仕事で使えるサブスクがシェアリングエコノミーを加速
毎月決まった金額を支払えば、好きなだけサービスを利用できるサブスクリプションサービス。短期間で急成長を続け、今年には1.3兆円規模に到達するという。音楽や動画配信サービスをきっかけにポピュラーになったが、今では家電から自動車、腕時計、食品、美容まで定額で利用できるように。〝生活をサポート〟してくれる様々な分野に広がったサブスクだが、コロナ禍でさらなる深化を遂げた。多くの人がテレワークや在宅勤務を余儀なくされた中で、仕事をしやすい環境を整えたいという需要に応えたのだ。
集客に窮したホテルは割安でワーケーションを実現できる長期宿泊プランを、大手のコワーキングスペースは多拠点を格安で使えるプランを発売。家具のサブスクはオフィスチェアのラインアップを拡充、法人限定だったリース会社が個人にもPCやプリンターの貸し出しを開始するなど〝仕事に使える〟サブスクが急増したのだ。
日本サブスクリプションビジネス振興会の杉山拓也さんは以前、本誌の取材で、「シェアリングエコノミーブームを機に〝買う消費〟から〝好きな時に好きなだけ利用する消費〟へとライフスタイルは少しずつ変化した」と話したが、くしくも、不安定な経済状況が結果として、初期費用が抑えられ、試して合わないなら変更できるサブスクが、シェアリングエコノミーを加速させているともいえる。
ただエンタメ向けと異なり、〝仕事用〟のサブスクだけに、ユーザーの目はより厳しい。今回、数ある中から各界の識者に本当に使えるものを選んでもらった。制限された仕事環境を快適にするには、使わない手はない!
出典:ICT総研「2020年サブスクリプション市場動向調査」
取材・文/編集部