世界中を旅し、その土地に根付く伝統サウナを体験しているサウナーのLicoさんが、訪れた中からベストサウナを紹介!海外旅行気分で、誌上トリップをお楽しみください。
※こちらの記事は小学館から絶賛発売中のサウナムック「Saunner+」から一部抜粋して掲載しています。ぜひ合わせてご覧ください。
サウナと現地の文化を同時に味わう幸せ
薬草の蒸気を浴びる薬草サウナ。その魅力をLicoさんに伺った。
「まず、とても気持ちがいい。そして、その国の文化を体感できます。例えば、ラオスはレモングラス、タイはミントが中心ですが、薬草の香りを通じて、そこの土地に受け継がれてきた歴史や人々の思いを五感で味わうのです」
今まで巡った10か国、50施設、誰もが優しかったという。
「サウナは国籍、言語、宗教、ジェンダーを超え、自分を解放する場だからだと思います。皆が平等で幸せになる。体験するとハマりますよ。ローカルな施設の中には潔癖な人には厳しいところもありますが、〝まあ、いいか〟とやってみると、意外といけるもの。常識やリミッターを外してくれるのもサウナの魅力です」
薬草サウナトラベラー Licoさん
18年1月に静岡県「サウナしきじ」で薬草サウナに開眼。以来、日本国内外のサウナ施設を200か所近く巡礼。Twitter:@SaunaLico や公式サイト『SAUNA de SAUNA』で情報発信。
【タイ】ワット・カンチョンシリ寺院
[料金]約200円 [秘境度]★★★★
バンコクの寺院内にあるサウナ。40種類のハーブが入った窯を薪で焚き、その蒸気をサウナ室で浴びる
「最寄駅から乗り合いバスに乗って行く寺院の本殿の奧にあります。蒸気のサウナはミントの香りが中心です。サウナ後に、バケツの水をかけ、ハーブティーを飲みながら休憩。休憩スペースは、タイの音楽が流れていて癒やされます。薬草の香りに包まれて、風にあたる至福! 常連客との交流もできました。貴重品を入れる鍵付きロッカーはなく棚のみです」(19年訪問)
【1】入り口には薪が置かれている。奥が受付で料金を払い、着替えとタオルを受け取る。ここから男女がわかれる。【2】中で薪がパチパチと燃えているサウナ窯。上部にある筒で蒸気をサウナに送る。【3】休憩所では温かいハーブティーが飲み放題。【4】9人程度が座れるサウナ室はミントの香りに満たされている。【5】サウナの後の水浴びはトイレで。
【ラオス】Phonphaeng Sauna
[料金]約200円 [秘境度]★★★★★
世界遺産の街にあるレモングラスに包まれるサウナ。甘茶を飲みながら平和に楽しむ
「街の中心部から徒歩30分のところにあるサウナで、レンタルサイクルで行きました。現地の人のみのローカルな施設で、みんなフレンドリー。フロントで料金を払うとタオルと着替えをくれます。スチームが充満するサウナは最高! 〝サウナ、外気浴、薬草茶を飲む〟を繰り返し、休憩所でラオスの懐メロを聞きつつまったり。現地の人は薬草ペーストを塗り、サウナに入っていました」(18年訪問)
【1】サウナ室の扉を開けると、5~6人は座れるスペースにスチームが充満。暗く壁をつたって前に進む。香りはレモングラスが中心。鼻で息をすると痛くなるくらいの濃厚なスチーム感。サウナ室の床下では豚が飼育されている。【2】この入り口から細い通路を歩いてサウナに行く。【3】休憩ベッドの下に炭がくべられ温かい。【4】水浴び所。【5】フロント。
サウナは雨季の冷え対策や産後養生が目的。薬草や薬木を使用。
【インドネシア】ボレ・ピジャット サロン&サウナ
[料金]約1400円 [秘境度]★★★★★
生ハーブのペーストを塗り、薬草スチームサウナに入る至福の体験
「ウブドにあるローカルスパ。60分の全身マッサージと薬草サウナを堪能。鍋の中で生ハーブやスパイスを入れて焚き、蒸気をチューブでサウナ室に送り込む。シンプルだからハーブの香りが強烈。レモングラスや生姜の香りが強めで、発汗作用がすごい! 最高に気持ちいい体験ができました」(19年訪問)
【1】マッサージを受けてからサウナに入る。【2】ターメリック、生姜、薬草をすりつぶした伝統の「あ」を体に塗る【3】サウナ室内は男女共用。ハーブの香りの蒸気が充満。