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大手企業やメーカーが取得している「ISO22000」とはどんな規格?

2021.04.07

ネジの形状や写真のフィルム感度、非常口のマークなど、多くの製品について国際的な標準規格となっているISO。組織の運営や管理方法を定めたマネジメントシステムのISO規格は日本にも広く普及し、認証の取得が企業の信頼を得る一つの手段となっている。

本記事では、ISOマネジメントシステム規格の中でも特に食品に関係する企業が取得するISO22000について、その内容や取得するメリットを詳しくする。

大手企業やメーカーが取得しているISO22000とは?

ISOとは国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、公式の読み方はアイソ。日本ではイソ、アイエスオーとも言われる。簡単に言うと製品の大きさやかたち、製法に世界中で共通のルールを設定している国際組織で、品質の均一化を図って世界貿易を促進するのが主な目的の一つ。

ISO22000とは食品安全規格のこと

ISOには製品に関する規格とマネジメントシステムに関する規格があり、それぞれが個別の番号で整理されている。例えば、日本でもっとも取得企業数の多いISO9001は「品質マネジメントシステム規格」と呼ばれ、製品やサービスの品質管理のために必要な企業運営方針を定めたもの。

一方、「食品安全マネジメントシステム」のISO22000は、このISO9001と食品安全管理の手法であるHACCPの2つの要素から成り、消費者への安全な食品の提供を目的としている。ISO9001の対象がすべての製造業であるのに対して、ISO22000は第一次産業から最終消費に至るまでのフードチェーンに関係する業種が対象である点に違いがある。

ISOはマネジメントシステムとHACCPに分かれている

ISO22000を構成する要素のうち、HACCP(ハサップ)は「どのように食品の安全を守るか」に特化した衛生管理手法。食品を製造する各工程において、微生物による汚染や異物混入といったリスクを予測し、事故を適切に防げるポイントの重点的な管理、記録が求められる。一定率の製品を抜粋検査していた従来の管理方法と比べ、より効率的に事故の原因に対処できるため、消費者により安全な食品を提供可能となる。

HACCPによる効率的な衛生管理に加え、もう一つの要素である品質マネジメントシステムでより良い製品を提供するための組織づくりを定めたものがISO22000、「食品マネジメントシステム」の全体像だ。

ISO22000の主な要求事項、PDCAとは

ISO22000は、全10章の規格要求事項から構成されており、その中でもシステム構築に関する要求事項はPDCAの考え方が主体となっている。PDCAとは、「Plan・Do・Check・Action」の頭文字を取ったもので、ルールを作って実行し、きちんと守られているかを確認してより良いものに改善していくサイクルのこと。

具体的には、組織の整理や計画づくり、支援体制の構築がP、計画の実行に必要な運用方法や実際の業務手順を整えるのがD、運用開始後にプロセスの問題点や改善点を評価する工程がC、事故が起きた場合や時代の変化に合わせ、より最適なシステムに更新する取り組みがAとなる。ISOマネジメント規格では、システムそのものではなく、このPDCAサイクルを回していく仕組みを構築することがもっとも重要だと言われている。

ISO22000を取得するためには何が必要?取得するメリット、デメリットは?

では最後に、ISO22000を取得するためには具体的にどんな手順を踏む必要があるのか、またどんなメリットやデメリットが考えられるかについて紹介する。

ISO22000を取得するための手順

ISO22000を取得するには、大きく3つのステップがある。はじめに、ISO取得のための担当チームを作成し、ISOに関する知識の習得や従業員の意識統一を行う。次に、自社の現状把握にもとづき、ISO22000の規格に沿ったマニュアルづくりをする。マニュアルが完成したら、実際に運用し、内部監査員によってきちんと運用されているか、改善点はないか見直しや修正を実施。問題なければ審査を申し込み、認証段階に移る。

ISOの認証を行う会社は数十社あり、価格や審査の質、取得までの期間にばらつきがある。「とにかく早く認証が欲しい」「業務効率化のためのツールとしてしっかり活用したい」など、取得目的に合わせて選択するようにしよう。

取得するメリットは

ISO22000取得によって企業が得られるメリットはさまざま。まずは、提供する食品の安全が確保され、事故リスクが低減することだろう。食品安全に取り組む姿勢を消費者にアピールできるため、信頼にもつながる。

社内において、仕事の「見える化」によって業務効率の改善や業務継承の円滑化に期待できる点もメリットだ。その他にも、規格を取得すると保健所からの監査が免除・低減されたり、海外を含めた企業の取引要件をクリアできるなどのメリットもある。

デメリットはある?

ISO22000の取得にはメリットだけでなく、デメリットも存在する。一つは費用の面。システム構築の際に発生するコンサルタント費用や必要に応じた設備改修費、認証を維持するための更新審査費用など、取得するためのコストが企業の負担となる場合がある。

また、認証を取得しても効果が出るまで2~3年かかる点もデメリットとして挙げられる。マニュアル作成・改善による作業が通常業務の妨げになる可能性も否定できないからだ。

文/oki

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