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品質管理に欠かせない「QC7つ道具」とはどんな意味?

2021.03.30

製造業において欠かすことのできない品質管理。製造工程におけるデータを管理・分析し、品質改善を行う方法はいくつか存在するが、その代表的なものとして「QC7つ道具」と呼ばれる手法がある。

本記事では、QC7つ道具の意味や仕組みをわかりやすく解説する。主に製造現場で活用されている基本的な手法だが、覚えておけば、それ以外の業種でも活用できるはずだ。

QC7つ道具とは

QC7つ道具」のQCは「Quality Control:品質管理」の頭文字をとった略語。QCの「7つ道具」とは、品質管理における分析・改善を適切に行うためのフレームワークを指す。定量的なデータを扱う場面に効果的であることから、製造業の生産現場などで活用されることが多い。具体的には、「パレート図」「特性要因図」「グラフ」「ヒストグラム」「散布図」「管理図」「チェックシート」の7つを指す。

パレート図

パレート図とは、データを工程や項目ごとに分類し、棒グラフと折れ線グラフで表した図。全体の20%の要因が、残りの80%に影響を与えるという「パレートの法則」を可視化することができる。重点的に改善すべき不良項目を発見し、クオリティを効率的に向上する上で欠かせない存在だ。

特性要因図

特性要因図とは、「ある問題の特性(結果)がどのような要因で構成されているのか」を矢印で整理する図。「なぜ不良が生じたのか」という問題に対し、「マニュアルに不備があった」「検査が不十分」など考えられる要因を分析し、矢印で繋いでいく。特性要因図を用いて特性と要因の関係を明らかにすることで、具体的な改善策を検討しやすくなる。矢印の集合体が魚の骨の形に似ていることから、「魚の骨図(fishbone diagram)」と呼ばれることもある。

グラフ

グラフは、数値の比較や変化を把握するためにデータを視覚的に表現したもの。品質管理の場面では、「棒グラフ」「折れ線グラフ」「円グラフ」「レーダーチャート」「帯グラフ」などが多く用いられる。同じデータで異なる複数のグラフを作成することで、多角的な検討が可能。

また、QC7つ道具のすべてに適用可能な「層別」という手法もある。7つ道具の1つとされる場合もあるが、「ツール(道具)」ではなく方法として捉えることが多い。データをある特定の分類基準に分ける手法で、グラフと組み合わせることにより問題の原因究明に役立つ。

ヒストグラム

ヒストグラムとは、特定のデータを一定範囲で区切り、それぞれの度数を表にまとめた図のこと。データをヒストグラム化することで、分散度合いや中央値を把握することができる。製造工程上の問題を突き止める方法として効果的。「柱状グラフ」や「度数分布図」などと呼ばれることもある。

散布図

散布図は、ある2つの項目をそれぞれ「X軸」と「Y軸」に設定し、各データをプロットしたグラフ。2つの項目の相関関係を把握するのに適しており、多くのデータをプロットしていくことで一定の傾向が確認できる。

Xの増加につれてYも増加している右肩上がりのグラフは「正の相関」があり、Xの増加に対しYが現象している右肩下がりのグラフでは「負の相関」がある。XYの増減に規則性が見られない場合、2つの項目は相関関係にないことが分かる。

管理図

管理図とは、各製造工程における品質のバラつきを可視化するための図。「中心線(CLCenter Lines)」を基準に、その上方に「上方管理限界(UCLUpper Control Limit)」、下方に「下方管理限界(LCLLower Control Limit)」を設定し、管理状態が管理限界内で安定しているかを確認する。管理限界の外側に出ているデータから、管理工程の異常を発見することが可能。

チェックシート

チェックシートとは、あらかじめ設定した項目に従ってデータを記入していく表のこと。製造現場では、主に点検と記録を目的として活用されている。点検用は、点検漏れやチェックミスなどを防止するいわゆる‘’ポカヨケ‘’として用いられ、記録用は、分析材料としてのデータを収集するために作成されることが多い。

「新QC7つ道具」も存在する!

ここまで、主に製造業の品質管理に用いられるQC7つ道具を解説してきたが、実は「新QC7つ道具」という手法も存在する。従来型とセットで覚えておこう。

QC7つ道具との違い

QC7つ道具とは、「言語データ」を視覚的に整理することで問題解決を目指す品質管理手法。「親和図法」「系統図法」「連関図法」「マトリックス図法」「アローダイアグラム」「マトリックスデータ解析法」「PDPC法」の7つの手法を指し、「N7New Quality Control – 7 Tools」と呼ばれることもある。

「データの視覚化」という点では従来のQC7つ道具と新QC7つ道具は共通する部分はあるが、前者が「定量的な分析」を行うのに対し、後者は「定性的な分析」を実施する。つまり、数値化が困難な「言語データ」の分析に適しており、営業・経理・総務などの分野で広く活用されている。

文/oki

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