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日頃は言えない感謝の気持ちを伝える機会でもある『母の日』は、どのようにして始まったのでしょうか?由来とともに、カーネーションを贈る理由も紹介します。花言葉や避けた方がよいとされる色についても触れるので、母の日をより深く知りましょう。
母の日の由来とは?
毎年、母の日には日頃の感謝の気持ちを込めて花やギフトを贈っていても、母の日がどのように始まったのか知らない人もいるのではないでしょうか?そこで、母の日の由来や発祥について解説します。
日本での始まり
日本で母の日を祝うようになったのは、明治時代後期とされています。大正時代にキリスト教会や日曜学校などで祝うようになり、徐々に広がっていきました。
全国的に認知されるようになったのは、お菓子メーカーの森永製菓が『森永母の日大会』と大々的なキャンペーンを行ったことがきっかけと言われています。
現在のように母の日が5月の第2日曜日になったのは1947年で、それまでは3月6日でした。31年に『大日本連合婦人会』が設立されたことを機に、当時の皇后の誕生日である3月6日が母の日とされたためです。
現在の母の日はアメリカ発祥
母の日のルーツは、アメリカにあります。ウエストバージニア州出身のアンナ・ジャービスが、1908年に亡き母をしのんで教会で追悼式を行ったことが由来とされています。
式では、参列者に亡き母が好きだった白いカーネーションが配られたそうです。それが、カーネーションを贈る風習につながっています。
母のアン・ジャービスは社会活動家で、公衆衛生の向上などによって乳児死亡率を低減させる活動をしたり、南北戦争中は敵味方に関係なく負傷兵を看護したりしていました。アンの功績や母に感謝する会への働きかけが共感を呼び、徐々に広まっていったのです。
14年に当時の大統領が5月の第2日曜日を母の日にすると正式に宣言したことで、全米に広まっていきました。
母に感謝する日は以前から存在
イギリスでは、『イースター(復活祭)』の3週間前の日曜日が母の日です。『マザーリング・サンデー』と呼ばれており、17世紀から続く祭事の一つになります。
もともとは貴族などの家庭に奉公に出ていた子どもたちが、手土産として奉公先でもらったケーキやラッパ水仙を持って里帰りしたことが由来です。里帰りした子どもと一緒に親子で教会に出向いたことから、『マザーチャーチ』とも呼ばれています。
現在も母の日には、ドライフルーツをふんだんに使った『シムネルケーキ』やラッパ水仙を贈る風習が残っています。
カーネーションを贈るのはなぜ?
母の日の定番の花といえば、カーネーションです。カーネーションを贈ることには、どのような意味があるのでしょうか?
カーネーションは母子の象徴
地中海沿岸が原産地とされるカーネーションは、『神の花』という意味があります。古代ヨーロッパでは、神にささげる王冠に使われていました。
また、カーネーションは『母子』を象徴する花でもあります。十字架に架けられたキリストを見送ったときに、聖母マリアが落とした涙からカーネーションが咲いたという逸話が聖書に伝えられています。この話が基となり、母性や母性愛を象徴する花と言われるようになったのです。
アンナ・ジャービスが母の追悼式で白いカーネーションを配ったことで、定番の花として定着しました。
白と赤のカーネーションの意味
キリスト教では、白いカーネーションは十字架に架けられる前のキリストと聖母マリアで、赤いカーネーションはキリストの赤い血を表しているとされています。アンナ・ジャービスが白いカーネーションを配ったのは、単に母が好きだった花というだけでなく、色の意味を知っていたのかもしれません。
このような背景から、健在の母には赤、他界している母には白いカーネーションと区別されるようになったのです。しかし、区別することで傷つく人がいる場合や花言葉の意味から、赤いカーネーションを贈るのが定番になりました。
カーネーションの花言葉
近年はさまざまな色のカーネーションがあり、好きな色を贈る風潮がありますが、母のイメージに合う花言葉のものを選ぶのもよいのではないでしょうか?色と花言葉だけでなく、避けた方がよい色についても紹介します。
母の日にふさわしい色と花言葉
定番の赤は、花言葉が『母への愛』や『愛を信じる』なので、母の日にぴったりの色です。感謝の気持ちを伝えるなら、『感謝』『温かい心』といった花言葉のピンクを選びましょう。『純粋な愛』が花言葉であるオレンジも気持ちが伝わるおすすめの色です。
義母へ贈るなら、『気品』や『誇り』という花言葉がある紫も喜ばれるでしょう。珍しい色でサプライズしたい人は、青がおすすめです。花言葉も『永遠の幸福』で、母の日に適しています。
避けた方がよい色も
白いカーネーションはポジティブな花言葉もありますが、もともと他界した母へ贈る花であり、また葬儀の際に使われる花色でもあるので、避けた方がよい色です。
定番色の赤も、色味によっては不適切になります。濃い深みのある赤は、『心の哀しみ』や『欲望』という花言葉があるためです。
明るいイメージの黄色ですが、『軽蔑』や『嫉妬』などネガティブな意味があるので避けた方が無難でしょう。
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構成/編集部