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業界や分野によって異なる「パフォーマンス」の意味と正しい使い方

2024.04.24

「このパソコンはパフォーマンスが良い」「彼の行動はパフォーマンスに過ぎない」「今日はなんだかパフォーマンスが発揮できないな」など、日本語でもすっかりと定着してきたパフォーマンスという言葉。この言葉は、その時々のシーンや前後の文脈によりニュアンスが異なるため、それぞれの意味を理解しておかないと話が噛み合わないこともある。

そこで本記事では、パフォーマンスの意味を語源からわかりやすく解説したい。元の意味を理解しておけば、間違った使い方をして恥をかくこともないはず。ぜひこの機会に正しい意味を理解しておこう。

そもそもパフォーマンスとはどんな意味?

パソコンとグラフ

スポーツやエンターテインメントの場で使われる機会の多い「パフォーマンス」という言葉は、近年ビジネス用語としても定着してきた。では、そもそもパフォーマンスとはどのような意味の言葉なのだろうか。その由来から見ていこう。

英語の「performance」が由来

日本語のパフォーマンスは、英語の「performance」に由来する。語源は「per(徹底的に)+form(形)+ance(もの、こと)」が組み合わさったもので「徹底的に形にすること」を表現する言葉だ。英語では、「上演、演奏、出来栄え、成績、(機械の)性能」といった意味で使われる。

日本語でも同様に、「1)演劇や音楽などを『上演すること』またはその『演技』」「2)人目を引くためにする行為そのもの」「3)性能、機能、効率」と、英語とほぼ同じような意味で使われる。

ビジネスシーンなどで使われるパフォーマンスは「性能、成果、価値のこと」

ビジネスシーンにおいて、決められた時間の中で最大限の成果を上げることは重要な要素の一つ。この最大限の成果が挙げられたかどうかを「パフォーマンスが発揮できた」「仕事のパフォーマンスが落ちた」と表現することも多い。

会社内や仕事中に使われるパフォーマンス

ビジネスにおいては、個人やチーム、または組織全体の業績や成果を指すことが多い。例えば「営業パフォーマンス」は営業成績を、「チームのパフォーマンス」はチーム全体の業績を指す。高いパフォーマンスを持つ人は、同じ時間やリソースでも他の人よりも高い成果を出すことができる。また、特定のスキルや知識をどれだけ効果的に使えるかを示す場合もある。例えば「プレゼンテーションのパフォーマンス」はプレゼンテーション能力を指す。

またマーケティングにおいては、「他社製品と比べ、自社製品がどのような性能・価値を持っており、それを顧客にどのように伝えるのか検討する」という意味もあり、販売している製品の性能や価値を指すことが多い。

IT・コンピュータ業界で使われるパフォーマンス

ITの分野ではコンピューターやネットワークシステム、または商品がどの程度性能なのか、そしてどれくらい成果を発揮するのかを指す言葉として使われている。身近な例でいうと、CPUやメモリなど、処理の速さや作業の効率性を表現するのに用いられるのが一般的だ。

投資・経済界で使われるパフォーマンス

投資や経済の文脈でパフォーマンスは、投資家や投資ファンドの投資成果を指す。例えば、「ポートフォリオのパフォーマンス」はその投資ポートフォリオのリターン(利益)を示す。また、特定の市場や経済全体の動向や、企業の財務状況や業績を示す場合もある。例えば、「株式市場のパフォーマンス」はその市場の全体的な動きやトレンド、「企業のパフォーマンス」はその企業の売上、利益、株価などを指す。

スポーツ界で使われるパフォーマンス

スポーツ界での「パフォーマンス」は、選手の技術、体力、戦略などを総合的に評価した結果を指す。高いパフォーマンスは、試合での成功を意味し、パフォーマンスの向上は、練習や栄養、休息などにより達成される。したがって、パフォーマンスは、選手の能力と努力の結果を示す重要な指標だ。

パフォーマンスの関連語

正しい意味を理解したところで、次に「パフォーマンス」に関連する言葉、またその類義語について見ていこう。特にコストパフォーマンスやベストパフォーマンスなど、形容的な言葉と組み合わせて用いられる場合の使い分けに注目してほしい。

コストパフォーマンス

日本語で表現すると「費用対効果」とも表現される、コストパフォーマンス。あるものが持つコスト(費用)とパフォーマンス(性能)を対比させた度合いを表す言葉だ。コスパやCPと略されることも多く、昨今では「あのお店はコスパが良い」「この製品はコスパ最高!」など、あらゆるシーンで使われている。

ベストパフォーマンス 

パフォーマンス(性能・成果)の中でも「最良のもの」を指して使うのが、ベストパフォーマンスという言葉。英語でも「best performancence」と用いられるこの言葉は、日本よりも英語圏でのビジネスシーンで使われることが多い。「今度のプロジェクトを成功させるために、各自ベストパフォーマンスで臨もう」など、最高の状態で物事に取り組むときに使ってみよう。

類義語とそれぞれのニュアンスの違い

パフォーマンスの類義語をチェック

最後に、パフォーマンスと意味が違い類義語と、それぞれ微妙に異なるニュアンスについて紹介する。シーンごとに最適な言葉選びをしてほしい。

ショー(英語:show)

音楽や舞踊を中心とした視覚的要素の強い芸能を指し、「ミュージカルショー」や「トークショー」のように使われる。パフォーマンス自体にも「演じること」という意味を持っているが、比較すると「ショーの場で行われること」をパフォーマンス(演奏や舞踊)と表現するのが一般的だ。

大言壮語

日本では、実力以上に大きなことを言うことを「大言壮語」という。政治家や表に立つ人に対して使われることが多く、「あの発言はパフォーマンスに過ぎない」というように用いられる。これは「パフォーマンス」という言葉が持つ、「性能」や「演技」という意味ではなく、「人目をひく行為」の部分を指して使われている表現だ。

どちらも使う場面を間違えると、自分が恥をかいたり相手に不快な思いをさせてしまったりすることもあるため、しっかりと意味を使い分けて使用してほしい。

文/oki

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