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マーケティング用語として使われる「ブランド・エクイティ」とはどんな意味?

2021.04.06

ブランドの価値を資産と捉える「ブランド・エクイティ」。差別化や競争力の向上に効果があることから、近年「ブランドエクイティ戦略」に注力する企業が増えている。

そこで本記事では、ブランド・エクイティの定義や構成要素についてわかりやすく解説する。大企業の戦略立案に限らず、さまざまな場面に応用可能な理論なので、ぜひチェックしてほしい。

ブランド・エクイティとは何?

ブランド・エクイティとは、あるブランドが持つ「無形的な資産価値」のこと。ブランド自体を資産として評価し、その向上のためにマネジメントを行う理論だ。

無形資産を評価対象にする概念

「ブランド・エクイティ:Brand Equity」は、カリフォルニア大学バークレー校の研究者であった「デイビッド・アーカー」によって提唱された概念。同氏はブランド・エクイティを、ブランド名やシンボルと結びついたブランド資産の集合で、製品やサービスの価値を増大させるものと定義する。これは、無形的で目に見えない’’ブランド’’を不動産や有価証券などと同様に、企業が保有する資産として評価するということだ。ブランド・エクイティ確立の成功例としては、無印良品やスターバックスなどが挙げられる。

ブランド・エクイティは、構成要素の異なる「アーカーモデル」と「ケラーモデル」の2つのモデルに分類されるが、ブランドを資産価値と捉える点ではどちらも共通している。

ブランド・エクイティのアーカーモデル構成要素

アーカーモデルは、カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールの名誉教授「ディビッド・アレン・アーカー」が考案したモデル。ブランドに対する評価を5つの要素で検討する。

1.ブランドロイヤルティ(Brand Loyalty)

「ブランドロイヤルティ」は、消費者のブランドに対する愛着心や忠誠心のことで、アーカーモデルにおいてもっとも重要なステップとされる。ブランドロイヤルティを向上させることで、購入や利用の継続性の割合を高めることができるため、リピーター獲得には必須の要素。愛着度を数値化する「顧客推奨度調査」を実施する企業が多い。

2.ブランド認知(Brand Awareness)

「ブランド認知」とは、そのブランドが’’どの程度周知されているか’’ということ。ブランド名だけでなく歴史やストーリーも認知の対象であり、これらが多くの人に知られているほど、ブランドの資産価値が高くなる。ブランド力の向上には’’ストーリー性’’に着目し、深い認知を獲得することがポイント。

3.知覚品質(Perceived Quality)

「知覚認知」は、消費者が認識するブランドの品質とそれに対する評価。製品のスペックや性質だけでなく、雰囲気や信頼感といった消費者の主観的な要素もこれに含まれる。そのため、知覚品質の向上にはブランドや製品の価値を根拠付けて伝えることが重要。

4.ブランド連想(Brand Associations)

顧客がブランド名を聞いたときに連想できるあらゆるものを「ブランド連想」という。具体的には、消費者がブランド名や商品名を聞いて思い浮かぶ色やパッケージ、価格などがこれに当たる。ブランド連想によって資産価値を高めるには、実際に商品を利用してもらうことはもちろん、広告や口コミなどを用いてイメージを定着させる方法も効果的。

5.その他のブランド資産(Brand Assets)

「その他のブランド資産」の代表的な例としては、特許や商標権などの知的財産権が挙げられる。実際、ブランド名やロゴなどが盗用される事例は多く、最悪の場合オリジナル企業がブランド名やロゴを使用できなくなるケースも起こり得る。そのような事態を避けるため、’’ブランドを守る’’こともブランド・エクイティを構成する要素と言われている。

ブランド・エクイティのケラーモデル構成要素

ケラーモデルとは、ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスの教授「ケビン・レーン・ケラー」が提唱したモデル。ブランドマネジメントのプロセスを、ピラミッド型で表現するモデルで、顧客の視点をより重視した要素で構成される。

レベル1:ブランドの認知(Brand Identity)

まずはアーカーモデルと同様、ブランドの認知活動を行う。ケラーモデルのピラミッドを支える、強固で広範な認知の獲得が必要。

レベル2:ブランドの意味づけ(Brand Meaning)

「ブランドの意味付け」とは、ブランドに対する理解のこと。具体的には、’’特徴や価値の理解’’と’’印象とイメージ’’の2つの要素に分類して検討されることが多い。商品の特性やブランドのイメージが、予想通り顧客に伝わっているかを確認する。

レベル3:ブランドに対する反応(Brand Response)

「ブランドに対する反応」は、品質や性能などに対する「理性評価」と、楽しさや興奮などの「感性評価」に分けられる。それぞれの評価項目を分析し、ブランドの理念と整合する結果を獲得することが重要。

レベル4:ブランドに対する共感や同調(Resonance)

もっとも高いレベルとされているのが「Resonance=共感・共鳴・同調」、つまりブランドに対してロイヤルティを持っている状態。企業と顧客の関係が強く結ばれており、顧客による他者推奨が多くなる。

文/oki

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