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正しく読まれにくい漢字の一つである『続柄』は、『つづきがら』と読むのが正解です。しかし現在は、元々は間違いとされていた読み方である『ぞくがら』も認知されています。続柄の読み方や言葉の意味について解説し、書類別の詳しい書き方も紹介します。
続柄の正しい読み方とは?
『続柄』は『つづきがら』が正しい読み方ですが、現在は『ぞくがら』と読んでも間違いではないとされています。ぞくがらは、誤読が認知された慣用読みの代表例です。
「つづきがら」が正解
続柄の正しい読み方は『つづきがら』です。続柄の表記は、『続き』の送り仮名『き』が省略されたものだとされています。
あるアンケート調査によると、『ぞくがら』と読む人は8~9割にも達しています。送り仮名が残っていれば、読み間違いは生まれなかったでしょう。
続柄は、公的な手続き書類や各種申込書で記入する機会が多い項目名です。読み方を意識する場面は少ないものの、正しい読み方を知っていれば役に立つ場面もあるでしょう。
「ぞくがら」と読むのもあり?
続柄を「ぞくがら」と読むのは、完全な間違いではありません。ぞくがらを『つづきがらの俗な読み方』と掲載している辞書もあります。
ぞくがらのように、誤読が広く一般化した読み方を『慣用読み』といいます。『早急(そうきゅう)』『重複(じゅうふく)』『出生(しゅっせい)』『貼付(てんぷ)』などが代表的な慣用読みです。
それぞれの正しい読み方は、『早急(さっきゅう)』『重複(ちょうふく)』『出生(しゅっしょう)』『貼付(ちょうふ)』です。現在では、さまざまなシーンで慣用読みも認められていることを覚えておきましょう。
続柄の意味は?
公的な書類の項目名としてよく目にする続柄は、世帯主や申告者から見た親族との関係を示す言葉です。『続柄』と『あなたとの続柄』の違いも押さえておきましょう。
親族との関係を表す言葉
続柄とは、自分から見た親族との関係を意味する言葉です。書類の項目には、本人・夫・妻・父・母など、婚姻・血縁関係が分かる言葉を記入します。
『続』は、子孫や血統が代々続くことを意味する漢字です。また、『柄』は同じ血のつながりがあることを意味しています。
戸籍・住民票・年末調整・確定申告など、続柄の項目がある書類の種類はさまざまです。あらゆるシーンで目にすることになるため、多くの人にとってなじみのある言葉だといえるでしょう。
「あなたとの続柄」との違い
一般的に、続柄の項目には世帯主との関係を記入します。このルールとの区別を明確にするための言葉が『あなたとの続柄』です。
提出書類に『あなたとの続柄』と書かれている場合は、その書類を書く本人から見た関係を記入する必要があります。世帯主との絶対的な関係ではなく、書類ごとに異なる相対的な関係を記入しなければなりません。
『あなたとの続柄』は、年末調整など税金に関する提出書類でよく見られる項目です。一方、確定申告の提出書類には、『世帯主との続柄』と明記されています。
書類別の書き方
続柄の書き方には一般的なルールがあります。基本の書き方を理解した上で、書類ごとに異なる部分を覚えておきましょう。
基本的な書き方
会社に提出する手続き関係の書類など、一般的な書類の続柄を書く場合は、書類作成者から見た関係を記入します。自分の続柄は『本人』、配偶者は『夫』『妻』です。
自分の両親は『父』『母』、配偶者の両親は『夫(妻)の父(母)』と書きます。義父や義母ではないことに注意が必要です。
子どもの続柄は、性別や生まれた順番に関わらず、全て『子』と書きます。孫は『子の子』です。
兄弟の場合は、自分の兄弟なら『兄』『姉』『弟』『妹』、義理の兄弟であればそれぞれに『夫(妻)の』を付けます。同じ性別の兄弟が2人以上いる場合も区別はしません。
祖父母は、どちらの親か分かるように、『父(母)の父(母)』と書きます。おじやおばは、『兄』『姉』『弟』『妹』のそれぞれに『父(母)の』を付けるのが一般的です。
戸籍・住民票
戸籍や住民票では、『世帯主から見た関係』を記入します。家庭内で最も高収入の人を世帯主とするのが一般的であり、一人暮らしでの世帯主は本人です。
ライフスタイルの変化などにより、世帯主も変わる可能性があります。家族の中で、常に夫や父が世帯主であるとは限らないことに注意が必要です。
基本的な書き方は一般的な書類と同じですが、戸籍では子を出生順・性別ごとに区別して『長男』『二男』『三男』『長女』『二女』『三女』と書きます。
次男や次女ではないことに注意しましょう。住民票の場合は、プライバシー保護の観点から、現在は全て『子』に統一されています。
年末調整・確定申告
税金関係の書類では、書き分けを意識することが大事です。年末調整なら『あなたとの続柄』、確定申告の場合は『世帯主との続柄』を書く必要があります。
申告者が妻の場合、年末調整での『あなたとの続柄』は、妻であるあなたから見た世帯主との関係を書かなければなりません。世帯主が夫なら、『あなたとの続柄』も『夫』です。
妻が申告者として確定申告を行う場合、世帯主から見た申告者の続柄を書きます。『世帯主との続柄』は世帯主が夫なら『妻』、世帯主が妻なら『本人』になるのです。
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