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無印良品、ニトリ、イケア、コロナ禍でも好調な3大人気ショップの経営戦略

2021.05.04

無印良品、ニトリ、イケア

コロナ不況にあえぐ市場で好調をキープするのが無印良品、ニトリ、イケアだ。家具を軸に日本の暮らしを変え、今ではライフスタイル全般で欠かせない存在となった3社の気になる最新情報を総力取材。新生活に取り入れたいベストバイを紹介しよう。

強い存在感と商品力でコロナ禍を勝ち抜いた

 巣ごもりやテレワーク消費による家具やインテリア雑貨の需要拡大で、コロナ禍でありながら無印良品、ニトリ、イケアが着実に業績を伸ばしている。特に顕著だったのがニトリの快進撃。業界に詳しい経営コンサルタントの岩崎剛幸さんも驚きを隠さない。

「似鳥昭雄会長に話を伺いましたが、昨年の緊急事態宣言を受け、全国の約8割の店舗が一旦休業した際、『これで34期連続の増収増益は止まるかもしれない』と考えたそうです。ところが巣ごもり消費で一転、売り上げが伸びると、ショッピングモールの空き区画へ意欲的に新規出店するなど出店強化戦略へと舵をとり、現在も売り上げが2桁増を続けています。3社中、シェアを高める明確なコロナ戦略を打ち出したのはニトリだけ。売り上げにこだわる経営理念を感じました」

 コロナ禍では、「郊外型・広い駐車場・人と触れ合わない大型店」が繁盛店の条件。これらを満たすニトリの郊外型店舗や、巨艦店主義のイケアの好調が続いているが、無印良品も2019年、石川県野々市に開業した、売り場面積約600坪の大型店が健闘。7月以降は都市部でも業績が回復し、売り上げアップに貢献した。

「もうひとつ、3社の販売力を支えたのが、外出自粛によって劇的に伸びたEC事業です。無印良品は今年度、222億円から1.6倍に拡大を見込み、ニトリはアプリを強化し、440億円から2021年度決算で1000億円億と倍増を予測しています。イケアは国内単独ではなく世界的な数字となりますが、オンラインだけで3500億円の収益確保を見通しています」(岩崎さん)

 2021年は3社による三つ巴の戦いが予測されるが、「企業理念に基づくブランディングの違いから3社にライバルという感覚はない」と岩崎さんは読んでいる。

「『住まいの豊かさを世界に』を理念とするニトリはあくまで大衆目線、『良品価値の探求』を掲げる無印良品はシンプルでベーシック、『より快適な毎日を、より多くの方々に』をビジョンとするイケアは、デザインと機能性を売りにしたホームファニシングを得意としています」(岩崎さん)

 この違いが、各社のブランド力につながっているのだという。

経営コンサルタントが分析!「無印良品」「ニトリ」「イケア」
3社3様!コロナ時代のシフトチェンジ

岩崎剛幸さんが考える3社の代表的な客層

シンプルな無印良品は20代からの支持が圧倒的。30〜40代はデザイン性の高いイケアを、ニトリはシニア層に至る全世代に愛されている。

岩崎剛幸さんが考える3社の代表的な客層

岩崎剛幸さん

経営コンサルタント  岩崎剛幸さん
船井総合研究所で28年間、上席コンサルタントとして従事した後、ムガマエ株式会社を創業。流通小売業界のコンサルティングのスペシャリストとして、幅広いシーンで活躍している。

家具で知られる3社だが客層も経営方針も異なる

〝ライバル同士にはならない〟無印良品、ニトリ、イケアの異なるブランディングが、顕著に表われているのが客層の違いだ。

「ニトリは地方のマイホーム族に強く、高齢者の人気も高い。無印良品も全世代に浸透していますが、最近は高齢女性とジェネレーションXやミレニアル世代に強く支持されています。イケアは都市部郊外のニューファミリー層の利用者が多いですね」(岩崎さん)

 商品づくりや新製品の発売サイクル、品揃えも3社で異なる。

「ニトリは取扱商品を積極的に増やしています。家具の印象が強いですが、家具が占める割合は3割程度。キッチン用品、寝具、インテリア雑貨というホームファニシングや家電商品が主力になりつつあります」(岩崎さん)

 トレンドを意識しつつも尖った製品は少なく、デザインも万人受けを狙うのがニトリ流。これに対し無印良品は、環境を意識したシンプルなベーシック商品が主力だ。

「決して華美でなく、トレンドも追いかけない〝無駄のない生活をしたい〟人向けのラインアップが、若い世代を引き付けています」(岩崎さん)

 無印良品のファンは〝ムジラー〟〝シンプル族〟ともいわれ、その飾り気のない家具は、日本のインテリアコーデのスタンダードとなり、家中の家具を無印良品で揃えるという人も多い。デザイン面では完全ニトリをリードしている。

「イケアも無印良品と同様に、シンプル&ベーシックが基本の品揃えですが、日本にはないセンスのおしゃれな北欧テイストがポイント。さらに、カタログ写真ではなく、店舗内に家具を置いた部屋を実際につくる“間取り提案”も独自戦略といえます」(岩崎さん)

 イケアは1度撤退した日本市場に返り咲く際、日本の部屋を徹底的に研究し、この〝間取り提案〟で成功を収めた。昨年開業した都市型店でも、その成功体験は生かされ、無印良品以上に、ユーザーが自分でコーディネートするための家具が充実している。

「イケアは定番商品中心のラインアップで、新商品が少ないため、ニトリはもちろん、無印良品と比べるとアイテム数では見劣りします。都心進出を機に、単身者向けの新商品が拡充されることを期待しますね」(岩崎さん)

3社の業績比較表

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