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企業間のやりとりやDMなどに使われる、企業のロゴマークが入った封筒や便箋。普段は見落としてしまいがちだが、こういった文書の上部に記載されている「レターヘッド」が、特に海外では重要な役割を持っていることはご存知だろうか。
日本ではあまり馴染みがないが、海外のビジネスマナーでは電子メールの場合も使用が推奨されており、覚えておくと役立つかもしれない。そこで本記事では、レターヘッドの役割や使い方を詳しく紹介していく。
レターヘッドとは何?その役割や使い方
はじめに、そもそもレターヘッドにはどういった役割があるのか、何が書いてあるのかを解説したい。
便箋の上部に注目!レターヘッドは手紙のどの部分を指す?
レターヘッドとは、便箋の上部にある企業名や住所、ロゴマークなどが印刷されている部分のこと。最近はメールアドレスや公式ホームページのURLが記載してあるケースも多く、いわば「企業の顔」となる情報がまとめられている。また、こうした印刷が施された便箋そのものをレターヘッドと呼ぶこともある。
特に海外では公式文書を証明するために使われる
日本においては、公式文書かそうでないかは「角印」などの印章で判断する。海外では、印章の代わりにレターヘッドが公式文書の証明。そのため、日本企業から海外に文書を送る際、署名や捺印があってもレターヘッドがないと受け取ってもらえないケースもある。ビジネスシーンで使用されるレターヘッドは、大きく以下の2種類。
公的文書では会社独自の透かしが印刷されている場合も
一つは先述した公的文章を証明するためのレターヘッド。これは法的な効力を持つため、偽造防止の印刷が施されていたり、使用する際には発信先の記録や申請が必要であったりと、きちんと管理されている場合が多い。公式のレターヘッドは印刷会社で刷られた紙に、会社独自の透かしが入っているケースもある。
普段使いであれば簡易なデザインやコピーを使用することが多い
もう一つは、会社のロゴや住所は印刷されているが、簡易なコピーを使用して作成された、いわば普段使いのレターヘッド。会社が発行した文書を証明していることに変わりはないが、法に基づいた証明をするためのものではなく、企業間の一般的なやり取りやDM、fedexなどを利用して海外に貨物を送る際にもこちらが使われる。
日本でも、CI(コーポレート・アイデンティティ)にこだわりを持つ企業は、自社のレターヘッドをイメージ戦略の一つとして活用していることもある。
レターヘッドの使い方
レターヘッドは「ファーストシート」とも呼ばれ、1枚目のみに使用する。書簡が2枚以上になる場合、2枚目以降はレターヘッドと組み合わせる専用の用紙(ロゴマークなどがより控えめに印刷されているもの)や、レターヘッドと同じ紙質のものを使用し、封筒も同素材のもので統一するのがルールだ。
また、レターヘッドはあくまでも企業の公的文書という位置づけ。ビジネス上のやり取りであっても、お礼状やお詫び状などの個人的な目的では使わないのがマナーだ。
おすすめのレターヘッド作成方法
海外との文書のやり取りの中でレターヘッドが必要となった場合や、電子メールに自分でレターヘッドを記載する場合、「どのように作成したらいいか分からない」という人も多いのではないだろうか。ここからは、レターヘッドを作る際におすすめの方法を紹介する。
無料のテンプレートを利用する
インターネット上では、無料のテンプレートからレターヘッドを作成できるサイトもある。サイズや形状、デザインなどを選択するだけなので手間がかからず、ダウンロードや共有が簡単にできるのも魅力。サイトによっては、和文・英文を選択できたり、そのまま業者に印刷を依頼することも可能だ。
オリジナルのレターヘッドを作成する
「デザインにこだわりたい」「せっかくなら長く使えるものを作りたい」という方には、印刷会社やデザイン会社に作成を依頼するのがおすすめ。上質なレターヘッドを使用して送られた書簡は、会社のイメージアップにも繋がりやすい。レターヘッドには直筆で署名をすることもあるため、初めて作成する時は書きやすい質感の紙を選ぶのもポイントだ。
会社名や住所の入れ方は?レターヘッドの基本的な書き方
わざわざ依頼して作るほどではない場合や、簡易的なレターヘッドで十分な場合は、自分で作成するのも一つの方法。
必要になるのは、発信者の「会社名」「住所」そして「日付」だ。日本語で記載する際は、住所は「都道府県名→市区町村名」のように広い地域から表記するが、英語では「番地→市区町村名→都道府県名」と狭い地域から記していく。
また、日付を「2/11/2021」のように数字のみで表した場合、アメリカ式では2021年の2月11日、イギリス式では2021年の11月2日という意味になってしまうため、「February 11,2021」と月を英語で表記した方が誤解は生じにくい。
このように、企業のロゴがない簡易的なレターヘッドのことを「ヘッダー」と呼び、正式なレターヘッドと区別する場合もある。公的な文書ではないメールや文書に使うのであれば、特に効力に違いはない。
文/oki