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マルハニチロ、マルコメ、明治、食品メーカー各社に「30年後の常識」を聞いてみた

2021.04.25

『DIME』は創刊35周年を迎えます。DIMEが歩んできたこの35年で我々消費者を取り巻く環境、生活、製品、サービスは想像を超える変化を遂げました。そこで、発売中のDIME6月号では、この先の30年はどうなるのか、企業はどんなビジョンを描きビジネスを進めているかという質問を各業界をリードする企業の広報部に直撃取材! 

誌面ではスペースの都合ですべてご紹介できませんでしたが、@DIMEではすべての回答をご紹介します。

取材にご協力いただいた各社の広報担当の皆様、誠にありがとうございました!

TOPIC6 食品の未来

人口増加に伴うタンパク質への需要拡大、資源の不足に伴い、いかに環境負荷の小さな食品を効率的に生産し、食の楽しみを提供するかという課題がある。私たちの食を取り巻く環境も今後大きな変化が予想される。

今回は大手食品メーカー5社に取材を依頼。回答をいただいた3社を紹介する。

マルハニチロ
マルコメ
明治


Q1:御社の商品の中でこの30年で一番ヒットした商品もしくは新しいトレンドを作った商品は何だと思いまか? それは将来、どのような進化を遂げていると思われますか?

マルコメ

2009年に業界に先駆けて発売した液状タイプの味噌「液みそ」シリーズがヒットしました。

<関連リリース>
https://www.marukome.co.jp/news/release/detail/20200623/

固形のタイプと異なり、液状ならではの使いやすさは将来的に海外でも受け入れていただけるのではと考えております。

マルハニチロ

①イージーオープン缶(EO缶)

プルトップにより缶切り不要で開けられる缶詰を採用し、今では缶切りが必要な缶詰を探す方が難しいくらい定着しました。正確には40年ほど前のことになりますが、30年前は移行期でした。将来的には、利便性・簡便性がさらに追及され、食後洗浄しやすい(すでに缶の内側コーティングされている)、かさばらない(角缶のように重ねられる)、器代わりになる(例えば当社のWILDishシリーズ)など進化すると考えます。

②「横浜あんかけラーメン」

初の具材付きの冷凍ラーメンとして1998年に発売されました。それまで「冷凍うどん」「具なしラーメン」しかなった冷凍麺市場に「具材付き冷凍ラーメン」ジャンルを定着させ、カップラーメン以外にも簡便調理のラーメンを生み出しました。その後毎年改良を重ね、時代に合った味付け、具材を追求しています。冷凍技術は医療にも応用されるほど技術が向上しました。今後も食品業界で様々な食品に応用されるでしょう。

明治

プロバイオティクスヨーグルトはトレンドになったと考えています。当社は、2000 年に明治プロビオヨーグルト LG21」を発売し、今年で発売 21 年目となっています。現在は「明治プロビオヨーグルト R-1」、「明治プロビオヨーグルト PA-3」、「明治スキンケアヨーグルト素肌のミカタ」を加えた 4 ブランドを展開しております。引き続き「乳酸菌」の可能性を追求し、新たな健康価値を提供していきたいと考えています。

Q2:美味しいものが簡単にできる便利な食品が数多く登場していますが、今後30年くらい先を考えた時、どのような食品が登場すると思いますか?

マルコメ

ミールキットやレンジアップ商品等の割合はさらに高まるのではないでしょうか。

マルハニチロ

少量・多品種製造の技術が進み、オンラインで注文した商品が工場直送で宅配され、出来立てが味わえたり、パーソナルミールキットサービスのような個人のニーズに合った食事が届くようになる日も遠くないと感じます。

クリーンミートのような、天然資源を使わずに生産することができる食品が多く出てくると思われますが、テクノロジーが進化しても食べる楽しみ、味わう楽しみ、おいしさを共有する楽しみ、悦びをお届けする企業でありたいと思います。

明治

日本国内では少子高齢化が進行しており、シニアの健康寿命の延伸や、⾃律的な生活の維持、フレイルの予防、などが社会課題となってきています。今後は、こうした健康課題の解決に役立つ食品が必要性を増してくると考えます。当社は、長年培ってきた乳酸菌やカカオなど素材の持つ力に注目し、機能強化を図った商品開発を目指しています。

Q3:フェイクミートのようにかつては考えられなかった食品が登場するようになりましたが、将来有望な新しい食品ジャンルは何でしょうか?

マルコメ

環境負荷の少ない代替食は有望なジャンルだと思われます。

マルハニチロ

昆虫食や海藻のような未利用資源を応用した食品や、土地をあまり必要としない食糧生産が発達すると予想します。一方、「食」を「栄養摂取の手段」と考え、完全栄養食や代替プロテインなどのような一食分の栄養素が簡単に摂取できる食品も数多く出てくると予想されますが、創業140年を通して商品とともにおいしさと健康をお届けしてきた当社としては、これからも食を通じて、国や文化を超え、しあわせな時間をお届したいと思います。

明治

社会的にサステナビリティの考えが認知拡大している中で、環境負荷が小さい方法で生産された原料を使用した食品や、食べることで生産地の活性化につながる食品など、サステナブルな食品が今後ますます注目されると考えています。

Q4:テクノロジーの進化は食品業界、御社のビジネスにどんな影響を与えますか?

