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置き方を変えるとどうなる?マットレスのローテーション効果を検証してみた

2021.04.14

「西川AiR Si」。

 枕を取り替えたら首・肩周りの痛みが消えた、という記事を2月に書いた。以降、快適就寝・起床の日々を送っていた。だが喜びも束の間、3月中旬頃から朝起きると腰が痛い、1日中腰が痛いという日々が続く。毎日のロシアン・ツイスト他のストレッチ、週に1度の10kmジョギングには支障なく、ましてや生活が不自由というほどではない。痛みもズキズキと常に痛むのではなく、ギックリ腰をやった方にはわかると思うが、ギックリ腰痛のピークは過ぎて日常生活はできるようになったがまだ腰が痛い、そんな程度の痛みだ。

 この腰の痛みには経験があり、2018年7月に記事にした。その頃に感じていた腰の痛みは、ベッドマットレスの上に敷いたマットレスの寿命が原因で、新規購入した「西川AiR Si」に換えるやたちまち治った。購入にあたりあれこれ調べて、マットレスの寿命は7〜8年と承知していたので、今回の腰の痛みの原因がマットレスとは思えない。なにせ、買ってからまだ3年も経っていない。ちなみに僕の体重は64kg、極度にマットレスに負荷をかけることはない。

 原因を探るべく、“起床 腰痛”でネット検索してみた。たくさんの情報があったが、なるほどと思ったのは“寝返りの少なさが原因”という指摘だ。2月に記事にした枕も、寝返りのしやすさを謳っている。マットレスでも、寝返りのしやすさは重要なファクターのはずだ。となると、やはり僕のマットレスがへたってしまい、寝返りしにくくなったということなのか?

メーカーの注意書き。

 一昨年7月まで使っていたマットレス、いつの頃からかは記憶にないが、腰のあたりの反発力が弱いと思うようになった。左右や上下の端の方が、中央より明らかに固かった。ここ数週間、今のマットレスにも同様の思いがある。メーカーの注意書きに従い、月に2回くらいは“立てかけて風通しを良くし、湿気分を拡散させる”ようにはしてきたが、もっと頻繁にすべきだったか? いや、この“敷きっぱなしに注意!”はカビ対策で、反発力低下とは無関係のように読み取れる。

 ネット情報をさらに探すと、マットレスの“ローテーション”を推奨する記事があった。腰回りの重みが同じところに集中しないように、上下表裏を3ヶ月で交替させるといいという。上下表裏を変えたところで、マットレスに接する腰回りの位置がさほど変わるとは思えないが、一理はあるような気はする。そこで現状と最も異なるよう、上下、表裏、ともに反対にしてみた。

現状(パターンA)。

現状とは、上下、表裏を反対に(パターンB)。

 すると驚きの効果覿面、腰回りの反発力が十分にある。新品時のようで、同じマットレスとは思えない。ただし、それでも腰の痛みが出るなら意味がない。その翌日は少し痛みがやわらいだ気がしたが、思い込みか? だがそのわずか4日後に、痛みが消えた。“ローテーション”効果、絶大だ。

 そこで気づいた。マットレスの上下表裏を変えれば、4通りの敷き方となる。僕はそのうちのパターンAだけで2年9ヶ月を過ごしてしまい、パターンAの寿命を使い果たしてしまったのではないだろうか。パターンAのまま使い続けて、2年半強は問題なかった。よってパターンA、B、C、Dと3ヶ月交替で回せば、1パターンあたり少なくても2年(3ヶ月を8回)はもつと推測できる。4パターンで合計寿命は8年となり、巷間のマットレス寿命と辻褄が合う。ただし僕はパターンAを“酷使”したので、“ローテーション”してもB、C、Dの寿命は2年もないと思われる。

凹凸面が上の表側。

裏側。

 この“失敗”をもとに“ローテーション”がテーマの記事を書こうと思い、改めてメーカーの注意書きを取り出した。前述の湿気対策は書かれているが、“ローテーション”への言及はない。だが“正しい使い方”として、“凹凸部分を上にしてお使い下さい”とある。上下表裏を反対にしたパターンBは効果抜群だったが、凹凸部分が下になるのでメーカー的には“正しくない”。パターンBを続けるとさらに寿命を縮めるのではと、裏表を表裏に戻し、上下だけを反対にした。これをパターンCとしよう。わかりやすいことに、腰回りの反発力はB>C>Aだった。B>Cでも、腰が痛くならなければパターンCでいいのだが果たして?

 パターンC、まったく問題なし。快適就寝・起床の日々が戻った。ただし悩ましいのが、次の“ローテーション”時期だ。パターンAのように2年9ヶ月使い続けるのは論外かつさらなる劣化は必然として、ネット記事が勧める3ヶ月後にパターンAに戻したとしよう。パターンAの反発力が復活して腰が痛くならなければ万々歳だが、痛ければパターンCを続けるしかない。やがてパターンCでも痛いとなれば、“正しくない”パターンB、そしてパターンDを発動するしかない。食品や薬ではないので、“正しくなくても”腰が痛くならないなら、体に悪いということはないだろう。

 購入時から3ヶ月ごとに上下反対“ローテーション”していたら本来の寿命まで使えたはずだが、もはや期待できまい。しかし、教訓は得た。上下表裏を反対にしたパターンBの、2年9ヶ月後にして新品時のような反発力を鑑みると、表裏が同形状、よって表裏反対もありの4パターン“ローテーション”可能マットレスの方が、表裏があるマットレスよりも寿命が長いのではないだろうか。次の購入時は、その点も検討事項に入れるつもりだ。

文/斎藤好一(元DIME編集長)

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