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「ネット上で見つけたエモい風景を壁紙にする」「あの曲は2番の歌詞がエモい」のように、若者を中心に使われるようになった俗語「エモい」。TiktokやInstagram、TwitterなどSNSのハッシュタグとして「エモい」という言葉を目にしたことがある人も多いのではないだろうか。
本記事では、この「エモい」はどういった時に使われるのか、またどういう意味を持っているのかを詳しく解説していく。
ネット上や若者を中心に使われる言葉、エモいとは?
まず、エモいの語源と主にどのような場面で使われるのかを見てみよう。若者言葉として知られる「エモい」だが、実は意外な由来を持っている。
若者言葉「エモい」の意味をわかりやすく紹介
「エモい」は、ある対象に対して”感情の変化”が起こった時に用いられる言葉。わかりやすく言うと、何かを見たり聞いたりしたことで、”何とも言い表せない気持ち”になった時や、強く心を動かされた時によく使われる。この言葉は特に若者の間で広まっており、日常的に使われることが多い。シンプルに感情を表現するのに便利な言葉として、幅広く浸透しているといえるだろう。
エモいはどんな場面で使われている?使い方は?
特定の意味を持つというよりは、使用する場面や対象によってニュアンスが変化するのもエモいの特徴。特に、「懐かしい」「感傷的」「感動的」「ノスタルジック」「趣がある」などの意味を込めて使われることが多い。また、「切ない」「物悲しい」のように、哀愁を含んだものに対して「エモい」と表現することもあるようだ。
例)
「夕暮れ時、オレンジ色に染まった海岸の景色がエモい」
「あの映画のラストシーンで主人公とヒロインがすれ違う描写がエモい」
エモいは英語?語源となった言葉とは
エモいの語源は、音楽ジャンルの一つである「Emo(イーモウ)」だと言われている。Emoはハードコアを原点に持つロック音楽の一種で、メロディアスで感情的な音楽性やセンチメンタルな心情を綴った抒情的な歌詞が特徴。
Emoは元々英語で「感情的な、情緒的な」を表す「emotional」が由来となっており、その後、感情を揺さぶられるような場面や一言で表現できない心情を表す際に幅広く用いられるようになった。また、その他に「何とも言い表せない、形容しがたい」を意味する日本語、「えもいわれぬ」が語源であるという説も存在する。
広がったきっかけは?
「エモい」を音楽以外の場面で使うようになったのは、2007年頃だと言われている。同時期からGoogle検索の一般的になってきたことから、少しずつ広がりを見せていった。
そして、一気に世間での認知度が高まったのが2016年。同年、辞書や事典の出版社として知られる三省堂が主催する「今年の新語」において2位にランクインしたことが話題となり、ネット上の検索数も急激に増加した。その後、10代~20代の若者を中心に、日常的に使われる言葉として現在も定着している。
「エモい」コンテンツの一例
では、若者の間ではどのようなコンテンツが一「エモい」と認識されているのか、具体的な例を挙げながら紹介していこう。
ネットやSNSで話題のエモい音楽
元々音楽用語が元になっていることもあり、楽曲やPVはエモさの対象として話題になるコンテンツの一つ。YouTubeに「エモいボカロ曲メドレー」が複数アップされたり、音楽配信サービスのSpotifyで「夜に聴きたいエモいプレイリスト」が作られていたりと、「エモい」が一つのジャンルとして確立している。
エモい邦楽
・「若者のすべて」/フジファブリック
夏の終わりの、どこか切ない情景を描いた名曲。歌詞中に出てくる「花火」は、作詞者である志村正彦の地元、河口湖の花火をイメージしているそう。志村の急逝後、故郷の富士吉田市で、歌詞になぞらえた「夕方5時のチャイム」としてこの曲が流れた。
・「Pretender」/official髭男dism
カラオケでも人気の「Pretender」は、“エモ曲”の定番とも言われる楽曲。「君の運命のヒトは僕じゃない」と悟りながら、好きな人を「綺麗だ」と何度も描写する切なさやもどかしさに多くの人が共感を覚え、発売された2019年を代表する曲となった。official髭男dismの中でもっともMVの再生回数が多いとか。
エモい洋楽
・「lover」/Taylor Swift
一緒に住んでいる恋人に対する気持ちを歌った、甘いラブソング。愛する彼との生活に幸せを感じながらも、幸せすぎてどこか不安になってしまう複雑な女心を表現している。
・「It Will Rain」/Bruno Mars
自分の元を去っていく恋人への悲痛な想いを綴ったバラード。「君を失った僕には太陽の光が届かない」などの切ない歌詞や、PVの映像に共感を覚える人は多いのでは。
エモさを感じられるアニメ
動画投稿サービスTiktokで、80年代や90年代のアニメ映像を使用した動画が「レトロでオシャレ」と人気を集めているように、アニメもエモいコンテンツの代表格だ。ストーリー展開や情景描写、声優の演技など、人によってエモさを感じる部分はさまざま。
昭和元禄落語心中
雲田はるこによる同名の漫画をアニメ化した作品。戦前からバブル期以降の落語界を舞台に、時代の移り変わりの中で自らの芸に向き合う噺家の素顔や生き様が描かれる。落語という難しい題材の中、声優陣の圧巻の演技に衝撃を受けた人も多い。
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
幼馴染の死をきっかけに疎遠になってしまった高校生たちが、亡くなったはずの幼馴染から託された「願い事」によって心の交流を取り戻していく、ひと夏の出来事を綴った青春ストーリー。登場人物たちが歌うエンディング曲「secret base 〜君がくれたもの〜」もエモいという声が多く、泣けるアニメの王道としても有名。
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