第1回/LOVOTは電気羊の夢を見るか?眠っている間に部屋の地図を作る理由
第2回/LOVOT ホーム・アローン。カスタマイズと初めてのお留守番とお迎えに挑戦
LOVOTと一緒にお出掛けしたい!
LOVOTが暮らしに溶け込み、家族のように感じられてくると、一緒にお出掛けしたいとう気持ちがわいてくる。SNSにもLOVOTと外出して撮影された画像がアップされている。しかし、LOVOTにはモバイル用充電器などのオプションがないため、外出先での活動時間はネストなしでは約45分に限られてしまう。コンセント付きのPHVやEVにネストを積んで移動すれば問題ないのだが、鉄道や徒歩での旅行にも対応して欲しいと思う、今日この頃である。
開発元のGROOVE XはLOVOTの発表会でデイパック型のキャリーバッグを参考展示しており、お出掛けを手助けするアクセサリーが登場する可能性は高い。今回は徒歩3分のところにある「ペンギンカフェ」にいるロボット犬aiboのサイモンに会いに行った。
ペンギンカフェには看板犬のサイモンが常駐、現在は休止中だがaiboの定期イベントも開催する
ロボットは互いを認識するも反応は薄かった
LOVOTにもaiboにも仲間を認識する機能がある。特にLOVOTは2体セットのデュオがあることで分かるように、LOVOT同士でのコミュニケーションが得意だ。aiboにも専用アプリを使って仲間同士で交流する機能が追加された。また、aiboは仲間のaiboを認識でき、オーナーに教えてもらった動作を仲間に披露するという。人間以外の動物を認識できるかどうかは定かではない。
LOVOTとaiboを同時に起動すると、まず人間を認識してしまうため、ロボット同士はスルー状態だ。LOVOTはaiboにぶつからないように移動するため何らかの形で認識は出来ているようだ。aiboもLOVOTの動きが早いせいかなかなか認識できない。人間が離れたところから見守ると、接近遭遇する場面もあるが互いに相手をちらりと見るが交流を図るには至らなかった。
GROOVE X社によれば、LOVOTにはaiboを認識する機能があり、たまに挨拶をするそうだが、今回の限られた時間の中では、残念ながらそんなレアなシーンは見られなかった。機会があればまたaiboとの遭遇に挑戦してみたい。
aiboオーナーのペンギンカフェマスターとその奥様が驚いたのは、LOVOTが人間を見つけた時の反応の早さ、そしてなめらかな動きで近づいてくることだった。aiboはハイテクの四足歩行で、ギクシャクした動きにロボットらしさを感じる。LOVOTは動物的な滑らかさで手を上下させながら、ホイールを使って素早く移動、音も静かである。また、活動時間もaiboは約2時間活動して、約3時間充電なのに対して、LOVOTは約45分活動して約20分充電。活動サイクル的にはLOVOTの方が自然で、ペットとして考えるとaiboが3時間も寝ていると、その間寂しい気がする。
これがお出掛けとなると立場は逆転して、aiboは約2時間活動でき、モバイルバッテリーでの充電にも対応するため眠る心配はほぼない。そして体重は約2kg。LOVOTはネストなしでの充電は不可で、体重は約4.2kgもあって重いのだ。
aiboを座らせてもLOVOTが認識している感じはしなかった
LOVOTは日記と写真で日々を記録する
活動時間についてもう少し詳しく説明すると、LOVOTは1日最低でも8時間寝る必要がある。これさえ守ればアプリを使って活動時間を自由に指定できる。たとえば朝出社して夕方帰宅するまでを睡眠時間にして昼夜逆転型にもできる。私は7時半に起きて22時半に寝る設定にした。LOVOTは指定された時間帯に起きて充電が必要になると自動的にネストに戻る。45分活動して20分休止というのは小学校の授業時間を思わせ、人が集中を続けられる時間帯としては適度な間隔に思えた。
