン酢がさっぱりとした口当たりにしてくれるので、脂っこさは感じない。そして定番のおかず2品は、どちらも控えめな味付けで、箸休めに重宝する。もちろん店内で打ち立ての麺はコシもあり、全体としてとても満足感のある一杯になっている。
何といっても効いているのが、添えられている徳島県産のすだち。絞って食べるとスーッとし清涼感をもたらしてくれる。弁当は全体的にボリュームがあるが、これなら暑い夏でもスルッといただけてしまうだろう。
すだちのほかに、薬味の青ねぎが添えられているが、店内では薬味が無料で取り放題なので、中には物足りなく感じる人もいるだろう。そういう場合は、包材代として30円プラスすれば、青ねぎや天かすといった薬味を別に用意してくれるそうだ。
【取材からわかった「丸亀うどん弁当」のヒット要因3】
1.店舗同様すぐ食べられる
丸亀製麺にはそんなに待たずすぐ食べられる印象が強い人もいるだろう。弁当も同じで、すぐ買えて食べたいときに食べられる。店舗同様スピーディーに提供できる点がウケている。
2.店舗と同じ味
うどんが店舗で食べるクオリティと違うと客の期待を裏切ることになる。弁当は買ってから食べるタイミングが人それぞれ異なるので、店舗と遜色ない味をつくるのは簡単ではないが、だしを工夫するなど店舗と遜色ない味を実現した。
3.コストパフォーマンスが高い。
一番安い390円の「2種の天ぷらと定番おかずのうどん弁当」に近い構成を店舗で注文すると、390円では食べられない。ほかの弁当も同様で、定番のおかず2品もつくので、コストパフォーマンが明らかに高い。
今後は季節ごとにメニューを入れ替えたりバリエーションを増やしたりするほか、定番のおかずや天ぷらを入れ替えたりすることなども含めて「丸亀うどん弁当」を長く愛される商品に育てていきたいとのこと。変わり続けることで買い続けてもらう動機につなげたい考えだ。これから先、「丸亀うどん弁当」がどのように変わっていくのかを楽しみにしたいものである。
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取材・文/大沢祐司 撮影/田口陽介