スマホを利用する上で欠かせない、SIMカード。契約者情報などが書き込まれている重要なこのカードは、機種によって対応しているSIMが異なっている。最近注目を集めているのが、スマホ本体に一体型となっているeSIMだ。SIMカードの破損や紛失の心配がない上に、SIMの差し替え作業も必要ない。本記事では、eSIMの仕組みを紹介した上で、楽天モバイルでeSIMを利用する手順を解説する。
楽天モバイルはeSIMに対応している
結論を先に言えば、楽天モバイルはeSIMにも対応している。ただし、対応機種は限定されているため、eSIMを利用したい場合には事前の確認が必須だ。
そもそもeSIMとは?
今までは、付属のピンを使い本体のスロットを開け、事前に用意しておいた端末に合うサイズのSIMカード(物理SIM)を差し込むのが一般的だった。それに対しeSIM(イーシム)は、カードではなく、スマートフォン本体一体型のSIM。契約した情報を、後述する方法で端末に書き込むことで、すぐに利用開始できるメリットがある。従来のカードタイプSIMを完全デジタル化することで、時間や手間を大幅に省略できるようになった。
楽天モバイルのeSIMについて
楽天モバイルでは、契約内容や利用状況の確認、支払い、各種変更手続きなどは「my 楽天モバイル」から行うことができる。eSIMに関する開通手続きもmy 楽天モバイルの説明に沿って手続きするだけで完了するため、面倒なカードの抜き差しは必要ない。
また、SIMカードの手続きで時間がかる本人確認がある。
かつては申込時に本人確認書類(運転免許証など)をアップロード、もしくは受け取り時に自宅で確認し、数日後手続き完了という流れだったがeSIMならその手間もいらない。楽天モバイルではmy 楽天モバイルアプリに「AIかんたん本人確認(eKYC)」が搭載されており、それによって本人確認が即日で完了できるようになった。
注意したいのが、手続きが即日完了できるのは「my 楽天モバイル」アプリを利用した場合のみという点。Webブラウザからmy 楽天モバイルを使用する場合は、eKYCを使用できないため、eSIMをダウンロードするまでに従来通り日数を要する。
対応している機種は?
2021年5月現在、楽天モバイルで販売しているeSIM販売商品は以下の通り。
【楽天モバイルで販売しているeSIM対応端末】2021年6月初旬現在
・iPhone 12 Pro Max/iPhone 12 Pro/iPhone 12 mini/iPhone SE(第2世代)
・Rakuten BIG s/Rakuten Hand/Rakuten BIG/Rakuten Mini
・OPPO A73/AQUOS sense4 lite
その他のeSIM対応製品は2021年4月現在以下の通り。
【eSIM対応端末】2021年6月初旬現在
・iPhone 11/iPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Max/iPhone XS/iPhone XS Max/iPhone XR
※iOS14.4以降を搭載し、キャリア設定のアップデートを実施すれば楽天回線のすべての機能を利用できるようになる。
・Google Pixel 4/Google Pixel 4 XL/Google Pixel 4a/Google Pixel 4a(5G)/Google Pixel 5
対応機種については随時変更となる可能性があるため、公式サイト内の「eSIM対応製品について」を随時チェックしよう。
楽天モバイルでeSIMに切り替える手順
ここからは、物理SIMカードから楽天モバイルのeSIMに変更するにはどのような手順が必要なのかを紹介したい。機種によって必要な手続きが異なるが、ここではmy楽天モバイルアプリからAIかんたん本人確認(eKYC)を利用した場合の手続きを例に紹介する。
SIMロック解除の手続きを行う
まず、eSIMを申し込む前に「使用する製品がeSIM対応機種か」を楽天モバイル公式サイトから確認する。ドコモ、au、ソフトバンクなどの携帯電話で契約していた製品は、他社のSIMカードが利用できないようにSIMロックがかけられているため、各キャリアで事前に「SIMロック解除」を行っておこう(SIMフリー端末はこの手順は不要)。
申し込み
my 楽天モバイルアプリから「契約プラン」の項目を選択し、各種手続きの中からSIMを切り替えることができる。その際「AIかんたん本人確認(eKYC)」を選択すると本人確認書類と自分の顔を指示通り撮影し、必要事項入力するだけで申し込みが完了する。MNP転入の場合は、転入手続き(予約番号の発行)を行ってから手続きをしよう。
【参考】MNPを利用して楽天モバイルに乗り換える手順と他社に転出する手順
アプリから開通する
eKYCでeSIMを申し込むと、5分程度で本人確認審査が完了する。そのままmy楽天モバイルアプリから開通可能なため、QRコードを読み込めば手順は完了。
楽天モバイルのeSIMに関する疑問
ここまで解説してきたように、利用者にとってeSIMはメリットが多い。しかし、中には「機種変更をしたらどうなるのか?」など、まだ不明点がある方もいるだろう。そこで最後に、楽天モバイルのeSIMについての疑問に回答していく。
eSIMから物理SIMカードへ戻すことはできる?
eSIMから物理SIMカードへ変更することは可能。楽天モバイルではSIMカードの交換にかかる手数料もかからない(2021年6月現在)。SIMカードの変更は、先述した通りmy 楽天モバイルから行える。物理SIMに変更する際は、端末に合った SIMサイズを選択しよう。
再発行はできる?
SIM変更と同様に、eSIMの再発行も手数料無料で手続き可能だ。変更手続きと同じ画面で再発行手続きを行うが、SIM再発行の理由を選択する際、それが紛失・盗難の場合は、新しいSIMが有効になるまで回線が一時停止される点は覚えておきたい。
機種変更したらどうなる?
eSIM対応製品から機種変更する際は、機種変更した製品のSIMが物理SIMでもeSIMでもその種類に関わらず、my 楽天モバイルからSIMの交換や再発行の手続きが必要だ。また物理SIMカード対応機種からeSIIM対応機種へ機種変更する場合は、製品を購入し、SIMカードからeSIMへの交換手続きをmy 楽天モバイルから行うことで手続きが完了する。
※データは2021年6月上旬時点のもの。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/oki