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経営の世界で使われる手法「バランススコアカード」とはどんな意味?

2021.04.13

多角的な指標で企業の業績評価を行う手法、「バランススコアカード」。一部では‘’古い手法‘’と言われることもあるが、まだまだ多くの企業で活用されている主要なフレームワークの一つだ。

本記事では、バランススコアカードの意味や構成要素をわかりやすく解説する。ぜひ、この機会に基本的な思考を理解してほしい。

バランススコアカードとは何?

バランススコアカードは、企業の戦略目標などを評価し、事業競争力の強化を図る経営手法。日本では、2000年代から大企業を中心に活用され始め、現在では中小企業や病院においても経営戦略の手法として取り入れられている。

「4つの視点」で業績評価

バランススコアカードとは、1992年にハーバード・ビジネス・スクール教授のロバート・S・キャプランと、経営コンサルタントのデビッド・P・ノートンが発表したフレームワーク。「財務」「顧客価値」「業務プロセス」「学習と成長」からなる「4つの視点」で企業の業績を評価する手法で、主に目標設定や経営状態の管理を目的として用いられる。英語表記が「Balance Score Card」であることから、頭文字を取って「BSC」と呼ばれることが多い。独立行政法人中小企業基盤整備機構の公式サイトでは、経営支援の一環としてバランススコアカードのテンプレートも公開されている。

財務

「財務」は、‘’財務的目標を達成するためにとるべき行動‘’を設定する項目。「営業利益」「純資産額」「投資収益率」などキャッシュフローを細分化し、最終目標となる「純利益」の検討を行う。

顧客価値

顧客に対する行動理念を設定するのが「顧客価値」。利潤の追求だけでなく、’’顧客にどのような価値を提供できるか’’という点に着目することで、経営の質を向上させることができる。顧客価値の検討では、企業目線で商品の価値を検討する「4P分析」と、顧客目線で価値を策定する「4C分析」を活用するケースが多い。

業務プロセス

財務的目標の達成と顧客満足度向上に向けたプロセスを構築するための指標を設定。商品を開発する「イノベーションプロセス」、生産・販売などの「オペレーションプロセス」、商品提供後の「アフターサービス」が代表的なプロセスであり、これらを最適化するための指標を検討する。

学習と成長

目標達成に向けた組織・従業員の育成指標を設定する項目が「学習と成長」。育成方法や内容、目標レベルの設定など、ビジョンから逆算した能力開発方針を策定していく。従業員の資格やスキル、成果などを把握することで具体的な項目を設定することが可能。

バランススコアカード設定の流れ

次に、バランススコアカード設定前後の大まかな流れを解説したい。バランススコアカードを用いた経営戦略の検討では、’’ロジカルシンキング’’による分析が求められる。

ミッションの設定

まずは、企業の理念や行動指針を表すミッションを設定する。ここでは会社がもっとも重視している事項を中心に、市場環境などの要因を加味することが重要だ。目標設定に向けた現状分析手法としては、自社の置かれた環境を整理する「SWOT分析」が有用。

4つの視点を決定しKGIを設定

設定したミッションを具体化するため、「財務」「顧客価値」「業務プロセス」「学習と成長」の4つの要素を設定。また、これらの各要素から最終目標を抽出する必要があり、この目標のことを「重要目標達成事項:Key Goal Indicator(KGI)」と呼ぶ。

KSFの設定

KGIの設定において重要となる要素が、KSF。KSFとは「Key Success Factor」の頭文字を取った略語で、日本語では「重要成功要因」と呼ばれる。事業を成功に導くために重要となる要素のことで、商品の特性やコスト、チャネルなどさまざまな要因から決定される。

KPIの設定

次に、「重要業績評価指標:Key Performance Indicator(KPI)」を設定する。KPIは、KGI達成に向けた中間目標を指し、施策を具体化させる機能がある。一定期間ごとにKPIを設定することで、最終目標までの道筋を鮮明にすることが可能。

スコアカードの作成

目標の実現可能性を検証するため、具体的な数値目標と「スコアカード」を作成する。先に設定したミッションと目標値をリンクさせるため、予算を反映させた検討を行うことが多い。スコアカードは、経営状況や従業員の役割を明確化する手段としても有用。

具体的なプランを策定

KPIを達成するためにはどのような行動を取るべきか、具体的な計画を策定する。論理的な検討を行った上、無理のないプランを組み立てることが重要だ。実効性の確保を図ることが、最短での目標達成を可能とする。

PDCAサイクルによる管理

「PDCAサイクル」とは、「Plan:計画」「Do:実行」「Check:評価」「Action:改善」を繰り返し行い、継続的な業務改善を促す手法。PDCAサイクルによる行動計画の管理は、無駄な施策を省略させ業務効率の向上に寄与する。

文/oki

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