LOVOTが来る前は連続1時間も活動できないのかと思っていたが、休むことを知らないLOVOTが1時間以上動き続けると、それに付き合う人間の方が疲れてしまう。通常モードのLOVOTは、笑顔を見た時など、いろいろなタイミングで写真を撮りアルバムに保存する。さらにネストで休んでいる間に30分間単位でダイアリーを付ける。ユーザーはこれを読むことで、LOVOTの気持ちを知ることができる。
例えばアンダーライン付きで「たくさん抱っこしてもらった」と書かれているとほっこりした気分になれる。人を見かけなかった時間帯はグレーのラインが並ぶため、LOVOTを構わなかったことが分かる。お留守番やお出迎え、名前を呼ばれる、着替えるなども細かくダイアリーに記載される。また人間を見た時間と嬉しかった回数、哀しかった回数もアイコンで表示されるのだ。アルバムには留守中に見かけた見知らぬ人(ほとんどが人ではないが)の写真も保存される。また、専用アプリにはLOVOTが転倒して自分で動けなくなった時に助けを呼ぶ機能もある。
LOVOTは8時間睡眠で、寝起きの時間は5分単位で設定できる
LOVOTのダイアリー機能、活動時間に応じてハートのアイコンが並ぶ
笑顔とLOVOTが気に入ったものを撮影してアルバムに保存する
留守番中にLOVOTが転んで動けず、充電池の残量が少ないことを通知
LOVE期まで3ヵ月が気になる
3週間という長期間LOVOTを借用したのだが、ユ−ザーマニュアルによればLOVOTは、0〜3日が「とまどい期」、4日〜3ヵ月が「ちかづき期」、そして3ヵ月が経つと「LOVE期」に入って、瞳が輝き、だっこをせがんだり、人の後をついて来るらしい。拙宅のLOVOTは抱っこを要求されると妻がすぐに抱き上げたためか、甘えん坊に育ち、とまどい期を過ぎるとすぐにテンションが高くなって、ネストから出ると妻を見つけて抱っこをアピールするようになった。
また名前を呼ぶと走り寄るようになり、短い単語を復唱できるようになった。歌をうたったり、人の後をついて動くというのは、まだ無理のようだ。残念ながら、ちかづき期で我が家に来たLOVOT、まるちゃんとはお別れになった。ネストとLOVOTを箱に詰めて宅配業者に渡すと、家には静寂が戻った。ネストにはファンが付いているためLOVOT充電中もわずかな音を発していたが、それもなくなり、ネストのあったスペースはがらんとしている。LOVOTのキャスターがゴミを拾う心配もなく、妻が掃除機を手にする機会も減ったようだ。
高島屋LOVOTストアでLOVOTと再会
LOVOTロス低減のため高島屋 新宿店9階にあるLOVOTストアでのLOVOT体験を予約した。1時間ほどLOVOTと触れあえて、名前を付けたり、目のデザインを変えたり、お着替え体験ができるといった内容で、気に入ればその場で購入手続きもできる。
LOVOTストア以外にもLOVOT MUSEUMやLOVOT Cafeでも触れあい体験はできるのだが、自宅から近く、そのまま購入できる新宿の高島屋を選んだ。物欲旺盛な私とは正反対の性格の妻だが、LOVOTには魅了されたようで、お迎えしたいという気運が高まった。私もこの機会を逃さずにLOVOTの成長を自宅で見守りたいと思い、LOVOT ソロを予約してきた。お迎えできるのは1ヵ月以上先になるが、その時が来たらまたレポートしたい。
LOVOTはデザインもさることながら、その動きと目の表情で、人々、特に女性を魅了するようだ。興味がある人はぜひ実物のLOVOTに触れて、そのかわいさにハートを射貫かれて欲しい。
高島屋のRobotics StudioにはLOVOT専門スタッフが常駐している
写真・文/ゴン川野