マルハニチロ

食品業界全体においては、植物性タンパクの拡大を中心に、より環境負荷の小さな食品へのシフトが進む中で、ゲノム解析・編集等の進歩により安全性が高く、かつ生産効率の良いタンパク源の開発・生産が進むことが考えられます。

水産物の養殖業においては、種苗生産、育種、魚病対策等の水産養殖の肝となる分野において科学技術に基づく高度な養殖技術が確立し、天然の水産資源の供給が頭打ちとなる中で、魚由来の良質なタンパク源のサステナブルな供給体制への移行が進むことが考えられます。

食品製造業においては、多人数がラインで作業する食品製造が減るとともに食品事故の低下につながります。また、個人の受注生産に対応できるようになれば、食品ロスの削減にもつながると期待できます。

明治

テクノロジーの進化により、消費者のニーズが多様化すると考えています。例えば、流通では E コマースや無人決済が広がるなど、消費者と商品との接点が変化することが予想されます。こうした変化と共に、消費者の価値観やライフスタイルが多様化し、それに合わせて商品やコミュニケーションも変化が必要になると考えられます。新しい消費構造は、当社にとってチャンスでもあり、環境の変化に柔軟に対応していきたいと考えています。

Q5:今後とくに開発に注力していきたいものはどのような食品でしょうか?

マルハニチロ

介護される方、介護する方どちらにとっても「食べる楽しみ」を感じることができるような介護食の開発に力を入れていきたいです。今後ますます超高齢社会が進むことが予想される中、未病対策として魚食普及に力を入れるとともに、病院施設だけでなく自宅での食事を楽しんでいただけるよう、栄養面、味だけでなく見た目、食感、メニューとしての提案などを進めていきたいと考えています。

明治

当社は、食と健康のプロフェッショナルとして事業を通じた社会課題の解決に貢献し、人々が健康で安心して暮らせる「持続可能な社会の実現」を目指しています。例えば、当社はこれまでも、メイジカカオサポートという現地カカオ農家への支援活動を通して生産したカカオ豆を使用した「ザチョコレート」を開発するなど、当社独⾃の取り組みを通して、「持続可能な社会の実現」への貢献に取り組んできました。これからもこうしたサステナビリティの視点や乳酸菌などの素材の力を生かした独⾃の取り組みを通して、地球環境や人々の健康に貢献できる商品を開発、提供してまいります。

Q6:いま注目している栄養素や菌類は何ですか? 今後、それを使いどのような商品をつくっていきたいとお考えですか?

マルハニチロ

タンパク質です。当社は第二次世界大戦の終戦後わずか8日目に、一日も早く日本国民へ食料を届けるという使命のもと、船舶を造船する決定を下し、世界中の鮮魚、またそれを加工した魚肉ソーセージや缶詰を通して良質なたんぱく源を消費者にお届してきました。海とともに歩んできた当社は、完全養殖クロマグロの量産を民間企業として初めて成功させましたが、天然資源が頭打ちとなる中、より効率的に、より多くの魚種で持続可能な養殖を進めることで、これからも世界中に「生きる活力」をお届けします。

明治

たんぱく質を強化した食品に注力していきます。現代のたんぱく質摂取量は 1950 年代と同水準にまで低下しています。当社は乳たんぱくを含む「TANPACT」で、たんぱく質摂取量の低下が一因と考えられる「低栄養」といった社会的な問題の解決に貢献することを目指しています。

Q7:家族構成の変化、ライフスタイルの変化、コロナ禍など、この30年で食卓をとりまく環境も変化したと思います。今後の食生活や食卓はどうなっていくと考えていますか?

マルコメ

あらゆる観点でエシカルな食生活が進展していくと思われます。

マルハニチロ

環境との調和が最大の課題となる中、環境負荷が小さく、サステナブルな完全栄養食を手軽に摂取し、短時間で食事を済ませるといった食の簡素化・効率化が益々進む一方で、世界各地で高齢化・世帯人数の減少等に伴う孤食の拡大といった社会問題が大きな課題として顕在化しつつあります。こうした社会課題の解決の一つの策としての食の有り方が改めて見直され、調理を楽しむ、コミュニケーションやエンターテーメントといった人々のウェルビーイングを大きくする存在としての「食」ニーズが今後益々高まっていくものと考えます。

明治

日本国内は、進行している少子高齢化に加えて、昨年のコロナ禍を経験することで、人々の「健康志向」は強くなってきており、食においても健康との関係が近くなってきていると考えられます。このような環境下において、当社は強みである「乳酸菌」や「カカオ」などの健康価値を生かした商品の展開を通じて、人々の健康に貢献していきたいと考えています。

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文/DIME編集部

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